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【コラム】香港メディアの実名報道に思う(上) | Chosun Online | 朝鮮日報
24日付香港紙・蘋果日報に興味深い記事が載っていた。内容はこうだ。中国雲南省のある村ではここ数年で、男たちが相次いで外地に出稼ぎに出て、女ばかりとなってしまった。その機に乗じて薬の露天商を営む男(43)が留守を守る女性たち10人余りと深い仲になった。さらに、男は若い人妻に夫と息子を毒殺するようそそのかしていたことが発覚した。結局、男は激怒した夫の親類によって殴り殺された。事件の成り行きには、中国の古典小説『金瓶梅』の中で女性を次々と寝取った西門慶と似ていると紹介された。
この記事で注目したいのは、ストーリーもさることながら、当事者らがどんな行動に及んだのか全て実名で報じられている点だ。記事には村落の写真も掲載されていた。今年1−2月に香港芸能界を揺るがしたヌード写真流出騒動でも関係人物が顔写真とともに実名で報道された。香港の俳優陳冠希(エディソン・チャン)が有名女性歌手の鍾欣桐(ジリアン・チョン)、張柏芝(セシリア・チャン)らと不適切な関係を持ったことを報じたニュースだった。
蘋果日報だけではない。明報、文匯報、香港経済日報など香港の主要紙を見て驚くことは、一般化した実名報道と過激な写真だ。殺人事件、飛び降り自殺、多数の死者を出した交通事故などを伝える記事では、容疑者や被害者の血生臭い写真とともに詳細が報じられる。どうしてこんな血まみれの写真が普通に掲載されるのか理解に苦しむほどだ。
http://www.chosunonline.com/article/20080426000042
【コラム】香港メディアの実名報道に思う(下) | Chosun Online | 朝鮮日報
韓国の場合はどうか。似たような事件を報じる場合は経緯だけを伝え、人物が特定できないように「金某さん」「李某さん」「Kさん」「Lさん」などと姓のみ、またはイニシャルで書くのが一般的だ。生々しい写真が掲載されることはなく、顔も人物が特定できないようにモザイク処理を施す。
マスコミ事情のこうした相違について、香港で活動するスティーブン・キム弁護士は「法律的な裏づけと商業主義が巧妙に結び付いた香港の報道にも問題があるが、まるで暗号文の韓国マスコミにも問題がある」と指摘した。香港では虚偽ではない真実を報じる場合には名誉棄損に問われない英米法体系に属するため、遠慮なく実名や当事者の写真を掲載する。これに対し、韓国では事実の報道であっても、対象者が望まざる場合には名誉棄損で告訴できる大陸法体系に属しているため、実名報道に慎重だという説明だ。
行き過ぎた実名報道が被害者と当事者のプライバシーを侵害する点は明らかだ。しかし、逆に名誉棄損で訴えられることを過度に意識すれば、記事ではなくイニシャルだらけの暗号文になってしまい、読者を混乱させる。特に韓国の場合、幼児殺人や性的暴行の常習犯など倫理に著しく反する犯罪の容疑者の顔すらも警察がマスクで隠すため見ることができない。香港のように何でもかんでも実名報道するのも行き過ぎだが、名誉棄損を恐れるあまり、萎縮しすぎる報道も問題だ。
韓国メディアも匿名報道と実名報道の接点を真剣に探る時期に来ている。
http://www.chosunonline.com/article/20080426000043