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(回答先: 中国の戸籍制度では生まれてくる子供は母親の戸籍が継承される。 投稿者 ワヤクチャ 日時 2008 年 12 月 13 日 22:13:40)
http://www.chinalabo.com/taki/lecture/lecture_26.html
都市と農村の所得格差は地域によっては5倍とも10倍とも言われている。 とりわけ沿岸部や大都市周辺への外資の進出が加速するにつれてこの格差は更に拡大する傾向にある。 胡錦涛政権はこの所得格差を是正するため昨年来、農民所得の拡大を目的とする政策(農産物の値上げや農業税の廃止等)を次々に打ち出しているが、不平等の根源となっている戸籍制度の見直しについては未だ手をつけられていない。
中国人はオギャーと生まれた時、「都市戸籍」と「農村戸籍」に大別され、その人の学歴や職歴等を綿密に記録した「人事档案制度」により厳格に管理されている。
この戸籍制度は1952年に制定され、人口の都市への集中を避けるために、原則として農村戸籍の者は農業に従事し、都市に働きに出る場合は事前に都市での労働許可証を取得しなければならない制限された時代が長く続いた。しかし1990年前後の配給制度の終焉とともに現在のように都市への移動は比較的自由となり多くの農村戸籍労働者が都市で働くようになった。
しかしながら、農村戸籍者は企業で働く場合多くの差別をうけている。上海市の場合福利厚生費として養老保険(日本の厚生年金)、失業保険、医療保険の合計36.5%(住宅積立金8%を加えると44.5%)を企業は負担しなければならないが、農村戸籍者には医療保険を含めて158元/月(2005年度)を地方労働者管理費として労働局に支払うだけで、農村戸籍者には失業保険や養老保険制度がないので定年退職しても年金はつかない。
企業にとっては正社員であるにもかかわらず福利厚生は別々に管理されている。
さらに都市で働き口を見つけ家族と共に移住してきても、農村戸籍の子供は都市の小、中学校には入学できない。子供だけを田舎に残すか、特別な入学金を払って上の
学校に入学させなければならない。このため上海市のような大都市には地方毎に出身者の子供を受け入れる学校が点在している。
また、上海では地方出身者(農村戸籍者を含む)は車やバイクのナンバー登録ができないため通勤は自転車かバスしかない。それ以上に銀行ローンを受け付けてもらえないので家や車の購入は極めて難しい。
この差別から開放されるための都市戸籍への切り替えのチャンスは原則として一生に一度しか与えられていない。すなわち大学を卒業し希望する都市の一定の条件をそなえている企業に就職した場合に限られる。
このために都市戸籍の中でも富と文化の中心である北京、上海戸籍取得はあこがれの的であり厳しい受験戦争に勝ち残った優秀な学生が全国から集まってくる。
大学に入学すると学生の戸籍は一旦、その大学の戸籍に移り、就職した後に企業の所在地の戸籍に移転する。このため卒業時の就職先の企業所在地が大変重要な意味を持ち上海の大学生の場合、Uターン現象は勿論、地方都市への就職はありえない。
1998年頃、大学生の就職状況が悪かった。知り合いの大学教授から「自分のゼミで地方出身の真面目な学生がいるのだがまだ就職先が決まらない。本人の希望で何とか上海の会社に入れてあげたい。給料はいくらでもかまわないので何年か預かってもらえないか?」と何度か依頼された。中国の戸籍制度を知っていれば理解できる依頼である。
次回はいよいよ本題の「上海の女性はなぜあんなに強いのか?」に入ります。