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日中首脳会談:実益追求の麻生流 懸案には切り込まず【毎日】
http://mainichi.jp/select/world/news/20081025ddm002030100000c.html
【北京・高塚保、浦松丈二】麻生太郎首相は24日、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議に出席するため滞在中の中国で、胡錦濤国家主席、温家宝首相と相次いで会談し、「共益」をキーワードに実利面を強調して「戦略的互恵関係」を再定義した。経済界出身という特長を生かし、実益を追求する「麻生流」を外交の舞台でも打ち出したといえる。ただ、両国間の微妙な問題にはお互いに触れない配慮もあり、実際に大きな懸案が起きた場合、両国が本当に「共益」を求めあうことができるかが試されることになる。
「30年前、年間4万人ぐらいの行き来が今は500万人。人間の往来が増え商売の行き来が多くなればトラブルは必ず起きる。起きたらそれをどうするかということが大事だ」
日中首脳会談後、首相は北京市内で記者団にこう強調した。日中平和友好条約締結30周年記念レセプションでは、「友好というお題目のために互いに遠慮するような関係ではなく、切磋琢磨(せっさたくま)して協力していくことが真の『戦略的互恵関係』だ」とも語り、懸案があっても「遠慮」ではなく、向き合うことで乗り切っていける自信を示したものだ。ただ、首相は友好条約締結30周年記念の演説や首脳会談でも、両国間の懸案に切り込んで触れることはしなかった。
中国の胡国家主席も「戦略的互恵関係」を実務的に進める姿勢を鮮明にした。「歴史」「台湾」など意見に隔たりがある問題には具体的に言及せず、日中関係は「新たな歴史のスタート地点に立っている」と述べ未来志向を強調した。中国指導部には、麻生首相は在任中は靖国神社に参拝しないとの安心感もあるとされ、これが未来志向につながっているともいえる。麻生首相が提案した年内の3カ国首脳会談の開催について、中国の温首相も韓国の李明博(イミョンバク)大統領と同じく「支持する」と賛意を示した。
保守的なイメージが強い麻生首相に対し、中国側に警戒感がないわけではない。温首相が24日の会談で台湾問題に触れ、「一つの中国という日本の姿勢を評価する」と語ったのもこのためだ。
毎日新聞 2008年10月25日 東京朝刊