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浜岡原発運転差し止め訴訟:「厳しい地震想定必要」と原告側が主張−−控訴審 /静岡【毎日JP】
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20081129ddlk22040218000c.html
住民などが中部電力を相手取り、浜岡原発1〜4号機(御前崎市)の運転差し止めを求めた訴訟の控訴審第2回口頭弁論が28日、東京高裁(富越和厚裁判長)であった。
原告側は、想定を超える揺れを観測した中越沖地震や岩手・宮城内陸地震の揺れの特徴を挙げ、東海地震の想定震源域に建つ浜岡原発ではさらに厳しい地震想定が必要だと主張した。
原告側は、今年6月に起きた岩手・宮城内陸地震は、地震を引き起こす断層の動きが、予測される東海地震と同じだと指摘。
岩手・宮城内陸地震では水平の揺れに比べ上下の揺れが大きかったことや、発生前に震源断層を予測することは難しかったとの専門家の見解を紹介し、上下動を考慮した耐震性を検討すべきだなどと主張した。
これに対し中電側は、「岩手・宮城内陸地震について専門家の知見は確立しておらず、原告は東海地震との相違点を無視している」と書面で反論した。
弁論の最後に富越裁判長は「原告側は地震による原発事故がいつ起きるかわからないと訴えており、ゆっくり審理を進める話ではないが、地震に関する新たな知見が出てきている」と発言した。
新たな知見とは、震源の地下構造が揺れを増幅させる可能性があることが中越沖地震で分かったことなどを示すとみられる。
中電は3、4号機について、06年に改定された国の耐震指針に基づいて安全との報告を国にしたが、国はまだ判断を示していない。
「新たな知見」を基に国が中電に評価のやり直しを求めれば、訴訟にも影響が出るとみられるため、富越裁判長は審理を国の判断を待って進めるべきかどうか原告、被告の双方に意見を求めている。【望月和美】
毎日新聞 2008年11月29日 地方版