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米国の戦後沖縄統治に関する資料発掘に携わってきた沖縄県の公文書専門員、仲本和彦さん(43)が「研究者のためのアメリカ国立公文書館徹底ガイド」(凱風社)を出版した。在米12年間の調査研究で得たノウハウをつぶさに公開し「現地で無駄なく調査できるよう役立ててほしい」と話している。
沖縄県出身の仲本さんは、アーキビスト(公文書管理の専門家)を目指して米国に三年間留学。その後、現在の職場である沖縄県公文書館の委託を受け、1997年から2006年まで沖縄戦や戦後27年間に及んだ米軍統治政策についての資料調査に当たった。
ワシントンの米国立公文書館(NARA)や全米各地の大統領図書館に通い詰め、箱やファイルに眠っていた文書や写真のコピーを沖縄へ送る作業を続けた。「日本では公文書として扱われない手書きメモや電話録も含め、日米関係の重要な政策過程を示す資料が詰まっていた」という。
同書では、NARAでの閲覧申請書の書き方や機密指定解除の手続きから、「国務省一般」「中央情報局」など570以上ある分類番号まで紹介。館内は意外にもカメラやスキャナーの持ち込み自由で、大量の資料もデジカメで撮影すればコピー代が一切かからないという“裏技”も紹介している。
NARAの“住人”だったころ、訪れる日本人研究者を見ていると「日本でも可能な作業に無駄な時間を費やす人が少なくなかった」。例えば連合国総司令部(GHQ)の文書など収蔵資料の一部は刊行され、日本国内の図書館でも見られる。国務省のファイルなど8万件以上の電子記録を閲覧できるウェブ上のデータベースもある。
「まず国内で、できる限り予備調査を。そして現地では、資料の所在について助言してくれるアーキビストとのコミュニケーションが重要になる」と強調する。
収集した膨大な公文書との格闘は帰国後の今も続き、後世の研究者が活用しやすいように地道に目録を整理する日々。ようやく「地図の輪郭」を描けたところという。
公文書の在り方は、その社会がどれだけ民主的であるかを測るバロメーターになるー。そんな所見をちりばめたコラムも興味深い。
神戸新聞 2008年7月
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