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(回答先: Re:有人飛行だった証拠なのか？ 投稿者 B.J.Thomas 日時 2008 年 5 月 22 日 04:41:15)
宇宙基本法：ＭＤ、通信網で活用 原点は「政産官」勉強会
自民、民主、公明３党提出の宇宙基本法は２１日の参院本会議で可決、成立し、６９年国会決議の非軍事原則の解釈変更によって、日本の防衛目的の宇宙利用に道が開かれた。宇宙分野での中国の台頭や北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、「宇宙の軍事競争に乗り遅れる」との危機感から、自民党国防族、防衛産業関係者らは０５年から段階的な軍事利用の検討を開始。今回の法案はその成果が下敷きになっている。【松尾良】
「政産官」一体の勉強会「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」。石破茂現防衛相を座長に国防族議員、防衛庁（当時）幹部、三菱重工やＩＨＩなど航空宇宙産業各社が参加し、０６年夏に提言「我が国の防衛宇宙ビジョン」をまとめた。
日本が０３年に導入を決めたミサイル防衛（ＭＤ）システム、衛星による偵察活動、イラクやインド洋へ自衛隊を派遣した際の通信インフラについて、宇宙の軍事利用を進める必要性を論じている。提言から、基本法によって実現を目指しているものが何か分かる。
例えばＭＤ。日本は米国の早期警戒衛星から弾道ミサイルの発射地点、目標などの情報を受け取る仕組みだ。
しかし、北朝鮮が０６年に日本海に発射したスカッド（射程６００キロ級）やノドン（同１３００キロ級）、さらに中国や北朝鮮が保有しているとみられる射程２５００キロ級の弾道ミサイルと射程が伸びるほど、早期警戒衛星や宇宙追尾監視衛星でしか探知できない領域が増える。米国から情報が届く時間もかかる。提言は「自律的宇宙インフラ」が必要だとして、日本が独自の早期警戒衛星を持つべきだと指摘した。
政府が現在運用する４基の情報収集衛星の能力は、宇宙利用を「非軍事」に限った６９年の国会決議に基づき、画像の解像度などの技術は民間の商業用衛星と同水準に抑えられている。これについて提言は、地対空ミサイルのタイプや戦闘機の装備を確認できる「偵察目的での要求レベル」は解像度０．７５メートル以下だと指摘。日本独自の高度偵察衛星の開発を提起した。
また、海外に派遣した自衛隊と通信網を「即時開通、利用」するにも「専用の通信衛星が不可欠」と主張。イラク派遣では通信容量と安全の確保に数カ月から１年を要した▽インド洋給油への派遣では音声通信しか利用できない−−などの事例を挙げ、民間衛星の限界を強調している。
◇防衛省、所管省庁「格上げ」
０３年１１月、日本のＨ２Ａロケット打ち上げ失敗の直後。福田康夫官房長官（当時）は衆院本会議場で、河村建夫文部科学相（同）に宇宙政策を内閣に一元化する組織図を手書きメモで渡し、言った。「宇宙政策の司令塔不在を何とかしなければ」。文科省や経産省などの縦割りを解消する宇宙基本法の検討は、このころ始まった。
メモには政策分野として「防衛」が明記されていた。非軍事利用の国会決議に縛られ、宇宙利用を表立って検討できなかった自民党国防族らには「渡りに船」だった。意を強くした勉強会の提言は、決議の解釈見直しを明記。法案作成では、防衛目的での利用解禁も盛り込まれた。
基本法に基づいて設置される首相主導の戦略本部の下では、防衛省も所管省庁の一つとして位置づけられる方向だ。宇宙利用の分野で、同省は事実上「格上げ」される形だ。
毎日新聞 2008年5月21日 21時31分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080522k0000m010090000c.html
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