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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu163.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国で見る新聞はどれもドル暴落の記事。そしてアメリカの景気悪化。
陰の極。モーゲージ金利も上昇、地方債のデフォルトの可能性。
2008年3月4日 火曜日
◆米国経済の行方 3月3日 経済コラムマガジン
http://www.adpweb.com/eco/
第二ステージの始まり
金融市場の撹乱要因であったモノライン問題にも一応の解決の道筋(モノライン大手の格下げは延期されたが、救済策はまだ揉めている)が見えてきたとして、株式市場も一時的に落着きを取戻した。しかし2月末から市場が再び大きく動揺し始めた。きっかけはバーナンキFRB議長の議会証言である。「大手金融機関は大丈夫であるが、中小の銀行の破綻は有りうる」と述べた。
この発言を受けて2月29日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均が316ドルマイナスと大幅に下落した。本誌は「今回の米国経済の危機はサブプライム問題に端を発した。しかしとてもこれだけでは収まらない。」とずっと主張してきた。おそらく市場参加者も薄々そのことを承知していたはずである。バーナンキFRB議長は恐れていた現実を人々の前に示したことになる。サブプライム問題に端を発する一連の出来事(欧米金融機関の巨額な損失の発生やモノライン会社の格下げ騒動)が第一のステージなら、これから第二のステージが始まる。(中略)
筆者は少なくともV字回復は無理と考えている。米国は長い間、先進国の中で高い経済成長を続けていた。したがって情勢が落着けば、また高い経済成長が復活するという人が多い。しかし筆者はこれは錯覚と考える。
筆者は、米国の経済成長が高かった大きな理由は、ヒスパニックなどの移民の経済活動が活発だったことと理解している。具体的には住宅建設である。まさに今日問題になっているサブプライムローンによる住宅投資がかなり米国経済を引張っていたのである。07/11/5(第503号)「米国のサブプライム問題」で述べたように、「内なる新興国」、つまりヒスパニックを中心とした移民社会の活発な経済活動によって、米国経済は高い経済成長率を実現してきたのである。
一国の経済が成長するには、貯蓄を投資や消費に使う主体(具体的には政府、民間企業、家計など)が必要である。米国では「内なる新興国」が住宅投資を活発に行ってこの貯蓄を使っていた。また高い経済成長に引かれ、日本やアジアそして産油国から大きな資金が米国に流入し、これが住宅や不動産の次のバブルを形成した。
しかし経済の牽引役だった「内なる新興国」は消滅したのである。これがV字回復は無理という二つ目の理由である。サブプライムローンが復活しない限り(このようなことは非現実的である)、おそらく「内なる新興国」は復活はしない。つまり米国は経済成長の大きな要素がなくなったのである。また民間企業の投資の増加も期待薄である。米国企業が投資を増やすとしても、国内ではなく海外である。したがって貯蓄を使う主体は政府しかない。このような状況ではV字回復なんてとても考えられない。
◆第二のパニック 3月4日 松藤民輔
http://blog.ushinomiya.co.jp/economics/2008/03/post_122.html#more
NYダウが12,284のクリティカルポイントを切った。大きな三角のペナントをチャートに作り、それをわずか流した向きに向かい始めた。1月22日のパニックから調整していたが時間的にも幅も充分。いよいよ次なるトレンドに向かい始める。円が102円。米国で見る新聞はどれもドル暴落の記事。そしてアメリカの景気悪化。救いようの無いアメリカ。陰の極。モーゲージ金利も上昇、地方債のデフォルトの可能性。
昨日のFTには実に3,500の地方債が格下げに成ったとか?そんな記事。本当なら?本当なのだろうに。恐慌ではないか。だから金が973ドルの史上最高値になったのか?銀にアップサイドイグゾーション。1年前の米国不動産株に出た同じシグナル。銀の異常な値上がりは金の比ではなかった。銀の動き、それは世界の市場の大きな転換点を示している。
今週銀が暴落すれば?この2〜3日以内にあるいは1〜2週間以内に。それは2006年の5月に起きた銀の大きな変化と、その後10日ほどで起きた世界の全市場の変化を思い出させる。金は705ドルから500ドル台に、銅もダウも史上最高をつけた。今度はその反対のコントラクションが始まる。日経にかかれない記事。米国のクレジットマーケットの大混乱。一部地方債(ミュニシパルボンド)のデフォルトと格下げ、そして異常に下げた2年債の金利は僕に異常な出来事がやって来ることを確信させる。NY、マネーセンターバンクのトラブルはその通貨を強くする。米国株の暴落や銀行のデフォルトはドルを強くする。
102円のドルなら買いたいものだ。
(私のコメント)
アメリカの実体経済はまだいいのでしょうが、信用不安が広がってきてドル安に拍車をかけているようだ。バーナンキFRB議長の発言は信用不安を煽るようなものでしたが、本当はどんなものなのだろうか? テレビのニュースや新聞記事を見てもなかなか世界経済の実態がつかめませんが、松藤氏のブログを読むとアメリカの新聞は悲観一色のようだ。
日本の株式も円高を受けて大暴落ですが、石油や一次産品が上がっているのだから日本経済にとっては円高はプラスの面もあるから、アメリカへの輸出にはマイナスでも、その他の国へはユーロ高の影響もあってマイナスではないはずだ。むしろ金融不安が欧米に広がって金融市場の機能が停止するほうが恐い。
アメリカでは債券の借り換えも困難な状況だから、調達金利は急上昇なのですが、短期金利は利下げで下がっている。銀行は安い金利の資金はあっても貸し渋りでどこも貸さなくて、貸し渋りと貸しはがしが横行しているのではないだろうか? 特に地方債が借り換えが出来なくてデフォルトするところが出て来るかもしれない。
債券を持っている金融機関も売りたくても買い手がいないから、短期国債以外は売買が難しい。日本の銀行の場合は株をたくさん保有していたから売る事で何とか調達してきたのでしょうが、アメリカの銀行は株を持たない。担保不動産も右から左には売れないから現金化が難しいだろう。
このように不況とは違って金融不安は表に表れないから、実態が分かる人は経営者か経理担当重役ぐらいなのだろう。そしてある日に突然金融機関が倒産したりする。最後の最後まで金融機関の経営者は実態を隠すから、朝の朝刊のトップに倒産の記事が出るまで一般人には分からないのだ。
アメリカの短期金利の引き下げで円キャリの逆流が起きて円高になるのは予想された事であり、今月も金利が引き下げられれば日米の金利差はさらに小さくなりドル安円高がさらに進むのだろう。このようなドル安が続けばドルに連動していた通貨も離脱するか大幅な切り上げが必要になってくる。中国にしても100ドル原油が定着すれば元の切り上げをしなければ高い石油を買い続ける事になる。
中東の湾岸諸国もドルにリンクしていますが、目減りする通貨で売る事になるから石油値上げが続く事になる。イランみたいにドルからユーロや円で売った方が得だから、いずれサウジアラビアもユーロで石油を売るときが近づいている。そうなるとドルの需要が大きく減って、日本などもドルで外貨を保有する意味がなくなり、アメリカの農産物ぐらいしかドルの需要は無くなる。
いづれ大手の金融機関の倒産やや地方債のデフォルトが新聞のトップを飾る時が来るだろう。政府系のファンドもアメリカが危ないとなればアメリカの金融機関に投資をしなくなり、アメリカ政府が直接救済に乗り出すだろう。しかしどれを救済してどれを潰すかの問題があって政府もなかなか踏み出しにくい面がある。
日本のバブル崩壊も土地の値下がりが止まるまで続きましたが、アメリカのバブル崩壊も住宅価格が下げ止まるまで続くだろう。しかし景気とのスパイラル効果でどこが底になるかが見えない。日本は15年も土地が下がり続けましたが、アメリカはどれくらい続くのだろうか?
経済コラムマガジンではアメリカ経済のV字回復はありえないと予想していますが、ヒスパニックなどの移民の失業が大量に発生して社会問題化していくだろう。今までは景気の好調さと移民の増加が住宅需要を支えてきましたが、景気が悪化すれば逆循環が起きて住宅も下がり続けて長期化するだろう。