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スコープ 中韓と首脳会談 懸案より『友好』演出【東京新聞】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/scope/CK2008102502000126.html
2008年10月25日 紙面から
麻生首相の本格的な外交デビューとなった二十四日の日中、日韓首脳会談。衆院選が迫る中、「中韓と良好な関係を築けるのか」との懸念を払拭(ふっしょく)するために、友好ムードの演出に努めた。その分、懸案解決に取り組む姿勢に欠けた印象は否めない。 (北京で、古田哲也)
「会談は極めてスムーズに行った」。中国の胡錦濤国家主席、温家宝首相と個別に会談した後、麻生首相は、記者団にこう自画自賛した。
実際、首相が「日中は永遠の隣人だ」とエールを送ると、胡主席が「麻生首相は日中関係をずっと重視してきた」と持ち上げるなど「終始、和やかな雰囲気」(同行筋)で会談は進んだ。
だが、首相の就任当時は、中韓両国の評価は芳しいものではなかった。
首相が外相時代に提唱した「自由と繁栄の弧」構想は、東欧から中央・東南アジア諸国との連携を強調したため「中国・ロシア包囲網」と受け取られた。韓国でも、首相が二〇〇三年に「創氏改名は(朝鮮人が)名字をくれと言ったのがそもそもの始まり」と発言して、反発を招いた経緯がある。
中韓との協調路線が明確だった福田康夫前首相に比べ、麻生首相は中韓両国と距離がある。衆院選で「首相にアジア外交は任せられない」と民主党から攻撃を受けるのを避けるためには、初の首脳会談でマイナスイメージを消し去ることを最優先して、中韓両国に配慮した会談内容にせざるを得なかった。
日韓間で懸案となっている竹島(韓国名・独島)の領有問題は全く話し合われなかったのも、そのためだ。
ギョーザ中毒事件やメラミン混入問題などで中国製食品に対する不信感が広がる中、首相は安全対策の徹底を中国首脳に求めたが、中国国内での検査態勢の見直しなど、具体論まで踏み込んだやりとりには入らなかった。
不安をぬぐうことに一応の成果は挙げたものの、懸案事項で進展がなかったことで、衆院選にどれほどプラスになるかは不透明だ。