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第4回アフリカ開発会議(TICAD)は29日午後、「市民社会との連携」の全体会合があった。会議にかかわってきた非政府組織(NGO)からは、福田首相が打ち出したアフリカ向け大型円借款などの支援策に対して「援助は貧困層に行き渡るのか」「円借款が新たな債務の重荷となるのでは」などの疑問が出ている。
NGO代表として唯一演説した「アフリカ市民委員会」のギュスタブ・アサー議長(ベナン)は「アフリカに対する援助がアフリカの債務危機をつくってはならない。援助が貧しい人々に届くようなTICADでなければならない」と呼びかけた。
今回の会議を機に日本のNGOが結成した「TICAD4(ローマ数字の4)・NGOネットワーク」は、福田首相が表明したインフラ整備を中心に今後5年間で最大40億ドル(約4200億円)の円借款を供与するとの方針に対して見解を発表。「アフリカ諸国に巨額な借款を行い、再び大きな債務を生じさせることが適切かどうか、強い疑問を感じざるを得ない」と疑念を示した。
2015年までの貧困人口の半減などの目標を盛り込んだ「国連ミレニアム開発目標」(MDGs)達成に向けて、5年間に10万人の保健医療分野の人材を育成するとの方針についても「養成を受けた資格者の雇用先を確保できず、労働に見合った賃金も支払えないことから、多数の人材が国外に流出している」と指摘した。
NPO法人「TICAD市民社会フォーラム」(TCSF)の大林稔代表(龍谷大学教授)は円借款の使い道を検証することが大事だとして「日本とアフリカの市民がともにモニターする仕組みをつくるべきだ」と提言している。
保健分野への支援拡充を訴える声もあった。スイスに拠点を置くNGOの「グローバル・ヘルス・アドボケイツ」のメンバーで、マラリア対策が専門のルイ・ダ・ガマ氏は「多くの指導者が演説したが、演説だけでは人命は救えない。医療分野への支援がまだ弱い」と話した。(西山貴章)
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