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香港ドルは米ドルとの連動から離脱して人民元と連動させるだろう日本も中国もドルからユーロに換えて外貨を持つようになった
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投稿者 TORA 日時 2008 年 2 月 19 日 14:13:25: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu162.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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香港ドルは米ドルとの連動から離脱して人民元と連動させるだろう
日本も中国も産油国もドルからユーロに換えて外貨を持つようになった

2008年2月19日 火曜日

◆米ドル安におびえる香港の悩み 2月19日 日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080214/147244/

人民元の切り上げも響く
 香港は160年余りの歴史の中で通貨制度をたびたび変えてきた。アジアの交易の中心地として、そして近年は金融センターとして、強い通貨を維持する必要があるためで、1983年からは米ドルと連動する固定相場制を導入している。

悩ましいのは、香港経済に密接な関係を持つ中国の通貨・人民元が2005年7月に管理変動相場制を導入して以来、ジリジリと対ドルレートを切り上げていることだ。元の当初の基準レートは1ドル=8.11元だったが、昨年初めに香港ドル(1ドル=7.8香港ドル)を抜き、現在は1ドル=7.2元弱まで上昇している。人民元はかつて香港ドルより6%ほど安かったのが、いまや8%弱高い。

やや乱暴に言ってしまえば、香港ではこうした香港ドル安・人民元高を歓迎する企業は多い。香港から中国への“輸出”に好都合であり、中国から香港経由の輸出にも支援になる。さらに中国本土からの投資が増え、買い物客が訪れやすくなるメリットも大きい。

 この旧正月休日期間(2月6〜12日)に香港を訪れた本土の団体客は4割増、と香港紙が推定している。香港ドルと実質的に通貨が連動しているマカオ(通貨はパタカ)でも状況は同じだ。元高で本土から訪れるカジノ目当てのギャンブラーが急速に増えている。昨年の海外からの来訪者は23%増の2700万3300人に達した。うち本土からが55%を占める。

 問題は、今の通貨制度のままだと、香港ドルは今後さらに値下がりしていく可能性があることだ。そうなると海外からの労働者は敬遠するだろうし、何より通貨安はインフレにつながりやすい。

米金利の利下げも重し
 もう1つの悩みが米国金利の下落だ。カレンシーボード制の下では、香港は独自の金利政策を放棄し、金利を米国と連動させる必要がある。そうなると、インフレでも利下げを余儀なくされる。今年に入って米国は2度、合計1.25%、米国の短期金利の指標であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を引き下げた。しかし、香港の市中銀行は貸し出し、預金金利を1.0%しか下げなかった。(中略)

 そうすると、残る手段は1つ。ドルとのデ・ペッグ(非連動)であり、人民元とのペッグである。強い通貨と連動すれば、くだんのフィリピン人たちも喜ぶはずだ。ただし、人民元が自由化されるにはまだ時間がかかりそうで、簡単にはペッグできないだろう。

◆やがて中国は労働者輸入国になる(4) 2月18日 日経BPネット
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/china/mo/080218_rodosya4/index.html

中国の入管当局の発表によれば、1995年から2005年までの10年間で、中国側が強制送還した非合法入国、非合法滞在、非合法就労を意味する「三非人員」つまり不法入国・滞在・就労の外国人はのべ6万3000人だった。しかし、2006年一年間で、中国側が強制送還した「三非人員」は1万6000人にも及んだ。しかも、その数は猛烈な勢いで増え続けている、という。

これまで「三非人員」が目指す目的地は、ロシアと川を隔てるだけの黒竜江省、北朝鮮と隣接する吉林省や遼寧省からなる東北地区、ベトナムと陸続きの広西チワン族自治区、ミャンマーに隣り合わせの雲南省などの国境地域だったが、いまや労働力不足に悩む深?、広州など南方の大都市となり、密航ルートも香港、マカオ経由が急増しているという。

中国のメディアが報じた広州社会科学院都市管理研究所の黄石鼎所長の発言によれば、現在広州に6カ月以上の長期滞在をしている外国人がすでに5万人に及び、そのうちアフリカ出身者が2万人以上を占める。しかし、このデータには「三非人員」が含まれていないという。広州滞在の黒人は毎年30?40%増えており、「三非人員」を含めた総人数は20万人との指摘もある。

特に、広州市越秀区の洪橋辺りを中心に、黒人生活圏が形成されている。2002年以降、天秀大厦、陶瓷大厦(「中非貿易城」つまり中国・アフリカショッピングセンターとも言う)、ホテルの登峰酒店にある秀山楼などのオフィスビルには、南アジア人、ラテンアメリカ人経営の貿易会社に混じって、アフリカへの輸出を主な業務とするアフリカ人経営の貿易会社がテナントとして数多く入居している。これらの貿易会社のほかに、家事サービス会社、人材斡旋会社、飲食のテイクアウトなどのサービス提供を業務とする会社もアフリカ人経営である。そこにさらに単純労働を提供するアフリカ人がぶら下がり、「三非人員」の温床となっている。

洪橋にある歩道や天秀大厦周辺の小道を毎日かなりのアフリカ人がうろうろしている。マリ、ソマリア、エチオピア、スーダンなどからやってきた彼らのほとんどは中国語がわからず、英語もあまり話せない。そこら中を徘徊しながらひたすら臨時雇い主から声をかけられてくるのを待っている。月収が数百人民元に過ぎず、複数の人で安アパートを借りて同居生活を営む。同じくこの辺で働いていた中国人の農民工は「仕事を奪われた」と嘆くほどアフリカ人の進出が目に付く。

この辺りで「三非人員」を取材した中国のメディアが次のように描写している。「夕暮れになり、広州市環市東路を中心にして秀山楼、小北路、淘金路、花園酒店、建設六馬路が広がる。もうろうとした夜の街路灯に照らされているこの一帯は、空気に独特の香水の匂いが漂い、まるでアフリカのどこかの都市を散策しているような錯覚を起こす。道理でこの辺を広州のブルックリンと呼ぶ人が現れたわけである」。この広州のブルックリンの勢力図は、05年ごろから北へと伸び続け、現在は白雲区の永平街にまで至っている。

しかし、「三非人員」問題は広州を悩ますだけではなく、すでに中部地域の湖南省長沙市など一部の地方都市でも社会現象となりつつある。その背景には、経済発展が続けているばかりでなく、労働力も不足し始めている中国の現実がある。その需要を満たすように、非合法ではあるがアフリカなどから労働力が中国各地に流入している。

おそらく、このような「三非人員」をサポートしているのは、拙著『蛇頭』で指摘した蛇頭たちだ。『蛇頭』は出版後、大きな話題となり、蛇頭という言葉も新語として日本語に定着したほどだ。多いときは、私のところに取材に来るテレビ局が一日で8局にも達した。しかし、これほど話題になった『蛇頭』もいまや絶版となり、市場では中古本しか入手できなくなった。

その背後にある社会背景として、日本を目指す中国人密航者がいなくなったため、蛇頭も日本に目を向けなくなったことがある。いや、それだけではなく、全体的に見れば、海外を目指す中国人密航者の人数も激減している。もう密航者や蛇頭のことをテーマとして取り上げることはないだろう。私はそう信じていた。

しかし、今回取り上げたアフリカからの「三非人員」は蛇頭たちのビジネスを引き寄せる諸条件をクリアしている。水が低きに流れるが如く、貧しい国々からの労働者はいまや人民元の魅力を増し続ける中国を目指し始めた。その津波が押し寄せてくる日はもうそう遠くはないだろう。中国を密航目的地とする新しい『蛇頭』を執筆する必要を次第に感じているこの頃である。

一方、これまで外交関係に気を使い、見てみぬふりをしてきた広州市政府もとうとう見かねて重い腰を上げ、取り締まり作戦を展開し始めた。07年11月から、広東省公安当局が4000人以上の警察を動員して“三非人員”摘発の作戦に踏み切った。年末までにすでに1289件の“三非人員”の摘発を行い、167名の身柄を拘束し、107名を強制送還した。同時に、“三非人員”を通報するよう、市民に広く呼びかける作戦も展開している。

中国の人手不足問題は、単に労働力供給市場が縮小しているだけでなく、この問題に目を付けて流入する「三非人員」とその手引きをする蛇頭たちの問題をも引き起こしている。

(私のコメント)
日本から中国に進出している企業は2万社にもおよび、雇用している人数は920万人にもなるといいます。最近では中国マーケットを目指す進出企業が多くなりましたが、90年代から中国の安い労働力を目指して進出した起業が多かった。ところが最近は労働者不足が表面化して賃金の上昇が止まらないらしい。元もじり高だから中国に進出した企業の生産コストはかなり上がってきている。

韓国企業などは夜逃げする企業も出てきているほどであり、日本から進出した企業のほとんどは利益が上がっていないようだ。中国に進出した企業には香港から本土に工場を移した程度の企業もあれば、アジア各地を点々としてきた企業もあるだろう。しかし多くの企業は日本国内の工場を閉鎖して中国に工場を作ってきた。

親会社の中国進出に伴って中国に進出せざるを得なかったのでしょうが、最近は親会社が国内に工場を回帰させている。マスコミやエコノミストの言うことは無責任なものが多いから痛い目にあっている企業も多いことでしょう。最近では香港と本土との関係も逆転して香港ドルのほうが安くなっている。

最近は円は米ドルと連動性が強まって、韓国のウォンやフィリピンのペソのほうが高くなっている。元も切り上げてきているから円の安さは不可解だ。だから日本にはヨーロッパや中国やアジアからの買い物客が増えている。政府日銀はドル売り円買い介入をしてもいいくらいなのに不可解だ。本来ならば円は90円台くらいでないと不自然なのだ。

中国は貿易黒字が1兆4000億ドルも貯まってしまい、輸出主導経済から国内消費経済に移行を迫られている。だから元を高くしてインフレを抑えて労働者の賃金を高くする政策に切り替えたようだ。そして日本から進出した企業に対する優遇政策も次々廃止されて外資系企業を潰しにかかっている。だから韓国企業は夜逃げをしているのだ。

むしろ中国で深刻になっているのは労働者不足であり、アフリカなどから非合法の労働者を輸入している。普通ならば高品質高級化で労働者も高賃金化していけば問題はないのですが、低賃金でないと採算が取れないから倒産企業が増えている。冷凍ギョーザ事件でも分かるように中国では品質管理や労働者の管理が難しい面がある。

日本国内はグローバル化に伴う影響で労働者の賃金は低下してしまった。賃上げを要求すると工場を閉鎖して中国に移転するという脅迫が効いていたからだ。しかし最近ではそのような状況ではなくなったから賃上げすることで国内の消費を増やすべきなのだ。

90年代はドルしか基軸通貨がなかったから輸出企業はドルを売り上げてもそのままドルで持ち続けてきた。日本国内に持ち帰って円に換えると円が高くなってしまうからだ。しかし2000年からのユーロの登場によって輸出企業は貯まったドルをリスク回避のためにユーロに換えて持つようになった。だからユーロが高くなるのに円が高くならない。いわゆるユーロヘッジである。トヨタやソニーはユーロ高で笑いが止まらないだろう。

このように高くなったユーロのおかげで円は高くならずにすんでいる。中国もおそらくドルを売ってユーロに換えているのだろう。ドル売りユーロ買いは元には関係がないから中国のユーロ買いもユーロ高の原因だ。このようなドル、ユーロ、円、元の多極通貨化はドルの存在価値を低下させてアメリカ国内にドルを滞留させることが難しくなってきている。ドル安政策をとりたくとも日本企業やや中国企業はユーロなどに換えてしまうから帝国循環も効かなくなってきたのだ。

産油国も石油をドルで売ってきましたが、リスク回避のためにユーロに換えている。どうせなら最初から石油をユーロで売った方がいいと思うのは産油国も思っているだろう。だから石油とドルとのリンクも実質には外れてきている。これではアメリカがイラクやイランを叩いても流れは変わらないだろう。

このようにドルが基軸通貨から外れてくれば巨額の貿易赤字が重荷になってくるだろう。どの国もユーロで外貨を保有するようになりドル売りが止められなくなるからだ。だからアメリカはコソボ独立などでEUを揺さぶっている。セルビアにはロシアが付いているからEUとロシアを分断できる。EUとロシアが対立するようになれば地政学的にユーロが売られて米ドルが買われるようになるからだ。

このような状況で日本政府はドル一辺倒ですがドルは売るに売れない状況になってしまっている。民間企業のようにユーロでヘッジができないのだ。日銀はユーロに換えているのに日本政府はアメリカが恐くて出来ない。中国政府はいち早くバスケット制にしているが内訳は公表していない。日本もそうすればいいのですがアメリカが恐くてできないようだ。日本の政治家のだらしなさが日本がアメリカの一部になってしまっている原因だ。

しかしサブプライム問題でアメリカやEUも利下げをして来るようになって、円の利上げが実施されてくれば円が買われて、円が高くなるほど景気が良くなる状況がやってくるだろう。世界的なマネーの流れを分析すればそうなるのだ。

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