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(回答先: アメリカのポールソン財務長官・・・ 「強いドルが国益にかなう」 【日経ネット】 投稿者 hou 日時 2008 年 3 月 14 日 00:08:42)
http://jp.rian.ru/analytics/economics/20080313/101198755.html
オレグ・ミチャエフ、ロシア・ノーボスチ通信社、経済解説員。
石油価格は、ニューヨークで歴史的な新高値1バレル109,72ドルを3月11日に記録して以来、本年始めから、100ドルを超える高水準に定着し推移している。早晩「黒い金」は120ドルのハードルを越えることも否定できない。この恒常的高騰は、「黒い金」が不足しているからという理由ではなくて、下落するドルという状況において石油が商品として将来の取引の投資に魅力的な道具になっているという投機家の思惑のためである。
石油のこのように高い価格のファンダメンタル的あるいはマクロ経済的客観的理由(つまり供給が不十分なために需要がタイトになっているという背景)は現在存在しない。需要家は安定して供給を受けているし、しかもそれを大量の備蓄が可能になっている国すらある。
春は、一般的に言って、国際石油市場ではある意味「死んだシーズン(活気のないシーズン)」と言える。北半球では冬季の間家屋の暖房用に重油の需要が少なくなる。そしてガソリン需要が急激に上がる夏期休暇まではまだ時間がある。まさに全世界において春には、石油の主要ユーザーである石油加工企業は、重油製造からガソリンに移行するための仕事を休止する。
従い、石油カルテル「OPEC」により採択された3月5日の産油量を現状維持する決定は、実質的に市場への石油供給を増やすことを意味する。なぜなら、市場はこれほどの量を要求していないからだ。にもかかわらずOPEC会長シャキブ・ヘリルは、石油のバレル当たりの価格はカルテルに無関係な理由で近々110-120ドルまで上がる可能性があると予想している。
主要な理由の一つは、石油価格はドルで額面表示されるが、そのドルが他の通貨に対して下落が続いているために石油の価格高騰の原因になっていることだ。景気後退局面に入り込んでいるアメリカ経済を助けようと、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)は、積極的に金利を引下げているが、それは、ドルへの投資の魅力をさらに低下させている。昨年8月からFRBはすでに5,25%金利を引き下げ、現在の3%に至っているが、3月には2,25%までさらに引下げると概ね予測されている。
不安定なのは、他の金融市場、とりわけアメリカの他の金融市場も然りである。ローン市場は現在まで昨年末のアメリカの抵当証券危機後まだ正常に戻っていない。株式市場もそれに引き連られ病的な状態だ。
すべてこれらの理由により、投機家のみならず真剣な投資家までもが、最近数年間高騰を続ける原料を契約するという形で「救出策」を取っている。しかし、石油商品の沸騰した価格の問題は、市場のファンダメンタル的基盤とは無関係なところで発生していることである。それについては上述した。まさに、非常に多くの、ドルから逃避している投機家を魅惑するこの「石鹸のバブル」は、市場にある石油が必要以上であることが明らかになった時にまず弾けるだろう。
具体的な例を記述しよう?2006年の8-9月にアメリカでは石油の備蓄を増やし、その結果、わずか2ヶ月間で1バレル当たりの価格が35%下落、つまり78ドルから58ドルまで下落し2ヶ月間で「黒い金」が下落したことを思い出そう。備蓄を増やせば国際市場で同じ様なことが起こるだろう。
従い、石油価格は近々120ドルに達したとしても、これは非常に短い期間であろうし、数週間後にはもう、恐らく、70-80ドルに下がるだろう。この水準でもOPECのメンバーや(昨年72,5ドルという平均価格水準でも記録的な収益を得た)ロシアにとっても非常に快適である。他方、主要石油需要国の経済もこの水準なら一息つけるだろう。恐らく、アメリカも景気後退から思ったより早く抜け出せるかも知れない。
しかし、長期的展望については、実質的にすべての人が近未来的には安い石油は到来しないとの見方になっている。なぜなら、嵐のように発展する中国とインドからの絶え間ない需要増大があるからだ。
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