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http://www.news.janjan.jp/living/0902/0902076966/1.php
134リットルの高レベル核廃液が蒸発?行方不明 再処理工場内で放射能漏れ発生
桐生広人2009/02/08
「高レベル放射性廃液が漏れる」という重大事故が、六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)で起きている。「看過し得ない」と自ら重大視する一方で、短期間に単純な漏洩を繰り返す原燃の技術力や安全配慮に、地元メディアや市民は不信の念をあらわにし、青森県庁に厳しい対応を要請したという。
高レベル廃液ガラス固化施設のガラス固化セル全景 出典・日本原燃
「高レベル放射性廃液が漏れる」という重大事故が、六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)で起きている。タンクなどから漏れた134リットルの濃縮した高レベル廃液が行方不明で、環境中への放出も疑われる。51年前の旧ソ連で起きた高レベル核廃棄物が環境中に大量放出された爆発事故「ウラルの核惨事」の恐怖を思い起こさせる。
最初の事故は1月21日、高レベル廃液ガラス固化建屋のセル(コンクリートで密閉した部屋=写真)内に漏れた液体を調べたところ、放射能濃度が高かったことをきっかけに、高レベル廃液の配管からの漏れを監視カメラで発見した。(写真 高レベル廃液ガラス固化施設のガラス固化セル全景 出典・日本原燃)
日本原燃は「高レベル廃液の滴下という看過してはならない事象」が起きたとして、1月30日に原子力安全・保安院に調査報告書を提出し、同日の社長記者会見で発表した。しかし、地元紙の報道では2回目の漏れが2月1日にも起き、前回と同じ箇所から約1ミリリットル漏れたと伝えた。
「看過し得ない」と自ら重大視する一方で、短期間に単純な漏洩を繰り返す原燃の技術力や安全配慮に、地元メディアや市民は不信の念をあらわにし、青森県庁に厳しい対応を要請したという。
報告書
原燃社長記者会見概要
「蒸発しました」ですむ話ではない
報告書では、高レベル廃液のタンクと配管からセル内に実際に漏れた高レベル廃液の量は最大で150リットルとしている。回収した16リットル以外の134リットルの大半は蒸発したと原燃はいっているが、「『蒸発しました』ですむ話ではない」と、原子力資料情室の澤井正子さんは憤る。
「150リットルの廃液がセル内に漂ったわけですから、そこから排気フィルターに大量に入ったと思います。ある程度の量が(フィルターを通り抜け)排気塔から出ている可能性は大きい」と懸念する。「作った高レベル廃液は全部管理するのが常識です。放射能はなくならないので、漏れたのがどこに行ったか全部究明すべきなんです。(報告書を読む限り)それを全然やっていない。それを把握し明らかにしない限り、アクティブ試験の続行などあり得ない」と澤井さん。
完工延期の発表は事故隠しのため
漏れた放射能は、密閉された室内にとどまっているから「放射性物質による環境及び人への影響はなかった」と日本原燃は国に報告している。「美浜の会」は、これを「事故によって放射能が外部に一切出ていないかのような」印象を与えると問題視している。実際には、「漏洩事故が起きたセル内の空気中には放射性の希ガスが含まれ、これが主排気塔から放出されている」として、「主排気塔で測定している放射能レベル等を公表し、どれだけの放射能が放出されたのか明らかにすべきだ」という。
日本原燃は、試験運転の終了を2月から8月にする、16回目(1989年の事業申請から)の延期を社長記者会見で発表した。高レベル廃液漏れが延期の理由なのは明らかだが、「社長会見で漏れた廃液150リットルには一言も触れず、8月に延期すると言うだけの発表は完全に事故隠しです。完工できる技術的根拠もなく、段取りの具体的な裏付けもないのに延期だけを発表するのは、情報隠しのためです」。日本原燃が明らかにしていないことを調べるために、原子力安全・保安院に対してヒヤリングする予定だと澤井さんは言う。