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先日、米国に配布された韓国の「国会手帳」は予想を覆すものではなかった。第18代の国会議員299人の履歴を紹介しているこの手帳には、出生年月日と出身大学が履歴書の最も上に記されていた。だれも知っている有名校を卒業した一部議員は、7行からなる自己紹介欄に出身高校名まで書き入れた。中には「○○ 中」と中学校名まで書き入れた議員もいた。
博士の学位を持つハンナラ党のK議員は、自身の履歴のうち80%を出身校に関する内容で埋めた。K議員の履歴のうち学歴でないものは、「○○試験合格」と「企業の社長就任」の二つだけだった。議員らは相変わらず、社会でどのような経歴を積んだのかよりも、20−30年前にどの大学を卒業したのかをアピールすることに熱心だった。
国会事務処が発刊した国会手帳は、韓国社会では依然として通用している学歴と過去中心の文化をそのまま反映していた。韓国社会ではだれかを論ずる際、その人がどの学校を卒業したのかが依然として重要だ。したがって政権が変わるたびに、「Y高の人脈浮上」「K大出身重用」などの記事がよく見受けられる。
これに対して米国の学歴に関する文化は正反対だ。ワシントンDCのシンクタンクで開催されるセミナーに行くと、演説者についての1枚の紹介書が配布される。これまで何度もこの手のセミナーを取材したが、これらの資料に数十年前に卒業した大学名が一番初めに出てくることは一度もなかった。出身高校名が紹介された資料はもちろんなかった。
7月に戦略国際問題研究所(CSIS)で講演したクリストファー・ヒル国務次官補の履歴書で、現職の次に記されていたのは駐韓米国大使の経歴だ。続いて2005年に6カ国協議の首席代表に任命されたこと、ポーランド大使、マケドニア大使に就任した経歴が記されていた。彼が卒業したメイン州のボードイン・カレッジについては最後に記されていた。つまり、最近の経歴から逆順に記されたものだった。
出身大学が記されていない場合も少なくない。先日、韓半島(朝鮮半島)専門家の集会「コリアクラブ」で講演したデビッド・ストラウブ元米国務省韓国課長の履歴書には、「国務省に30年間在籍後、2006年に退職した」という文章で始まっていた。ストラウブ前課長がどこの大学を卒業したかが気になり、履歴書をじっくりと見たが、出身大学については記されていなかった。
米国人の履歴書も、最近の経歴から始まり、学歴が最後に記されるのが一般的だ。これは数十年前にどこの大学を卒業したのかということを重要視しないことを意味する。名門大を卒業したとしても、どれだけ深く考え、どのような社会経験を積んだのかによって、個人の実力はいくらでも変わり得ることを認めているのだ。
そういった点で米国は、過去に自身が卒業した学校に頼らず、将来に向け最高の経歴を積むために努力する社会といえる。このような背景では、たんに同じ学校を卒業したという理由で人脈が形成され、恩恵が与えられるという確率は低い。最近の経歴が重視され、学歴を参考程度にとどめることが一般化された時、韓国も先進国に近づいたといえるだろう。
ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員
http://www.chosunonline.com/article/20081012000026