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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu162.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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不良債権問題は中国で深刻な問題になっています。もし中国で金融
危機が起きれば、地域内に連鎖反応が生じる危険があるからです。
2008年2月25日 月曜日
◆デフレ・インフレが進む? 2004.03.07 時の話題2
http://www.saturn.sannet.ne.jp/oota/tokiwadai2004-02.htm
その結果、中国国内の産業構造も偏りが出てきています。
素材産業は経営改革の遅れた国有企業が多く、組立(加工)産業への素材提供は、台湾や日本、東南アジアから輸入せざるを得ない状況で、最終消費地が米国という国際分業体制になってしまっているのです。
この組立産業は世界の工場といわれているように、大量生産ができる体制ができあがっており(過剰生産体制)、大量の安い製品が製品価格を低下させ、世界に輸出されるのですが、それは取りも直さず輸出された国にとってはデフレを輸出する国となってしまうのです(デフレ輸出国=一般消費財のデフレ)。
大量生産体制は中国国内で消費する量を遙かに上回る供給量が生産されるのですから、中国国内では在庫が常に大量にできあがっている状態と考えていいのではないでしょうか。
他方、その材料等を各国から輸入するのですが、供給不足を起こし、輸入価格を引き上げ、インフレを引き起こしだしています(インフレ輸出国=生産財のインフレ)。
それが冒頭の 「デフレ・インフレが進む」 の趣旨です。
年7%(名目)の成長率で急激な発展を進めている中国のアキレス腱も解って参りました。
一つは、水です。
黄河の水が黄海に達しない断流現象が発生しています。
黄河の中流域で飲料水、農業用水を多く取っている結果、工業用水が無くなり、農業用水を工業用水に流用することとなり、あの洪水を引き起こしてきた黄河の水が流域途中で無くなり、下流域へ行かなくなっているのです。
下流域は地下水の汲み上げで凌いでいる状態です。
2003年度は8ヶ月間この断流状況が発生致しました。
農業は水がなければやっていけません(農産物は水の塊です)。
最早農業用水と工業用水の調整という状況を通り越してしまっているのです。
二つ目は、輸送力(社会資本不足=インフラの遅れ)です。
急成長の結果、石炭、鉄鉱や鋼板、石油、食料等の不足を引き起こし、輸入に頼りだしたのですが、輸送力が追いつかないのです。
鉄道、海上輸送(特に港湾荷役)、パンク状態に近い状態です。
鉄道は内陸輸送の主力ですが、急成長の結果、生活物資はもちろん、生産資材や石炭石油の輸送が滞りがちになっています。
三つ目は、電力(社会資本不足=インフラの遅れ)です。
急成長の結果、電力供給能力以上に需要が遙かに勝ってしまっている状況です。
そのため、停電が既にしばしば発生し、製造加工業に支障を来す状態になっています。
発電所不足は急に補充できる問題ではなく、補充に相当期間が必要な設備です。
近い将来、揚子江、三峡ダムでの発電による供給ができるようにしていますが、急いでも後数年はかかるのですから、現在の中国需要を満たすには間に合わない状態です(三峡ダムですらこの状況です)。
たびたびの停電に音を上げて中国から撤退する企業も出てきています。
以上が発展を続ける中国のアキレス腱になってきています。
閑話休題
日本は、生産現場の多くが中国に移転した結果、従来の工場土地が不要になり、従業員が不要になり、土地余剰が過剰に生じ、関連産業の工場、従業員、更にそれらに供給していた商売も不要になり、それの土地余剰が生じるという結果、供給過剰の土地のデフレ(価格下落)になりました。
しかし生産現場を中国に移さず、国内生産を貫き通している企業(例:シャープ)があり、国内回帰する企業(例:キャノン、松下電器産業、三菱電機、三洋電機)も目立ち始めています。
その結果、これらの関連企業もその周辺に引き寄せられるように生産現場の国内回帰が始まりだしています(例:凸版印刷、日東電工)。
この現象は、いずれそう遠くない時期に、土地デフレにストップをかける原動力となることと確信してます。(後略)
◆平成14年度第7回「中国研究会」議事録 Mohamed Ariff マレーシア経済研究所長
http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kouryu/h14/chu14_07b.htm
次に、中国におけるリスク要因について考えてみましょう。中国は波風を立てる存在であり、誰も中国を過小評価することはできません。過小評価する者は、身に危険を招くことになります。しかしながら、中国は多くの点で過大評価されていると私は考えます。この点については後ほどお話します。
中国における最大の問題は、デフレ問題です。中国は深刻なデフレを経験しています。ですから、中国は工業製品を輸出しているだけでなく、デフレも他の国に輸出しているのです。価格は急速に下落しています。これは、深刻なマクロ経済的な影響を及ぼしますから、十分な配慮を払うべき問題になっています。
基本的な原因は、中国における供給過剰にあります。実際、驚くべき統計があります。中国で生産されているエアコンや電子レンジその他の製品は、極めて大幅な供給過剰になっているのです。事実、中国の中央銀行によれば、工業製品の86%は供給過剰にあります。在庫が蓄積するなか、中国では価格戦争が起こっています。
企業は在庫を減らしたいので、価格戦争が発生し、企業の利益を圧縮しています。そのため、中国企業の利幅は小さく、企業はこれを改善しようと数量を増やしてきました。数量を増やすことによって利益率の低さを埋め合わせているのですが、これが悪循環となっています。価格を一段と引き下げても、供給過剰の問題は解消されません。
もちろん市場経済では、供給過剰の場合、自己修正メカニズムが働き、供給と需要の一定のバランスをもたらしますが、中国はいまだ完全な市場経済ではありません。そうした問題があるため、企業体は一時しのぎに走り、利益は圧縮され、誰もが利益をあげているわけではありません。
現在、中国では500のマレーシア企業が営業しています。もちろん、日本企業の数はさらに多いでしょう。マレーシアの投資家の大半は、儲かっていないと言っています。彼らは中国での足がかりを築きましたが、結果はそんなものです。将来もっと稼ぎたいと言っていますが、利益率は小さいのが現状です。これは何とかしなければならない問題です。
利益率が圧縮されるにしても、それには限界があるからです。損失を出し続けてなお持ちこたえられるかもしれませんが、それほど長くはありません。ある会社は別の会社より長期に亘って持ちこたえられるかも知れませんが、永遠にという訳にはいかないのです。
不良債権問題は中国で深刻な問題になっています。日本の場合ほど深刻ではないかもしれませんが、中国は深刻な信用リスクを抱えています。公式の統計では、債権のうち23%が不良債権ですが、独立アナリストはこれを40%としています。これは真剣に考慮すべき問題です。もし中国で金融危機が起きれば、地域内に連鎖反応が生じる危険があるからです。
中国には健全な破産法がないため、銀行は破産手続きを取ることを渋ります。銀行は、資産を失わないために、貸出先の会社に返済を強いることはできません。そこで銀行は、脆弱な企業をずっと支援し続けることにする訳です。でもいつまでそんなことを続けられるでしょうか。私たちだけではなく多くの金融アナリストがこの問題を懸念しています。
事実、もし中国の金融危機のような大事が発生すれば、それは地域全体に甚大な打撃を与えるだろう、と彼らは考えています。中国・ASEAN自由貿易地域ができれば、ASEANは以前にも増して中国との関係が深まり、連鎖反応は大きくなります。これは、ASEAN諸国をはじめ、地域の他の国々のリスク要因を増すことになるでしょう。
懸念すべきもう1つの点は、通貨の過小評価です。中国が既にデフレ問題を抱えていることが背景にあります。価格戦争のため価格は信じられないほど低く、そのため中国は供給過剰の製品の市場を探さなければなりません。1つの方法は、外国に輸出することであり、過小評価された通貨によって中国は大いに助けられています。
人民元がドルにペッグされており、そのドルが弱くなっているため、中国製品の国際競争力は高まる一方です。このように、過小評価された通貨とデフレという有利な要素が重なっている中国の輸出は、輸入国に甚大な影響を与えています。中国の人民元は20%も過小評価されていると推定する人もいます。これが中国に有利に働いている訳ですが、いつまで続くかはわかりません。これは私たちの地域の問題として考慮しなければなりません。
(私のコメント)
昨日は中国の最大の輸出品はデフレだと言いましたが、最近では生産財のインフレも輸出するようになりました。石油などが一番いい例ですが、中国は石油の輸入大国になり世界中の油田を買いまくっている。あり余る外貨で世界の資源を買いまくり、奴隷賃金で労働者を働かせて、安い人民元を武器に格安商品を売りまくる。はたしてそれで中国人民は豊かになるのだろうか?
確かに一部の人は超高層マンションに住み外車を乗り回している。しかしそのような人は共産党の幹部などの特権階級であり、共産党のコネがなければ美味しい商売など出来るわけがない。ほとんどの労働者階級は奴隷的低賃金で働かされて、これで工場の暴動が起きなければおかしい。毒入り冷凍ギョーザ事件もそのような背景がある。
中国に進出した日系企業もいろいろ苦労が絶えないようですが、日系企業だけではなくマレーシアの中国進出企業も苦労しているようだ。中国の超低賃金と元安にはマレーシアも敵わないから進出したのでしょうが、過剰生産体質では市場を食い合って利益が出ない。その分が輸出に回るから中国はデフレを輸出する結果になる。しかしこのようなことがいつまで続けられるのだろうか?
◆90年代から中国生産を進めたが、工員が半年ごとに入れ替わり、ノウハウが伝承されず、不良品比率は2〜3割にのぼる。 2007年2月27日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/d/20070227
中国は1983年には1ドル=2元だったものを1994年には1ドル=8元にまで切り下げた。産業が発展しているのなら通貨は切り上がって行くはずなのですが中国は4分の1に切り下げた。そうしないと海外との競争に勝てないからであり、中国が「世界の工場」と大口たたいても元の切り上げには慎重なのは致命的な欠陥があるからだろう。
「時の話題2」や「中国研究会」のサイトにおいても中国が抱えた問題点が指摘されていますが、中国はこのような影の部分は発表はしない。不良債権問題も中国政府は本当の実態を隠していますが、債券のうちの半分は焦げ付いて不良債権になっているようだ。しかし利息を追い貸ししていればいつまでも倒産を先送りにすることが出来る。
中国には水もなければ電気も足りなくて停電は日常茶飯事のようだ。交通のインフラも十分ではなくて雪が降った程度で石炭が火力発電所に運べなくなって停電騒ぎになっている。このような状況で中国に数千億円もかけてハイテク工場を建設してきた日本企業は今どうしているのだろうか? さすがに大手企業も中国に見切りをつけて国内に工場を回帰させている。
アメリカの戦略としては、91年にソ連を崩壊させた後は、経済NO2の日本をたたく為に中国と連携して、ジャパンマネーと日本の技術を中国に移転させる戦略で一致した。人民元を4分の1に切り下げてもアメリカはクレームをつけなかった。プラザ合意以来の日本を円高で吊り上げて、元を切り下げたのだから労働コストは日本の30分の1になってしまった。
アメリカと中国の連携による日本封じ込めは上手く行くかに思われましたが、ハイテク産業になればなるほど完璧な技術力が要求されるのであり、欠陥商品が2割も3割も出るような工場ではハイテク工場としては機能しない。日本企業も熟練工員を養成しようとしても中国人の工員はすぐに辞めてしまうので技術の蓄積が出来ないのだ。
自動車にしても中国には数百の自動車メーカーが出来て日本以上の自動車大国になりましたが、とても輸出できるような自動車ではない。日本の中古自動車のほうが故障しないということで中国の新車より高い値段が付いている。オートバイなどもコピー商品が出回ってホンダやヤマハも苦労しているようですが、これでは国際競争力のある商品を作ることは難しいだろう。だから中国にはブランド化した商品がない。
中国の毒入りギョーザ事件は象徴的な事件ですが、工場の荒廃した環境ではまともな商品作りが出来ないのだ。共産党独裁国家では人心は荒廃してソ連と同じような崩壊の道しかない。公害の問題も放置できない状態になって北京オリンピックでは選手団を直前まで日本でキャンプする国が20もある。選手の健康にも影響があるのだろう。とてもオリンピックが開けるような文明国とは思われない。