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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu161.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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最優良格だった米国債が格下げされたら、国債の売れ行きは一気に
悪化し、国債の元利を払えなくなって、国家的な債務不履行に陥る。
2008年2月9日 土曜日
◆DJ-【米国債市場概況】新発30年債入札不調で、30年債価格は急落 2月8日 ダウ・ジョーンズ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080208-00000004-dwj-brf
ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)7日の米国債市場では、米国株式市場が反発したことに加え、財務省が実施した新発30年債の入札が不調に終わったことで、米国債相場はおおむね全面安の展開となり、30年債価格が急落した。
利回りが先月付けた過去最低水準に迫るなか、現在の低金利ではインフレの影響を相殺するには不十分だと懸念を投資家は強め、長期債を売り進めた。米国債のなかで償還期限が最長の30年債は、物価上昇圧力に最も敏感だ。
財務省がこの日実施した30年債90億ドルの入札は、海外中央銀行など国内外の機関投資家の需要を示す間接入札の割合が10.7%となり、過去6回の入札平均27.2%を大きく下回った。
ダラス連銀のフィッシャー総裁が、世界の経済成長が物価上昇圧力を加速させるかもしれないと述べ、インフレリスクを警告したことも、市場の重しとなった。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50引き下げ3.00%とすることを決めた先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フィッシャー総裁は金利据え置きに投票していた。
2年債価格よりも10年債価格の下げがきつかったことから、両者の利回り差で示される利回り曲線は引き続きスティープ化した。両者の利回り差は6日の166bpから171bpに拡大した。
「入札は不調に終わった。現在のように低利回りの環境では、長期債が投資家需要を集めるのは極めて難しい」とパイオニア・インベストメンツで440億ドルの債券運用を手掛けているリチャード・シュランガー氏は語った。
「インフレは債券市場の懸念材料で、投資家の投資収益を食いつぶすだろう。利回りは依然として上昇傾向にある」とシュランガー氏は指摘した。
1月23日に過去最低の4.1%を付けた30年債利回りは、4.504%に上昇した。2007年の物価上昇率が4.1%であることや税金を考慮すると、長期債を保有する投資家の投資収益は事実上ゼロとなる。
「長期債の需要は実質的にゼロだった。過去数回の長期債入札も敬遠されてきた。投資家は現在の利回りが妙味ある水準だとみていない」とRBCキャピタルマーケッツの米国債取引ヘッド、トム・トゥッチ氏は述べた。
新発30年債の落札利回りは4.449%となり、入札締め切り直前の発行日取引における4.401%を上回った。応札倍率は1.82倍で、過去6回の平均の2.13倍を下回った。
7日の30年債入札は、底堅い需要がみられた6日の10年債入札とは対照的な結果に終わった。10年債の落札利回りは過去最低の3.620%で、間接入札の割合は38.2%と、過去8回の入札平均の22.6%を上回った。
価格 前日比 利回り
2年債 100 2/32 - 9/32 2.084%
5年債 100 3/32 - 29/32 2.851%
10年債 97 21/32 - 1 16/32 3.784%
30年債 107 16/32 - 3 2/32 4.533%
(米東部時間7日午後5時)
◆アメリカ財政破綻への道 2月6日 田中 宇
http://tanakanews.com/080206USbudget.htm
米政府の財政赤字急増は、米国債に対する信用を潜在的に失墜させている。債券格付け機関のムーディーズは「米政府が(メディケアなど)健康保険や社会保障費への財政支出を削減する思い切った政策を採れなかった場合、米国債は10年以内に最優良格(AAA)を失うかもしれない」という前代未聞の警告を1月上旬に発表している。1917年の格付け開始以来ずっと最優良格だった米国債が格下げされたら、国債の売れ行きは一気に悪化し、利回りが急騰して米政府は巨額の利払いを強いられ、最悪の場合、国債の元利を払えなくなって、国家的な債務不履行に陥る。(関連記事)
世界最強のアメリカが債務不履行に陥るはずがない、と多くの人は考えるだろう。だが最近まで、ムーディーズが米国債の格下げに言及すること自体、あり得ない話だった。ブッシュ政権が隠れ多極主義の戦略を採っているのなら、米国債の債務不履行まで事態を悪化させていくことを狙っているはずだ。来年1月までのブッシュの任期中か、もしくは次の政権になってから最悪の事態が不可避的に訪れるような仕掛けが、来年度予算のまやかしの裏に設定されていると疑われる。
▼米連銀も隠れ多極主義?
来年度予算には、1500億ドルの景気対策減税が盛り込まれている。分析者の間では、その効果を疑問視する声も強い。減税は、すでに支払った税額が多い人ほど戻しも多い仕掛けになっており、ローンの支払いに苦しんで消費を切り詰めているような低所得層には戻しが少ない。米経済の7割を占める消費の蘇生にはつながらず、比較的生活に余裕のある人々の貯蓄増につながって終わりそうだと指摘されている。(関連記事)
ブッシュ政権の景気対策の中では、予算だけでなく、連銀(FRB)による利下げも、隠れ多極主義的なくせ者である。連銀は最近、立て続けに2回、合計1・25%も利下げした。米経済が急に減速しているので、急な利下げが必要になったという理屈なのだが、利下げは効果が出るまでに数カ月かかる。政策金利は、様子を見ながら少しずつ上下させるべきで、急いで大幅利下げをするのは理屈に合わない。(関連記事)
また連銀は、金融機関の資金難からの破綻を防ぐ名目で、盛んにドルを増刷して金融市場に資金を流し込んでいる。連銀は、ドルの通貨供給量(M3)を発表しなくなって久しいが、分析者は、通貨供給量の伸びを年間15%前後と概算している(望ましいM3の伸びは5%以下)。こんなにドルが増刷されていると、ドルを基軸通貨としている世界経済がひどいインフレになるのは当然だし、ドルの価値が下がるのも当然である。(関連記事)
急速な利下げとドル増刷は、世界的なインフレ悪化につながり、為替をドルにペッグしている中国やアラブ産油諸国(GCC)の経済を混乱させている。中国は、人民元の対ドル為替の上昇率を引き上げた。GCCは昨年末以来、ドルペッグをやめて、ドルやユーロなどの主要通貨バスケットに対するペッグに切り替えるべきではないかという議論を続けている。(関連記事その1、その2)
中東は戦争状態が続いているので、アメリカに国防を依存しているGCC諸国、特に大国であるサウジアラビアは、簡単に対ドルペッグをやめるわけにはいかないが、アメリカが財政難や利下げを続けるなら、今後どこかの時点でドルペッグをやめる必要がある。それが今年中なのか、2010年のGCC通貨統合後なのかは、通貨市場をめぐる今後の事態によって決まる。中国もGCCも、ドル建て資産に対する投資を控えており、すでにドルの信用不安の悪循環は定着している。
ユーロや円などの先進国の諸通貨は、ドルに連動して弱くなるよう各国政府によって采配されてきたが、これもドルの信用不安が一定以上に拡大したら続かなくなる。2月5日には、オーストラリアの中央銀行が、インフレに耐えられず利上げし、アメリカとの金利差が拡大し、ドルへの不安が増した。円は、1ドル100円を越える円高になりそうだと指摘されている。(関連記事その1、その2)
今後、世界の諸通貨がどのような展開をたどるのか、IMFやG7などの国際機関によって政治的な解決が模索されるのか、先行きは不透明だが、すでに国際通貨の状況は、ドル崩壊懸念をめぐる危険な状況に入っていると感じられる。
アメリカでは、固定資産税を主な税収源としてきた各州や市の財政も、住宅バブルの崩壊によって税収が減り、地方政府は財政難に苦しみ出している。アメリカの経済難はひどくなる一方だ。不況の原因となった金融危機の方も、サブプライムに続く危機の二番底である「モノライン保険」(債券の破綻に対する保障制度)の業界の救済がうまくいかず、二番底が抜けそうになっている。(関連記事)
アメリカは大統領選挙で盛り上がっている。全体的に、来年からの次期政権も共和党になったら、ブッシュの財政金融政策が踏襲され、米経済の崩壊が早まりそうだ。民主党政権になったら建て直しが模索されるだろうが、間に合うかどうか。米政界では、建て直しを阻害しそうな勢力も強い。
日米などでは、少し株価が上がるたびに「これで株価は反転する」と金融機関のアナリストが騒ぎ、マスコミもそれを大々的に「事実」であるかのように報じているが、これらは全くの茶番である。世界経済の中心である米経済が破綻に向かっているのに「裸の王様」の物語さながらに、みんなそれが見えなくなっている。
(私のコメント)
東京でG7の会議が開かれていますが、どのようなことが話し合われているのだろうか。東京でG7が開かれるのは8年ぶりですが、8年も東京でなぜ開かれなかったのだろうか? それだけ日本の存在感がないからですが、アメリカにしてもEU諸国にしても金融状況はきわめて良くない。特にアメリカは深刻な状況を迎えている。
だから東京にお鉢が回ってきたのでしょうが、アメリカは金利を下げれば世界から集まってきた投資マネーは一斉に逃げ出してしまう。ダウ・ジョーンズのニュースはアメリカが深刻な事態を迎えていることを示すものですが、長期金利がどんどん切り上がっていくことを示すものだ。
アメリカから投資マネーが逃げていけばドルはますます安くなり、アメリカ国内ではインフレが長期化していくことだろう。インフレがひどくなれば短期金利も上がっていって住宅ローンの金利も上がっていくことになる。そうなればローンを払えなくなる人が増えていってサブプライムのみならず通常の住宅ローン破綻も増えていく事になる。
アメリカの金融機関も不良債権の激増によって破綻するところも増えてくるだろう。株式市場も本格的な下落が来てアメリカ国民の資産も大きく失われることになるだろう。アメリカでは株も不動産も下落して、ドル安によるインフレによって中国などからの日用品が値上がりして石油なども切り上がって行くだろう。
アメリカはドル基軸通貨の国なので米国債が償還できなくなる事はない。ドルは印刷していくらでも償還できるからだ。しかしドルの下落を嫌って米国債の投売りは十分に起こりうることであり、国債が暴落すれば金利は暴騰する。FRBがしなければならないことは株式の下落を阻止することよりも、国債の暴落を防ぐことだ。だから政策金利を下げることは結論的に間違いだ。
バーナンキはヘリコプターからドルをばら撒いているが、かえって国債を暴落させて金利を上昇させてしまう。インフレの昂進と金利高はアメリカ経済を没落させていくだろう。次期アメリカ大統領が誰がなるか分かりませんが、イラク戦争の継続も難しくなるだろう。そうなればベトナム戦争後のような状況がアメリカに訪れるだろう。
アメリカは年金や社会保障など株式市場に頼っているから株の暴落は年金制度も社会保障も破綻させることになる。アメリカ人は貯蓄を持たずにカードローンで消費してきた。ところがカードローンも引き締められてカードローン破産も激増するだろう。そうなれば消費も減って不況と金利高が生活を苦しめることになる。
日本もバブルの崩壊によって企業や家計の過剰な債務の解消に長い年月を使ってきた。以前なら好景気が過剰な債務を救ってきたのですが好景気は二度とやってはこなかった。政府が補正予算を組んで景気対策を打っても波及効果はなく政府の赤字だけが増えていった。企業や国民が過剰な債務を背負っている時は景気対策は効果がないのだ。
だからバブル崩壊後の政府の対策としては金融機関への公的資金の注入や、企業や国民が抱えた過剰な債務を債権放棄によって部分的にでも解消させれば短期間に解決できるが、モラルハザードの問題が起きる。江戸時代に起きたように「徳政令」を一旦出してしまうと過剰債務を「徳政令」で解消することが癖になり金融制度を破壊してしまう。
世界的に見ても国債などをデフォルトした国はロシアやアルゼンチンなどが有りますが、いずれも資源豊かな国であり労働によって外貨を稼ぐという意識が低い国だ。アメリカも国債の7割を外国に依存しており、ドル札を印刷すればハイパーインフレを招いてアメリカもデフォルトの危機が訪れるかもしれない。そうなればロシアのようにアメリカ自慢の軍事力も支えきれなくなり、原子力空母や潜水艦も港に繋がれて解体されるだろう。
日本はアメリカに国防を60年間依存することでやってきましたが、長期的に見て綻びが見え始めて来ている。アメリカはもはや朝鮮半島や台湾海峡で中国と戦争できるような国力は持っていないようだ。イラク戦争を見れば分かるように、たった2300万人の小国を掌握できないのだ。昔のアメリカなら50万の大軍を駐留させるだけの国力があった。
アメリカの国力の衰退は世界にばら撒いてきたドル札の権威を失墜させて、国債も誰も買わなくなる。国家も借金が出来なくなればロシアやアルゼンチンのようにデフォルトを起こしてアメリカもただの国になってしまうということだ。次期大統領にクリントンかオバマがなるかもしれませんが、偉大なアメリカではなくなることを象徴しているかのようだ。