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米兵を殺した者は英雄になる(イラク情勢ニュース)…イラク軍兵士による米兵射殺を巡って。
http://www.asyura2.com/07/war99/msg/610.html
投稿者 新世紀人 日時 2008 年 1 月 10 日 14:46:48: uj2zhYZWUUp16
 

http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2008_Dahr_Jamail_20080107.html

イラク情勢ニュース URUK NEWS > 2008

米兵を殺した者は英雄になる
Killer of U.S. Soldiers Becomes a Hero

ダール・ジャマイルの中東速報
2008年1月7日
http://dahrjamailiraq.com/hard_news/archives/iraq/000717.php
Dahr Jamail's MidEast Dispatches

Inter Press Service
By Ali al-Fadhily and Dahr Jamail

 バグダッド、1月7日発 (IPS)−−最近、同行していたイラク軍兵士よって米兵2人が殺された事件は、米軍とイラク軍との関係に動揺を引き起こした。
 12月26日、北部イラクのモスル市において、イラク軍兵士が一緒に合同パトロールを行っていたアメリカ兵に発砲した。彼は米軍大尉と軍曹を殺し、イラク人通訳を含む3人を負傷させた。

 この米兵射殺については、あい矛盾する説明がなされている。射殺したイラク兵カイサル・サアディ・アル・ジャブリの叔父ハジム・アル・ジャブリ大佐は、IPS(インター・プレス・ニュース)の取材に、次のように話した。甥(おい)はまず米兵がイラク人女性を殴るのを目撃した。そこで彼は米兵に止めるよう求めたが、米兵がそれを拒否し、そのため彼は発砲するに至った。

 「カイサルは、アメリカ兵が髪を乱暴につかんで女性をひきずりまわしたことに反抗した生粋の兵士だ」とジャブリ大佐は説明した。「彼は部族の男であり、そのような行為を許さない誇り高いアラブ人だ。彼は処刑されると判っていて大尉と軍曹を殺した」。

 他の者も同じような話をした。あるモスル住民はIPSの電話取材に、匿名で、「米軍大尉と部下の兵士が住宅地を襲い、女性たちに手配中の男たちがどこにいるか白状しろと怒鳴りつけはじめたとき、私はその場にいた」と話した。「女たちが知らないと告げると、部下の兵士は何もしなかったが、(女たちは)恐怖で泣きはじめた」。

 目撃者たちは、米軍大尉が部下と女性たちを怒鳴りつけ、部下の兵士たちが女性をつかまえて髪を引っ張った、と話した。

 「イラク兵が、(私たちはあとでカイサルだと知ったのだが)、アメリカ兵に『やめろ』と叫んだが、大尉はそのイラク兵に怒鳴り返した」と目撃者たちは語った。「それでイラク兵は、『チンピラども、女性たちを放せ』と叫んで、米兵たちを撃った」。その後、このイラク兵は急いで立ち去った。

 イスラム法学者協会(スンニ派聖職者の団体)は声明を発表し、このイラク兵士は米兵が妊婦を殴るのを見て彼らに発砲したと述べた。

 法学者協会は、「彼は血をたぎらせ、占領軍の兵士に女性を殴るのをやめるよう求めた」と声明で明らかにした。「通訳を介した米兵たちの回答は、やりたいようにやるというものだった。それで彼は米兵に発砲した」。

 この話はまず衛星テレビのアル・ラフィダーンで報道された。それが始まりで、国中のイラク人が命をかけてイラク国民の名誉を守った「英雄」について語るようになった。

 米軍とイラク軍は、この話を違った内容として語っている。

 イラク軍の将軍(訳註:カイサルの所属する第2師団司令官か)は報道陣に、カイサルが(米兵を)攻撃したのは、彼がスンニ派アラブ人のゲリラ組織と結びついていたからだ、と述べた。

 イラク軍第2師団のある大尉は、IPSの取材に、「兵士カイサル・サーディはゲリラ組織のために仕事をしており、ゲリラ組織は彼に軍の動きを知らせ、仲間に危険を知らせるよう指示していた」と語った。「軍のなかにも、今では覚醒会議の部隊(米軍によって創設された民兵)のなかにも、彼のような者がひじょうに多い」。

 だが匿名を条件に話したあるイラク軍将校は、カイサルの行動を英雄的だとして、「アメリカ兵のやつらは改めて思い知らされたさ」と話した。

 イラクの主要部族であるアル・バガラ族の部族長ジュマ・アル・ダワル師は、「カイサルはガヤラのアル・ジャブル部族出身で、アメリカ人には理解できない正義感を持つ部族だ」とバグダッドでIPS特派員に語った。

 この部族長はさらに、「ジャブル部族ほかすべての部族は、アメリカ兵を殺したカイサルと彼の行為を誇りにする。今では彼は、決して忘れられることのないその名前とともに、英雄である」とつけ加えた。

 多くのイラク人が同じように話している。バグダッド在住で無党派の政治家であるモハンマド・ナシルは、「アメリカ軍とその協力者による政治的企みにもかかわらず、これはイラク国民の結束を示す今一つの例である」とIPSに語った。「カイサルはすべてのイラク人から愛されており、彼らはカイサルの無事を祈り、彼のためには何でも捧げる用意ができている」。

 ジャブリ大佐は、カイサルは最初こそ米軍への協力を受け入れたものの、「ガマンならない真実に気がついた」のだと説明した。大佐は、「私は軍隊の将校が自分の仕事であり、彼らがイラク国民を助けてくれると思ったので、アメリカ軍と一緒に仕事をしたことがある。しかし11ヶ月の経験は、占領軍に従うより餓え死にする方が光栄であると悟るのに十分だった」と話した。

 その後、IPSが背後関係を持たない情報提供者たちから聞いたところでは、カイサルはイラク軍と米軍の合同特殊部隊に捕らえられ、モスルにあるギズラニ軍用基地で拘束、拷問されているという。

 殺される占領軍兵士の数は最近になって減少したとはいえ、2007年(昨年)は米軍兵士の死亡者が最も多かった年で、米国防総省によると901人が殺された。



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