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保守と進歩はどう区別されるだろうか。数多い分け方があるはずだが、平たく言えば、保守主義は現実を維持しようとする傾向であり、進歩主義は現実を変えようとする傾向と説明できる。現状維持と現状打破の違いと言えようか。だとすると、どちらがもっと幸せだろうか。保守主義者が進歩主義者よりさらに幸福感を感じるという研究結果が最近発表された。ニューヨーク大学のジャイム・ナイファ教授とジョーン・ジョスト教授が、米科学財団の後援を受けて進めた研究結果だ。
◆その理由は、保守主義者が進歩主義者に比べて社会的・経済的な不平等の状態を気軽に受け入れているからだという。保守(右派)性向の人は不平等な地位を「能力本位」と解釈している。自分が貧乏なのは人より能力がないか真面目でないからであり、自分より豊かに暮らす人はその分優秀で真面目だったからだと考える。したがって、自分の置かれている境遇に満足する傾向が強い。一方、進歩(左派)を掲げる人々は、世の中は平等でなければならないと信じるため、自分の厳しい状況を自分のせいにするよりは体制のせいにしがちである。不満が膨らむしかない。
◆このような調査結果が初めて出たわけではない。米国のピュー・リサーチ・センターの2006年度の調査でも、保守主義者の共和党員は47%が「幸せだ」と答えた反面、リバラルな民主党員は28%だけが「そうだ」と答えた。保守主義者が進歩主義者より寄付をたくさんするという統計もある。「分配」を強調する進歩主義者が寄付をたくさん行いそうでも、実際はそうでない。進歩主義者は社会が分配の責任を負わなければならないと考えるため、かえって寄付にはケチであるということだ。言葉と行動が違うわけだ。
◆だからと言って、保守主義者がさらに優越だという話ではない。「満足な豚より、不満足なソクラテスになれ」と言った功利主義者のJ.S.ミルの言葉のように、現実に対する進歩主義者の不満と抵抗が社会変革の動力になることもある。不条理が幅を利かしているのに、「現実だからしょうがない」と受身な態度ばかり取っているわけにはいかない。一身の安楽が、すなわち幸せではない。だからと言って、自分の不幸を人のせいにばかりし、常に何かを打ち破らなければならないと思い込む人も幸せを得るのが難しい。幸不幸も結局、所信にかかっているというのがこの研究の究極的なメッセージではないだろうか。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2008051093778