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http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0001248071.shtml
稲わらや麦わらを原料とするバイオエタノールの実用化を目指して、三菱重工業(本社・東京)などが神戸造船所二見工場(明石市二見町南二見)で、国内初の実証事業に乗り出す。農林水産省のモデル事業に選定され、来夏にも稼働する予定。実用化のめどが立てばプラント生産に乗り出す。バイオエタノール10%混合ガソリンの普及を図る環境省は「二〇三〇年まで」という目標の前倒しを検討中で、高騰するガソリンに取って代わる「新燃料の切り札」としても期待が高まる。(増井哲夫)
同社によると、施設は二見工場内の約千平方メートルに建設する。洗浄したわらを粉砕。熱水に浸し、酵素を加える二段階の工程で糖に分解する。さらに酵母で発酵させてエタノールを精製する。牛が草を消化する仕組みを応用したという。
わらは、東播地域を中心に四ヘクタールで約二十トンを集め、年間八百リットルのエタノール製造を見込む。わらの確保や貯蔵をひょうご環境創造協会(神戸市須磨区)、発酵を白鶴酒造(同市東灘区)、精製を関西化学機械製作(尼崎市)が協力。精製までのコストを一リットルあたり九十円程度に抑えるという。
これまでバイオ燃料の原料には、糖にしやすいトウモロコシやサトウキビが使われてきた。しかし、世界的な食糧高騰の一因とされ、途上国からは批判が続出。洞爺湖サミットでは「食糧以外の原料によるバイオ燃料の開発」が首脳声明に盛り込まれた。
農水省によると、国内で発生するわらは年間千四百万トン。飼料などに活用されてはいるが、七割は決まった使い道がないとみられる。近畿経済産業局の試算では、県内の稲わらや麦わらからエタノール約三千キロリットルを生産できるという。
日本では、エタノール混合ガソリンの利用は、東京や大阪など一部の地域で始まったばかり。三菱重工神戸造船所の藤田謹也先端部品・機械システム部次長は「実用化の技術を確立し、エタノールが普及する将来に向けて、生産が拡大できる体制を整えたい」と話している。