★阿修羅♪ > アジア12 > 130.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
文書化は厳しい
6カ国協議は 継続
北朝鮮と他国の違いが 縮まる気配なし
(毎日 12月11日 朝刊)
[概要]
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の主席代表会合は3日目の10日、全体会合や2国間協議などを開き、議長国中国が9日に提示した核検証方法の文書化に対する議論を進めた。
協議では会期を延長し11日も協議するが、北朝鮮と他の5カ国の立場の違いが縮まる気配はなく、文書化の見通しは厳しくなっている。
北朝鮮は10月に平壌で米国と交わした「検証方法は現場訪問など3つに限る」「検証時期は経済保障(経済・エネルギー支援)完了後」などの文書合意以外の内容を盛り込むことを拒み、議論は入口の段階でこう着しているという。
また日米が要求する「核施設からのサンプル(試料)採取」について、「(各国に対する)信用がない現時点で実施するのは、自国の核能力を知らせるようなものだ」と拒否した。核検証の主体への国際原子力機関(IAEA)参加や対象施設をめぐっても大きな食い違いがあるという。
[コメント]
いよいよ北朝鮮の核武装計画の”化けの皮”を剥がすサンプル採取を迫る時期がきた。北朝鮮の核廃棄を求める6カ国協議で、北朝鮮は最後の土壇場に追いこまれたことになった。
使用済み燃料棒の残りから微量の廃棄物や沈殿物のサンプルを採取すれば、今まで北朝鮮が申告し提出した黒鉛炉・運転履歴が正確か改ざんか判明する。(読売新聞 12月11日 朝刊 「サンプルで履歴チェック」)
北朝鮮としては核ゲームでできるだけカードの正体を隠し、長期間にわたり、多くの経済支援を得るのが本心である。核カードの正体を暴くサンプル調査など受け入れられる訳がないのだ。
しかしそれでは中国を議長国とする6カ国協議は何なのかということになる。ついに中国の忍耐も限界にきたようである。もはや米朝両国が交渉で解決する段階は終わった。
北朝鮮が他の5カ国に譲歩(姿勢転換)することは、金正日の容態悪化で不可能に近い。また、仮にサンプル採取を労働党が譲歩しても、軍部が決して許さない。瀕死状態の軍にとって核兵器の正体を暴かれることは丸裸にされることに等しいからだ。
私は北朝鮮が崩壊した後、核武装の真実が明らかになるのを楽しみにしている。かつて、冷戦終結によってソ連軍が崩壊した後、極東ソ連軍には北海道に攻め込む能力も計画もなかったことが明らかになっている。冷戦期に、日本とアメリカが勝手にソ連軍の脅威(北方脅威論)を作り出して、東アジアにおける日米両軍の戦力強化を行っていたのだ。
しかし相手が核兵器だと、北方脅威論の単純な軍事力バランス論では片づかない。相手が核兵器なら、”核廃棄”か”核対立”しか選択肢がないのだ。当然ながら、アメリカは北朝鮮に経済援助をちらつかせて核廃棄を迫ることになる。しかしアメリカが北朝鮮に経済援助を与えるには、核廃棄の確かな証拠がなくてはならない。これはオバマ次期政権でも同じことだ。北朝鮮がオバマ政権に期待しているという言葉には滅び行く者の哀れさを感じる。
かつて米日韓が北朝鮮に提供したKEDOなどの見返りと、核兵器では違う対応となるのである。だから北朝鮮が2匹目のドジョウを狙って、核実験を行ったことが自滅の道を選択したことになった。いつも私が言う、「北朝鮮は核武装の重さに耐えきれず自滅する」というのはこのことなのである。
----
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=695266&media_id=20
米が北朝鮮への重油支援停止へ、検証問題決裂で
(読売新聞 - 12月13日 12:05)
【ワシントン=小川聡】北朝鮮の核問題を巡る6か国協議首席代表会合が核検証手続きに関する文書作成で合意できず終わったことを受け、米国務省のマコーマック報道官は12日の記者会見で、「検証の枠組みを欠く状況では今後、重油の輸送が進むことはない」と述べ、北朝鮮への重油支援を停止する考えを表明した。
報道官は「北朝鮮以外の5か国が一致している」としており、協議参加国の支援が中断することになる。
ブッシュ米政権は、拉致問題の進展がないことを理由に日本が先送りしているエネルギー支援について、オーストラリアなどに肩代わりを求め、核施設の無能力化など北朝鮮による核廃棄に向けた第2段階の早期終了を目指して柔軟姿勢を示してきたが、今回は「圧力」を強めた格好だ。北朝鮮が支援中断に反発するのは必至で、寧辺(ヨンビョン)の核施設の無能力化を再び停止する可能性もある。
国務省によると、ロシアからの重油が北朝鮮に到着したばかりだが、5か国側による次の重油支援の予定は決まっていないという。米国はすでに20万トン分の支援を完了している。
首席代表会合の議長声明では、寧辺の核施設の無能力化とエネルギー支援を「並行して実施することで一致した」としていた。
----
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=695322&media_id=20
重油支援中断なら、無能力化ペースダウンも…北朝鮮が示唆
(読売新聞 - 12月13日 14:33)
【北京=牧野田亨】6か国協議の北朝鮮首席代表、金桂寛(キムケグァン)外務次官は13日、米国が北朝鮮への重油支援を停止する考えを表明したことに対し、「(支援が)中断されれば、核施設無能力化のペースを調整するだろう」と述べ、対抗措置として無能力化作業を遅らせることもありうることを示唆した。
同協議首席代表会合が開かれた北京から平壌に戻る際、北京空港で記者団に語った。
----
軍事力学的には神浦さんの分析が正しく、経過もその通りになっている。
しかし、法律論からいうと、前の合意になかった新しい要求を出して、それを呑んだ新しい合意が出来ないなら、前の合意の履行を中断するという、アメリカの主張はめちゃくちゃだ。(アメリカのやり方としては、いつものことであるが・・)