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(回答先: パイオニアがプラズマパネル撤退 自前生産日立は維持できるか? [J-CAST] 投稿者 XL 日時 2008 年 3 月 26 日 20:50:41)
The Economist 2008年3月22日号
中国の株式市場
China's stockmarket
収益は増加、株価は下落
Earnings up, prices down
(2008年3月19日 香港)
中国株にもリスク回避の波
九龍紙業は、世界とのつながりを強めて活況を呈する中国産業の中心に位置している。輸出品の梱包がこの会社のビジネスだ。同社の強さは、3月17日に、過去最高となる上期の収益を発表したことで、疑いようもなく明らかになった。ところがその直後、同社の株価は40%も急落した。香港の証券会社、新鴻基金融集団のアルビン・チョン氏によると、これは企業が相次いで業績を発表する決算シーズンにあって、とくに今期典型的にみられているパターンだという。好業績と悲惨な株価である。
世界の市場が、リスクの高い投資、高すぎるレバレッジ、成長の減速に対して神経質になっている中で、かつては無敵だった中国の株式市場でさえも、現実の壁にぶち当たってしまった。これまでのところ、米国の金融市場を苦しめているような恐慌状態に至ってはいない。しかし、今年に入って、中国の株式市場は30%下げている(図参照)。これに対してS&P500の下げ幅は13%だ。
中国は、国内事情によって流動性逼迫が深刻になっているようだが、これはいま欧米に影響を及ぼしている流動性逼迫とそれほど変わらないものだ。インフレがさらに進む中、中国政府は、銀行による貸し出しに制限を加えている。3月18日、中国の銀行の支払準備率は15.5%に引き上げられたが、これも、一連の引き締め政策のひとつだ。
金融の引き締めは、事業拡大計画の妨げとなり、その結果、売り上げの成長も妨げることにつながる。インフレが進めばコスト上昇の影もしのびよることになる。九龍紙業でも、純利益率は20.4%から15.8%に下がった。長年、同社は売り上げを伸ばすと同時に効率を高めることで、企業体質を強化してきた。アナリストによれば、この利益率の縮小は、すでに神経質になっていた市場を驚かすには十分なニュースだった。1年前、九龍紙業の株は、株価収益率の40倍で取引されていた。現在は13倍で、これは外国の製紙企業とほぼ同等である。
市場の他の部分でも、泡は吹き飛ばされようとしている。牛乳を必需品に変えて、この広大な国の食習慣を変えてきた中国蒙牛乳業も、その例外ではなく、もはやインターネット銘柄のようには取引されなくなった。今年、同社の株価はほぼ半分に下がった。中国の不動産開発企業も大きな痛手を受けている。R&Fプロパティーズと、アジル・プロパティの2社を例にとってみると、この2社の株価は2006年から2007年の前半にかけて、2倍から3倍に上がった。その後は、3分の2も下げている。中小の開発業者の中には、資金調達に問題を抱えて建設作業を完了できないところが出てくるのではないかという懸念が広がっている。そうなれば安売り処分に火がつく可能性がある。
だが、すべての問題が国内に端を発するものというわけではない。憂鬱なムードにさらに影を落としているのが、外国人投資家の熱が冷めてきているという事実だ。3月17日時点で、ニューヨークに上場しているモルガン・スタンレー中国A株ファンドは、純資産価値よりも30%割引されて取引されている。この割引率は、米国のほぼすべてのクローズドエンド型上場投資信託を上回る数字だ。香港の投資銀行は今後、新規株式公開が行われる可能性があるパイプラインを数多く抑えているとしているが、投資家の側は意欲を失っている。3月17日、クラッカーの会社、ワントワント・チャイナ・ホールディングスが新規株式公開を行った際には、見積価格が3分の1も下がってから、ようやく10億ドルを調達することができた。昨年の基準にあてはめて考えるなら完全な失敗だろう。だが、今年の状況からすれば、ワントワント[訳注:Wantは、英語で「欲しい」の意味]はなんとか社名の面目を保つことが出来たと人々が考えるに足る成果ということになるのだ。
http://www.eis-world.com/livedoor/080322.html