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http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10127682617.html から転載。 2008-08-15 19:12:36 日頃は『鎗(やり)中村』で通っていた新兵衛の甲冑をまとった初陣の若武者を敵は新兵衛と見たのか、戦場(いくさば)での若武者の活躍は目覚ましかった。 かわって新兵衛は、駒を駆って敵陣に殺到するが、いつもは新兵衛の姿にひるむ敵が、いっこうにひるむ気配を見せようともしない。手軽に甲冑を貸した思慮の浅さを後悔し始めたとき、敵の槍が新兵衛の脾腹(ひばら)を貫いていた。 菊池寛作「形」の要約である。 あの強い強い鈴木桂治選手が、足を取られてあっという間に格技場の畳に背中をつけられた。それも初戦だけでなく敗者復活戦でも同じ失敗を演じてしまった。思わぬ敗戦に茫然自失の鈴木選手と侍大将中村新兵衛の不覚とが思わずダブった。 何年もの激しい競技生活で、強靱な鈴木選手の精神と肉体が知らず知らずのうちに疲労しきっていたのではないか。国内ではそれでもまだ「鈴木桂治」の名前で威圧できた面もあったが、外国勢を相手にはもう通じなくなっていたのではなかろうか。 そんな気のする、まさかまさかの鈴木選手の敗退だった。 【参考】 菊池寛の小説「形」は青空文庫で読むことができる。 ⇒ http://www.aozora.gr.jp/cards/000083/files/4306_19830.html
gataro-cloneの投稿
菊池寛作「形」の侍大将中村新兵衛と北京五輪における鈴木桂治選手の敗退
テーマ:閑話休題
いつもは猩々緋(しょうじょうひ)の冑(よろい)と唐冠(とうかむり)の兜(かぶと)を着けて合戦にのぞむ侍大将中村新兵衛がその日に限って、主筋にあたる初陣の若武者に自らの甲冑を譲って、自身は黒皮縅(おどし)の冑(よろい)を着て、南蛮鉄の兜(かぶと)をかぶって合戦におもむいた。
形 菊池寛