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大阪市の平松邦夫市長と大阪府の橋下徹知事が15日、府の財政再建案をめぐり激論を交わした。普段はソフトな語り口の平松市長が、文化助成削減をめぐって「文化事業は大阪府全体の財産だ」と顔を紅潮させて反対論を展開すると、橋下知事もいすから半分立ち上がって反論。予定時間を15分もオーバーし、同席した府と市の幹部に止められるまでがっぷり組み合った。
会談では平松市長が「知事は医療費補助を削減し、一定以上の所得がある人に負担をお願いするというが、実際には全対象者の負担が増える」と指摘。橋下知事は「一定の所得の人にまで今のままのサービスを提供することが、大阪としてできるのか」などと冷静に切り返した。
さらに平松市長が「府民税も市民税も払っているのに、府の補助金でほかの市町村に差をつけられている」と大阪・堺市民の不満を代弁すると、橋下知事は「財源が豊かな2市を、河内長野、富田林などと同列に扱うのは……」とかわした。
ところが、議論が文化論に及ぶと両首長の口調が一気に激しさを増した。
「今切れば、立て直すのに何年かかることか。文化をどう守るか考えてほしい」。平松市長は顔を真っ赤にして、大阪フィルハーモニー交響楽団などへの補助金廃止を思いとどまるよう訴えた。
橋下知事は「残ったものこそ文化だ。府民が本当に残したいなら、(存続を求める)署名だけではなく1人千円でも出して見に行けばいい。初めから行政が金をつっこんで守っていくのはどうか」と持論を展開。平松市長が発言を遮り「知事の意見は暴論だ。力の論理で壊してきた文化が過去の歴史の中にはある。大勢が支持したら残す、というように数で判断するのはやめて欲しい」と反撃すると、橋下知事は青筋をたて、いすから腰を浮かせ、「数で判断はしていません」。
平松市長は最後に、府と市、経済界が計画した「水都大阪2009」事業の準備が橋下知事の反対で中断していることに触れ、「一生懸命やってくれた経済界に謝りに行ってほしい」とくぎを刺す一幕もあった。
35分間の会談後、橋下知事は「有意義でした」と一言。平松市長も「つい声が大きくなったが、言いたいことはある程度言えた」とすっきりした表情をみせた。
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