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政府が結局、米国に牛肉再交渉を要請した。李明博大統領は国務会議で「多数の国民が願わないおよそ30カ月以上の(米国産)牛肉は持ちこまないのが当然だ」と述べた。今回の再交渉要求が窮地に追い込まれた政治的選択という点は理解する。政府支持率は大きく下落し、連日のろうそく集会も負担となって作用したはずだ。難局を突破するリーダーシップさえ失踪した状態で80%以上の国民が要求する再交渉以外に別のカードは見つけにくい。しかし署名まで終えた協定文があるのに、国民の反発により再交渉を要求することは珍しいことで、類例もない。内閣責任制国家なら政権が崩れる事件だ。
これに対してアレクサンダー・バーシュボウ在韓米国大使は「再交渉する必要性を感じない。合意履行を演技する何の科学的根拠もない」と、既存の立場を繰り返した。現地駐在大使の原則的言及だと受け入れたい。韓国との再交渉が日本、台湾との牛肉交渉に悪影響を与えるかもしれないという米国の立場も十分に見当がつく。しかし、我々は米国政府と畜産業界が韓国政府の苦境を推し量ってくれるように願う。全物量の5%にもならない30カ月以上の牛肉輸出に最後までこだわることは決して米国にも役に立たないだろう。米国が再交渉の形態でも輸出業界の自律規制形式でも韓国側の意見を反映してくれることを期待する。
元々、通常分野の再交渉は既存合意文を覆す劇薬処方だ。両国間の利益の均衡を合わせて妥結した合意文を一方で壊す場合は厳しい対価を支払う覚悟をしなければならない。韓日漁業協定当時、韓国側のミスで底引き網部門を交渉対象から外し、一歩遅れて再交渉を要求したことがある。結局、韓国は底引き網は含んだが、ほかの漁業分野のクオータを日本に多く渡さざるを得なかった。韓中ニンニク交渉も同じだ。下手に緊急輸入制限措置(セーフガード)を発動して中国から韓国産携帯電話の輸入禁止を下され、屈辱を受けた。
今夏の再交渉要求でなおさら不透明な韓米自由貿易協定(FTA)の国会批准はますます難しくなりそうだ。米国が韓米FTAの自動車分野再交渉を要求してくる場合、これを拒否する名分も消えた。何より全国民所得のうち交易(輸出額+輸入額)の比率が71.6%にもなる韓国の体面がたたない。これから国際通商舞台で誰が韓国の発言や約束を信じてくれるだろうか。韓国の“国格”の失墜は避けることができない。「対外信任度を失っても国民信頼を得るために再交渉しなければならない」という判断により、韓国自らが招いた結果だ。
我々は牛肉問題が再交渉の局面に至るまでBSEよりむしろ現政府の無能さの方に大きな恐怖を感じる。交渉過程ではミスが連続し、出す収拾対策が皆、後の祭りだったのが常だった。こんな内閣に対して「ベスト・オブ・ベスト」などという表現を使ったのか不思議だ。政府は検疫主権とBSE特定危険物質(SRM)に対する国民の不満が飛び出す度にあたふたと米国側外交書信(レター)を長官告示に挿入するなど、付け焼刃ですませた。結局、追加協議に引き続き「再交渉はない」という自ら立てた原則さえも崩した。これは実用主義ではなく典型的な状況追随主義であるだけだ。
李明博政府は発足から100日だ。同じような混乱が繰り返されれば残された4年9カ月は暗鬱だ。今回の事態は内閣全体が責任を負うべきことである。外交的協定を放棄するほどの対策もなく、無能だったからだ。国家的恥辱であり醜態だ。再交渉するならどうしてもっと早くすると言えなかったのか。こんなやり方で国政を処理する内閣をどうして信じることができるか。農林水産食品部長官ら数人が交代してすむ問題でもない。その第一ボタンは、今回の事態に責任を負って内閣が総辞職することだと考える。現内閣で誰を退陣させるかより誰を残すかを計算する方がずっと賢明な方法かもしれない。出発から“コ・ソヨン”(=コリョ大、ソマン教会、ヨンナム出身)、“カンブジャ“(=カンナム不動産長者)など皮肉を買った内閣が、能力まで底を見せたからにはこれ以上躊躇する理由もないだろう。内閣が総辞職するのはもちろん、当然、青瓦台秘書陣も完壁に交代されなければならない。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=100876&servcode=100§code=110