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ベアー・スターンズのサムライ債に見るニポン市場での投資家の被害例
まずは以下の報道を読んで下さい。
(引用開始)
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http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=aG7rUwRZ.Xa8&refer=jp_japan
ベアーS債:救済買収で社債投資家に安堵感−サムライは1800億円(2)
3月21日(ブルームバーグ):米サブプライム問題で実質的に破たんした米大手証券
ベアー・スターンズの社債に対する安心感が急回復している。
米銀大手のJPモルガン・チェースによる同社の買収合意を受けて、デフォルト
(債務不履行)の危機感が薄れ信用リスク不安が後退したためだ。日本では同社が発行し
た円建て外債(サムライ債)1775億円が残存している。
市場ではJPモルガンがベアー・スターンズを買収完了時点で、同社の負債を引き受け
るため、社債投資家は保護されるとの見方が浮上し、デフォルトの可能性が一気に後退
した。米格付け会社のムーディーズやフィッチ・レーティングスは、ベアー・スターンズ
の格付けをいったん、格下げした直後、救済買収の合意を受けて一転、引き上げ方向で
見直している。
日興シティグループ証券の高橋克英クレジットアナリストは、「ベアー・スターンズの
社債については、サムライ債を含めてデフォルトの危機は薄らいだ。今後の信用力は、
JPモルガンの信用力に収れんするだろう」と語った。
ベアー・スターンズ発行の円建て外債(サムライ債)は合計8本で総額 2275億円、
うち残存している6本1775億円にも同社の経営難が影響している。 2011年11月満期の
第7回債(発行額308億円)では、国債+400bp程度だったスプレッドは、資金繰り難
表面化後+900bp程度まで拡大したが買収発表で縮小に転じ、現在は600bp程度で
推移している。
一方、同社のドル建て債のスプレッド(金利上乗せ幅)は、資金繰り難に陥り金融危機が
表面化した際には、米国債+300bp程度から+600bp程度まで一気に拡大したが、救済買収
の発表を受けて、スプレッド拡大は止まっている。
同社の5年物CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も、先週末の14 日には750bp
程度から19日には350bp程度まで縮小した。
ベアー・スターンズの格付け動向では、ムーディーズが14日にA2からBaa1に2段階、
引き下げた後、買収発表を受けて17日、引き上げ方向で見直した。フィッチもAから
BBBに3段階、引き下げた後、A−に格上げ、さらに格上げ方向で見直している。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)もAからBBBに引き下げた後、現在、格上げの
可能性もあるとして方向性を不確定とした。
JPモルガン・チェースの格付けは、ムーディーズがAa2、S&PがAA−、フィッチが
AA−としており、買収完了時点では、ベアー・スターンズとJPモルガンの信用力は同じ
水準に収束するとみられる。
*ベアー・スターンズの格付け推移
ムーディーズ :A1 → A1(引き下げ方向、07.11.14)
→ A2(07.12.20)→ Baa1(引き下げ方向、
08.3.14)→ Baa1(引き上げ方向、08.3.17)
S&P :A+ → A(07.11.15) → BBB(引き下げ方向、
08.3.14)→ BBB(不確定で据え置き、08.3.17)
フィッチ :A+ → BBB(引き下げ方向、08.3.14)
→ A−(引き上げ方向、08.3.17)
R&I :AA− → A−(方向性未定、08.3.17)
JCR :AA → AA−(07.12.25)
→ AA−(不確定、08.3.17)
*ベアー・スターンズが発行したサムライ債一覧
回号 発行額 クーポン 発行日 償還日
固定 1 300億円 0.550% 2001/05/30 2003/05/30
2 200億円 1.120% 2001/05/30 2006/05/30
3 270億円 0.830% 2004/02/25 2009/02/25
4 330億円 1.230% 2004/08/25 2009/08/25
5 540億円 0.700% 2005/07/08 2010/07/08
6 220億円 1.070% 2005/07/08 2012/07/06
7 308億円 1.540% 2006/11/30 2011/11/30
変動 1 107億円 6mL+17bp 2006/11/30 2011/11/30
共同取材:鞠子 和枝、Editor:Takashi Ueno、Kazu Hirano
(引用終了)
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(コメント)
一見するとベアー・スターンズ社が吸収合併されるからその債券がデフォルトにならずに済んだと言う報道にしか思えませんが、この記事が意図するところは「ニポンのマーケットはやっぱり世界の食い物になっていた」と言う事です。
そもそもニポンでサムライ債を発行する理由は何かと言うことです。
金利が安く資金調達がやりやすい。
それから一流の金融機関の債券だとニポンの機関投資家が信じて買ってくれる。
仮にデフォルトしたとしても訴訟等で訴えられる事がない。
最近はロスカット・ルールが定着しているので、経営不振先の債券はすぐに投売り
されるので一攫千金のチャンスがある。
と言う具合にやりたい放題ができます。
本文を個別に説明してみましょう。
>>>>日本では同社が発行した円建て外債(サムライ債)1775億円が残存している。
※サブ・プライム問題が発覚する直前の2006年11月末までカネネギニポン市場で
積極的に資金調達しています。
※つまりニポンの機関投資家が買っているはずです。
>>>>2011年11月満期の第7回債(発行額308億円)では、国債+400bp程度だった
>>>>スプレッドは、資金繰り難表面化後+900bp程度まで拡大したが買収発表で
>>>>縮小に転じ、現在は600bp程度で推移している。
※5年もの日本国債の流通利回りは現在(20年3月)大体0.78%位です。
+400bp (+4%)のスプレット(実質金利上乗せ)で取引されていたとの事ですから4.78%程度で取引されていた事になります。
相場があると言う事は取引があるという事に他なりません。
資金繰り悪化後は+900bpですから9.78%もの相場に落ちたと言う事ですが、このベアー社の債券を投売りしたのは何処の(ニポンの)機関投資家でしようか?
どこかの機関投資家が泣いているはずですが・・・・・・