★阿修羅♪ > 原発・フッ素5 > 129.html
 ★阿修羅♪
浜岡原発閉鎖への一歩 〜浜岡1・2号廃炉を歓迎する〜(JANJAN)
http://www.asyura2.com/08/genpatu5/msg/129.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 12 月 16 日 17:09:16: twUjz/PjYItws
 

http://www.news.janjan.jp/living/0812/0812150511/1.php

浜岡原発閉鎖への一歩 〜浜岡1・2号廃炉を歓迎する〜
東井怜2008/12/16


 地震学者が「地球上でもっとも危険な場所にある原発」と指摘する浜岡原子力発電所。住民や専門家から警告されながら、5機も建設を強行してきた中部電力。それを許可し続けてきた政府。中部電力がそうした愚行に自ら終止符を打つ判断をする日がようやく来たようだ。自然の威力に対して無駄な抵抗を重ねることなく、1・2号廃炉を浜岡原発閉鎖への一歩としてもらいたい。

 建設中の浜岡原子力発電所2号機の航空写真(1975年)。円形をした原子炉格納容器と思しきものも見える。左上にあるのは稼動直前の1号機。【ウィキペディア/国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省】
 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Hamaoka_npp_2_mlit1975.jpg
 w3land.mlit.go.jp/WebGIS/index.html


 中部電力が、長期停止中の浜岡原発1・2号機について、廃炉への選択をしたと報道された。12月13日(土)静岡新聞朝刊トップに「浜岡原発1、2号機廃炉へ」というスクープ。サブ見出しは、「6号機新設を検討」となっている。昼のTVニュースはじめ夕刊には全国紙各紙にも掲載され、それぞれオドロキを持って迎えられたようだ。

 しかし筆者の第一印象は、さすがに、もっとも妥当な形で(地元始めあちこちに摩擦の少ない=ソフトランディングの)回答を探したな、ということだった。同時にほんとうの理由を伏せている、とも。

 スクープ記事には地震のことはひとこともない。もちろん裁判についても。そういう条件でリークさせたのかもしれない。記者会見をやれば、当然質問が出るだろう。また記事ではあくまでも「検討を始めた」となっている。

 その後も静岡新聞をはじめとして経済氏面的な取り扱いが目立つ。耐震補強や炉心シュラウド(内釜)の取替えに、2機で2000億円という試算もみえる。シュラウド以外にも老朽化は指摘されており、さらに経費は嵩むかもしれないという。だが中部電力は常に新品同様と主張して、決して老朽化を認めてこなかった。

 また、1号機の運転開始は1976年3月で御齢32歳半、2号機は同じく78年11月で30歳。老朽化を理由とするには、1号機はともかく2号機にはまだまだ先輩格がいる。すでに国内には運転開始から30年を超える稼動中の原発は17機を数える。

 1・2号廃炉の真の理由は、来たる東海地震に対する耐震性が確保できないからである。

 まだ正式の発表はなく、確定までには今後紆余曲折があるとは思うが、1・2号機が新しい耐震基準をクリアできないことは中電はすでに確認済みのはずだ。このまま2度と動くことはないだろう。

 地元でも、補強・補修(シュラウドを含む)の気配はいっこうにない、廃炉にするのではという噂が徘徊していた。中部電力HPの公開情報を見ても、この3年間ほどは1・2号機にほとんど動きがない。作業員が入っている様子が見えないのだ。廃炉の判断は時間の問題であった。他に選択の余地はない。

 では3・4・5号はどうなのか。

 浜岡3・4号については、改訂された耐震設計審査指針に基づく耐震再評価報告書を国に提出してからまもなく2年になろうというのに、その審議は未だに決着がつかず、見通しも立っていない。

 それどころか、昨夏の中越沖地震による柏崎刈羽原発での揺れが、設計時の想定を数倍も上回ったことが判明したため、新たに地下構造の詳細調査が課せられている。その結果を待つまでもなく、中部電力がこれまでの申請時に提出した資料を見る限り、すでに報告済みの新しい想定を大幅に修正する必要に迫られることは間違いない。  

 こうした事実が今回の経営判断の根底にあるはずだが、それは浜岡のサイトそのものの問題であって、1・2号だけ廃炉にして済むものではない。

 したがって、何も好き好んでこれからまた新たにこの地に巨大原発を建設するなど、正気で考えているとは思えない。少なくとも浜岡サイトへの新規増設は、昨今の原発安全行政の中でも、そう簡単にクリアできるとは思えない。国に認められなくて矛を収めるなら、地元に対しても申訳が立つ。そんな計算をしているかもしれない。

 増設とセットで流したのは、おそらくショックを和らげるための緩衝材で、観測気球というところだろう。あるいは、まだ社内に無理解が残存することの反映かもしれない。あたかも耐震安全性が理由ではなく、経済的判断だと思わせるためのカモフラージュだ。だが経済が冷え込む今後、電力需要は落ちていくだろう。新増設などしている場合ではない。

 この秋、奇妙なことがあった。東京高裁において浜岡原発運転差止訴訟の進行協議が非公開で行われた9月2日、中電HPに次のような一文が掲載された。

 『一部新聞報道によれば、「東京高裁は2日、第1回口頭弁論(19日)で双方に和解を打診する方針を示した」とありますが、当社に対し裁判所から和解を打診されたという事実はありません。』

 たしかに和解を打診されたわけではないが、裁判所から「3・4号と切り離して、1・2号について何らかの和解を提案をするかもしれないので検討してほしい」というひと言があったのは事実である。それを全面的に否定するかのようなプレスを発したのはなぜなのか。

 それでいていっぽうで、特定の新聞に進行協議における和解の浮上をリークしている。まったく不可解た理由が謎である。

 いかにしてソフトランディングさせるかという中電の苦悩が垣間見えたようにそのとき思ったが、これも観測気球だったのかもしれない。

 予告どおり裁判長は、9月19日の第一回控訴審において、1・2号は3・4号とは設置形態に違いがあること、および運転を停止していることから、1・2号については「案の提示をする段階ではないが、何らかの話し合いができないか」と打診した。原告側は「話し合いに応じたい」としたが、中電側は「すり合わせするつもりはない」と断った。裁判長は「(今後)話し合いの機運があれば、進行協議で伺いたい」とかさねて表明した。

 1・2号機は耐震設計審査指針のできる前に建設が許可されている。さらに指針改訂後の確認も行われていない。そのあたりを高裁は指摘したものと思われる。3・4号と同一の扱いはできない。1・2号はまず諦めては、という意思ともきこえる。

 こうした裁判所の態度が、1・2号廃炉への後押しとなっただろう。

 もちろん経済的理由もさいごの一押しとなったことは間違いない。

 そろばん勘定だけではなく、原発に依存してきた地域との共生という大きな課題も横たわる。だがさらなる増設などという欺瞞を重ねるのではなく、真実を語り地元にも理解してもらうことである。

 浜岡1号が水素爆発事故で停止したのは7年前。その後も国内では原発の事故が相次ぎ、事故隠しや不正が数知れず暴露された。いっぽう各地で地震が相次ぎ、その都度新たな形の被害が表面化し、ついには東電の原発が中越沖地震に直撃された。

 これで原発の耐震安全性への不安が高まらなければ余程どうかしている。さすがに多くの人々が原発震災の危険性を実感するようになった。地元でも7年前とは違って原発廃止を受け入れられる土壌ができたと判断してよい。

 では原発に代るものがあるのか。イエス。

 いくらでも智恵の働かせようはある。たとえば廃炉にした1・2号機を原発の耐震安全性実証試験施設として積極的に位置付けてはどうか。そのための国際的プロジェクトを立ち上げる。あるいはまた商業用軽水炉の国内廃炉1号として、他電気事業者、メーカー、国などの援助を取り付けることで、地域振興に一役買うなど、発想の転換を期待したい。

 6号機予定地があるならそこを活用して、中部電力お得意のキャパシタ(capacitor)関連産業をはじめ、新エネルギーによる発電に切り替えるチャンスとする。

 中部電力がひとたび決断すれば、立地・隣接自治体及び市民は、智恵を出し合い、協力するに違いない。それは、ともに原発震災を免れよう、という強い意思のもとでこそ実現する。 

 自然の威力に対して無駄な抵抗を重ねることなく、1・2号廃炉をうまく乗り切り浜岡原発閉鎖への一歩としてもらいたい。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 原発・フッ素5掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。