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企業は頑張るが家計に元気がない日本経済(KlugView)
2008/02/14(木)23:59
2月14日に発表された昨年10−12月期の実質GDP成長率は、前期比プラス0.9%(年率換算プラス3.7%)と、市場予想(プラス0.4%程度)を大きく上回りました。同じ時期の米国の成長率が前期比プラス0.6%、ユーロ圏がプラス0.4%だったことを考えると、日本の成長率は高いものと評価できます。
日本の成長率を押し上げたのは外需と設備投資でした。外需とは、財・サービスの輸出額から輸入額を差し引いた値で、実質GDP成長率を0.4%押し上げました。米国向け輸出は、落ち込んでいるものの、アジア向け輸出が増加傾向を続けたことで、外需が拡大しました。
外需以上に成長率を押し上げたのが設備投資でした。設備投資は、前期比プラス2.9%となり、実質GDP成長率を0.5%も押し上げています。建築基準法の改正で店舗やオフィス、工場などの建設投資は減少したものの、機械設備への投資が底堅く推移しました。
お気づきの方も多いかもしれませんが、外需と設備投資による成長率の押し上げ効果を合計すると、実質GDPの成長率と(ほぼ)同じとなります。外需も設備投資も、実施する主体(存在)は企業ですので、米国やユーロ圏を上回る日本の成長率は、日本企業によるものといえます。
企業が成長率を押し上げる一方で、個人の経済活動をまとめた家計は、成長率の上昇に貢献できていません。個人消費は前期比プラス0.2%と成長率を0.1%押し上げましたが、住宅投資は同比マイナス9.1%と大きく落ち込み、成長率を0.3%も押し下げています。建築基準法改正の影響で住宅投資が落ち込むのは仕方がないとしても、個人消費がほとんど拡大していないのは、家計の経済活動が活発になっていない表れといえそうです。
今年になっても家計の経済活動に期待するのは難しい状況です。企業は業績改善を背景に賃金を引き上げる姿勢を見せつつありますが、経済指標を見る限り、賃金上昇の兆しはあまり大きくみられません。また、食料品やガソリンなど身近な製品の物価が上昇しており、消費者マインドは悪化傾向を続けています。企業が日本景気を支える一方で、家計は元気がない姿を続ける日本経済は、今後もしばらく続くとみたほうが無難な気がします。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
10−12月の日本の実質GDP成長率はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
前期比プラス0.9%(年率換算でプラス3.7%)。
http://www.gci-klug.jp/klugview/08/02/14/post_4608.php