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(回答先: 映画「崖の上のポニョ」は宮崎駿版「八百比兵尼」の伝説である 投稿者 Ddog 日時 2008 年 9 月 15 日 21:10:58)
人魚図 江戸時代の瓦版 笹間良彦『図説・日本未確認生物事典』
http://lapis.blog.so-net.ne.jp/archive/c40374228-1
<あらすじ>
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崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、ある日、クラゲに乗って家出したさかなの子・ポニョと出会う。
アタマをジャムの瓶に突っ込んで困っていたところを、宗介に助けてもらったのだ。
宗介のことを好きになるポニョ。 宗介もポニョを好きになる。 「ぼくが守ってあげるからね」
しかし、かつて人間を辞め、海の住人となった父・フジモトによって、ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう。
人間になりたい!ポニョは、妹たちの力を借りて父の魔法を盗み出し、再び宗介のいる人間の世界を目指す。
危険な力を持つ生命の水がまき散らされた。
海はふくれあがり、嵐が巻き起こり、妹たちは巨大な水魚に変身して、宗介のいる崖へ、大津波となって押し寄せる。
海の世界の混乱は、宗介たちが暮らす町をまるごと飲み込み、海の中へと沈めてしまう。
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http://www.ghibli.jp/ponyo/press/story/
崖の上に取り残された宗介とポニョは、宗介の母、「りさ」を捜しに行く小さな冒険へ出る。
宗介とぽにょは、母「りさ」の勤める「たんぽぽの家」(海の中)へたどり着く。
ぽにょの父「フジモト」と母「グランマンマーレ」は「ポニョ」を宗介に預けることにより、人間にすることを決意する。
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今日は遅ればせながら娘にせがまれ、宮崎監督「崖の上のポニョ」を観に行きました。賛否両論の映画ですが、私はたいへん「楽しませていただきました」。映画を見てなぜ賛否両論になるのか、否定的意見が出るにもかかわらず、何故ヒットしているのか、気がつきました。
この映画は、アンデルセンの人魚姫のお話をベースにしているとのことでした。ディズニー映画「リトルマーメード」をイメージして行った観客にとっては、「とても違和感があったのではないか?」と察します。「ポニョ」は、「リトルマーメード」ではなく、日本の人魚伝説をもとに、宮崎監督が再構成したお話だから違和感を感じる観客が出たのだろうと思います。「崖の上のポニョ」は「八百比兵尼(ハッピャクビクニ)の伝説」の宮崎版ではないでしょうか?
八百比兵尼(ハッピャクビクニ)の伝説とは、全国各地に残る、日本の人魚伝説まつわる物語です。
【国際日本文化研究センター:怪異・妖怪伝承データベース】
http://www.nichibun.ac.jp/cgi-bin/YoukaiDB2/ksearch.cgi?Area=%E5%85%A8%E5%9B%BD&Name=%E4%BA%BA%E9%AD%9A
(怪異・妖怪伝承データベース製作委員長は、あの、文化人類学者小松和彦教授です。)
伝承は様々ですが、古来日本人は人魚を、妖怪の一種、その肉は不老長寿をもたらすものとされています。また、幾つかの伝承では、人魚を調理しているのを赤ん坊だと、誤認され目撃者は驚くという逸話も、残されています。そして、その肉を食べた娘が長生きして、800歳(八百比兵尼)〜1000歳(千年比兵尼)まで長生きをしたという伝説が、広く全国各地に伝承されています。
映画「陰陽師」のファーストシーンでは、平安京を造営しようとする桓武天皇が都の守り神として、小泉今日子 扮する「青音」を、不老不死と霊力を与える為に祭壇に祭った「人魚」の肉を食べるシーンからでした。小泉今日子 扮する「青音」は、野村萬斎扮する「陰陽師」を助ける重要な役回りでしたが、映画「陰陽師」を見た方なら、八百比兵尼は、あの小泉今日子かと思い出していただけるかと思います。
映画陰陽師
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id234051/
映画で描かれていた人魚も、私の記憶では、美しくはないグロテスクに描かれていたと、記憶(おぼろげです)しています。古来日本では、人魚は妖怪画として、数多く描かれてきました。また、江戸時代、猿と魚をミイラにして縫い合わせ、「人魚のミイラ」として市中で出回った記録も残されています。今日でもその一部は伝承され、その幾つかが時々UMA(未確認生存動物)扱いで、雑誌ムーなどに掲載されたりしていますが、やはりグロテスクな物体で、リトルマーメードの「アリエル」とは似ても似つかないものです。
話は、「ポニョ」に戻しますが、「八百比兵尼伝説」がベースとすると、難解な宮崎童話「崖の上のポニョ」がなんとなく理解できます。
ぽにょの好きな食べ物がなぜ「ハム」なのか?これは「人魚の肉」の隠喩ではないでしょうか?
そして、デイケアセンターのお年寄りは「八百比兵尼」の隠喩。
車椅子の老人達が、ぽにょと交わることで、自分の足で歩き、駆け出します。不老不死と若返り、これは「八百比兵尼」伝説そのものかもしれません。
「ポニョ」の父親「フジモト」は、不老不死を目指す仙人。主人公「宗助」は人魚伝説に登場する、人魚=赤ん坊の隠喩。ストリーの途中で、海が盛り上がり避難してきた若夫婦が赤ん坊を抱きしめ、「ポニョ」と交流するシーンがあった。あまりストリーに意味も無く、なぜこの逸話をストリーに盛り込んだか疑問にも思えたが、このシーンに描かれている赤ん坊の隠喩も、これで納得する。
洪水とポニョの魔法は妖怪としての人魚の霊力として考えると、「崖の上のポニョ」は宮崎駿版「八百比兵尼伝説」以外の何物でもないような気がします。
妖怪話は、我々日本人が持つ無意識のファンタジーの原点ではないでしょうか?日本人の無意識に根ざすファンタジーを宮崎監督は巧みにアンデルセンの人魚姫のストリーに組み込んだのだとと思います。公開後二ヶ月弱経過しても満員の映画館にはそんな秘密があるのかもしれません。
このブログを書くにあたり、人魚伝説で、画像を捜しにネットサーフィンをしていましたら、lapisさんのブログ<カイエ>を見つけました。
http://lapis.blog.so-net.ne.jp/archive/c40374228-1
なかなか面白ブログで、つい読みふけってしまいました。当然お気に入りに登録しました。
【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/16845695.html