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第1ラウンド バーナンキFRB議長の完勝!
バーナンキFRB議長は、米国が直面した危機の第一関門を適切な金融措置によって突破した。逃げ出したグリーンスパンの尻拭いを懸命にこなす、バーナンキ議長とFRBのここ数ヶ月の対応は、後の経済史において評価されるのではないだろうか。
しかし、問題山積の中国問題、緊迫する中東大戦争の危機、サブプライムプライム問題はどの程度飛び火しるのか?米国のリセッション入りは避けられるのか?今後も次々と危機の火種は消えずまだ安心はできない。
昨年夏以来、米国と、世界経済を奈落の底へと追いやるかにみえたドル安・株安・原油金食品など国際商品の高騰の流れに3月18日を境に一定の歯止めがかかり、流れに変化が出てきた。
米国の金融市場は3月に入り、信用収縮の様相を強め、特に3月15日前後の世界株式市
場は悲観論一色で染まり、米国景気見通しは悲観のクライマックス局面を形成した。ネットでは、反米保守主義者と、左翼反米主義者が米帝国の終焉を高らかに宣言し狂喜していた。
市場では、原油食料の高騰に目もくれず、金利を引き下げたFRBの対応策が日本の金利差は縮小→「ドル暴落」の引き金を引いてしまったとの恐怖に包まれてしまった。
3月17日の東京市場では、一時ドル円で95円台と約12年7ヵ月ぶりの円高水準を示現した。金融工学を駆使した最近のマーケットではコンピューターには日米金利差縮小すると、
円買いドル売り→日本株の売りの自動売買プログラムが発動する仕組みらしい。
確かに円高は外需に頼る日本企業の収益を圧迫するが、バブル崩壊後の激しい淘汰の波を潜り抜けてきた日本企業は、円ドルが円高になっても格段に体力があり、10年前とは大違いの財務体質となっている。さらに、円高といっても、対ドルが円高であり、対ユーロでは大幅な円安水準であるため、むしろ為替差益を稼ぎ出している企業も多い。
円・ドルレートが1円変動すると企業の経常利益にどれほど影響を及ぼすか。いわゆる「為替感応度」は、1ドル=70円台に突入した1995年から確実に小さくなっている。
野村証券金融経済研究所の試算によると、業種別では、95年には自動車業界は1円円高になると経常利益が5.3%減少していた。電機・精密業界では1.9%減少、製造業全体でも2.9%のマイナスだった。しかし、2008年になるとその割合は大幅に縮小する。自動車では0.8%、電機・精密では0.6%、製造業全体では0.6%だ。
これまで「円高になると輸出産業は大打撃を受ける」と言われ、政府・日銀は為替介入などを通じて円安を維持してきた。しかし、もはや日本経済を牽引しているグローバル企業が為替変動による影響を受けにくくなっているとしたら、今後、日本にとっては円安がよいのか、円高がよいのか。
その答えを示唆する試算がある。第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストが作成したもので、日本の貿易収支と企業内貿易収支の関係を示したものだ。ここからは、既に日本経済にとっては円安よりも、むしろ円高のメリットが大きくなる可能性が高いという、知られざる姿が浮かび上がる。
日本が抱える巨額の貿易黒字は、ほとんどが製造業の本社と海外子会社間といった企業内貿易によるものであることが分かる。2005年は企業内貿易の黒字額が日本全体の貿易黒字額を上回っている。つまり、企業内貿易を除けば、日本は貿易赤字なのだ。データは2005年が最新だが、熊野氏は「この傾向は毎年、強まる傾向にある」と分析する。
グローバル企業の為替感応度が小さくなっていることを考えれば、むしろ日本全体では、企業内貿易を除いた場合の貿易赤字に対する効果に着目すべきではないか、というのが熊野氏の見方である。企業内貿易を除いた場合の貿易赤字は膨らむ傾向にあるので、輸入コストを減少させる効果を期待できる円高は、メリットが大きいはず。
(ビジネスウィークより)
円高→企業収益減の発想で日本株売りプログラムを放った機関投資家は痛手を被る可能性は高い。
金融不安の元凶となったベア・スターンズは、2ドルの買い取り価格が12ドルへ引き上げられ、ニューヨーク連銀とJPモルガンにマーケットはしてやられた可能性がある。3月危機はある程度予想はされていたので、派手に芝居を打たないと効果的ではなかった可能性すら感じるのである。
ベアースタンの破綻は日本の山一証券の破綻と同じ状況だ、日本のバブル崩壊の轍を踏まないように金融措置をとるとのFRBの姿勢は、金融緩和反対論を黙らせる効果は十分であった。
相場の最終局面の超悲観論クライマックス局面は半ば作られたと考えてよい。相場のクライマックスはこれをきっかけに、対外相場は逆方向に流れが変わるものである。
最高のタイミングを作り出すことに成功したFOMCでのフェデラルファンド(FF)レートのO.75%幅の大幅利下げと4月末FOMCでの再引き下げを示唆した声明文で、米国を始め世界市場が急反騰した。今回の米利下げでFF金利は年2.25%となった。悲観相場が渦巻いていた市場が一気に底入れ感が台頭し、FRBはスペードのエースは温存したままカードを効果的に切り、上げ切っていた原油も金も一気に値を消し、ドル円も100円台へ回復した。このゲーム一回戦はバーナンキFRBの完勝となった。
スペードのエースは公的資金注入であるが、今後に控える危機に対し温存することができた。バーナンキFRB議長をはじめとする米金融当局者は基軸通貨国のドルが日本のように不況が負のスパイラルとしてデフレ化して失われた10年を作らない強い意志を感じた。
米国は短期間にサブプライム問題に決着を付け終わらせるために、意図的に超悲観論を流布し、犠牲の子羊として最も罪深いが影響が少ないベアースタンを選んだ。人工的に米国の金融市場にクレジット・クランチ(信用収縮)の様相を作った可能性を感じる。
このことを、社会と接したことが無いネットの住人達(その多くはニートの諸君かもしれないが)は「陰謀」と呼ぶのかもしれないが、「陰謀ではない、立派な金融政策だ!」と、私は評価します。アメリカが日本のバブル崩壊後のプロセスを反面教師としてよく研究している証拠である。
空前のドル安は、アメリカ出身の多国籍企業に空前の利益を提供していることも忘れてはならない、米景気減速の大きな穴埋め役となっている。実質ゼロ金利はインフレ懸念をまるで無視する政策であるが、原油高に引きずられる農産物や金価格は実勢価格と大幅に乖離していることをFRBは見抜いているところに今回の金融緩和政策の要点であったかと思う。
4月中旬にはG7があり今までのドルの一方的な売りが解消されユー口が安くなることも可能性として十分ある。先月末初期費用だけで15億ドル(1500億円)にもなるビックプロジェクト次期空中給油機にエアバス社のA330をベースに作られたKC-45/A330を選定したことを発表した。 米空軍の次期空中給油機は当初、ボーイングが開発を進めたKC-767が採用される方向で準備が進められたが、米空軍の始めからボーイングありきの姿勢に反発した議会により計画の推進は中断した経緯はとてもグレーだ。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200803050002
空前のユーロ高で競争力を失いかけ経営再建中のエアバス社にとってはまさに慈雨となる契約を結んでいる。空前のユーロ高ドル安のなかあり得ない決定である。
ドル安ユーロ高も一旦限界であることを頭に入れる時が近づいてきていることだけは間違いない。
ドル安の恩恵を受けて米多国籍企業の収益は急拡大していることも間違いない。金融機関の決算発表は4月中旬、金融機関以外のグロ一バル多国籍企業の業績発表は4月後半以降これら企業の業績発表が本格化すると、米景気の拡大基調が確認されてくる。それに1―3月期サブプライム問題の損失をほとんどはきだしてしまった金融機関の4―6月期収益は黒字回復となる。そうなってくると、「信用不安→ドル安・商品高」というシナリオの変化がはっきりしてこよう。
だが、喜ぶのはまだ早い。一連の政策は主要金融機関の流動性収縮だけに対応するものだということは、FRBの当局者が一番よく分かっている。米国経済が抱える最大のリスクに対しては何も手を打っていない。家計から財産と信用を奪い、銀行制度に多大な負担を強いている「空前の住宅価格暴落」には無策なのだ。
現在の景気減速がどこまで悪化するのか誰にも分からない。これほどの住宅価格の急落は経験したことがないからだ。しかも、住宅の時価20兆ドルが家庭の保有資産の大部分を占めている状況での暴落である点だ。
このブログでも書いているように、今回のサブプライム問題に端を発した、経済危機は世界的経済の転換点であるこたは間違い無い。サブプライム問題はバブルに踊った米国景気の引き締めにはなるものの、崩壊をもたらすほどではない。むしろ、グローバル経済の新規参入者、BRICs諸国、特に中国の経済にとって、大きな試練、もしくは崩壊をもたらる可能性を考慮すべきではないかと思う。
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38