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ユーロ地域の失業率が2006年以後、大幅に下落している。特に、サブプライムローンの焦げ付き問題により、昨年は第4四半期から経済成長が減速したにもかかわらず、失業率が下がり続けていることについて、「この10年間の『労働改革』が効果を発揮し始めた」という評価が出ている。
専門家たちは、社会安全網の拡充よりも、働き口の創出に焦点を合わせた欧州各国政府の労働政策が、功を奏したと見ている。これに、雇用創出効果の高いサービス産業の拡大も一役買った。
23日、欧州連合(EU)の統計庁によると、ユーロ加盟15カ国の今年第1四半期の失業率は7.1%と、ユーロ発足(1999年)以後、最低水準を示した。最近、国際経済の状況がさらに悪化したにも関わらず、昨年の失業率7.4%より0.3%ポイント下がったもの。
その反面、就業者数は1億3777万人で、06年より264万人が増加した。ユーロ地域の新規就業者数は、△05年=236万人、△06年=255万人、△07年=264万人と、増加傾向を示している。
特に、ドイツとスペインは07年の1年間、新規就業者がそれぞれ78万人、61万人と、同期間ユーロ地域の新規就業者数の52.7%を占めた。欧州各国では1970年代後半以後、働き口の創出が最優先の国政課題に据えられたが、解決がおぼつかない状態だった。
これを受けて、最近、中央銀行の韓国銀行は、「ユーロ地域の失業率下落の原因と今後の見通し」と題された報告書をまとめるなど、国内の政策当局も示唆点を見出すため、原因分析に乗り出した。
KOTRA欧州地域本部のチョ・イルギュ次長は、「現地ではEUが就業率を上昇させるため、社会福祉モデルの再編と労働市場の柔軟化を柱として05年打ち出した『新リスボン戦略』に従って、大々的な労働改革を推進した結果だと評価している」と伝えた。
政府が高い失業手当と社会保障税を下げる方向へスタンスを変えると、働く代わりに失業手当を選択した人々を働き場に向かわせた。このおかげで、雇用費用が減って企業が新規採用を拡大し始めたということだ。
ユーロ地域の労働費用対比所得税および社会保障税の割合は、00年44.7%から06年43.2%へ減少し、失業給与の所得代替率も01年35.0%から05年32.9%へ低下した。
労働界でも賃上げの代わりに雇用安定を選ぶ「譲歩交渉」が根を下ろしている。06年、ドイツのフォルクスワーゲン労働組合が7年間の雇用保障を約束し、賃金を9%カットすることで使用者側と合意したのが代表的な例だ。フランスの3大経営者団体と5大労働団体が今月中旬、職業トレーニングや補償金などを代価に、労働者の採用と解雇を容易にする労働市場柔軟・安定化案に暫定合意したのも同じ理由からだ。
韓国労動研究院の金ジョンハン研究委員は、「強気の労組を代表していたドイツの自動車労組もここへ来ては工場を海外へ移転せず、雇用を保障してもらう代わりに労働時間を延長している。賃上げのみに力を注ぐ韓国の労組とはアプローチの仕方が違う」と述べた。
就業誘発效果の大きいサービス業に対する規制が緩和されたのも功を奏した。ユーロ地域でサービス産業の雇用で占める割合は、00年65.9%から05年67.7%へ拡大した。スペインは主力産業の観光業を中心に雇用が伸び続け、00年以後、毎年50万個以上の新しい働き口が創出されている。KOTRAによると、スペインの国内総生産(GDP)で観光業の割合は13%に上る。
これと関連し、企画財政部の金ジョンウン労力政策課長は、「民間を中心に働き口が自然に増えるように、サービス産業の競争力強化や企業環境の改善など、規制緩和策を推進している」と述べた。
政府が財政を執行して働き口を増やすより、企業活動を阻害している規制を緩和すれば、企業投資が拡大し、働き口が増加する「善循環」が起きるように誘導するということだ。
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2008052410168