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【RPE】2008年問題１（イランは今年も天王山）
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★2008年問題１（イランは今年も天王山）
全世界のRPE読者の皆様、
新年あけましておめでとうございます！
今年もよろしくお願いします。
ＲPE読者の皆様とご家族の皆様が今年一年
健康で幸せで豊かでありますように！
モスクワより
RPEジャーナル
北野幸伯
さて、本題。
皆さん、歴史の教科書を読むとか、歴史小説を読まれることがある
でしょう？
既に起こった過去のことを振り返ると、出来事の因果関係がはっき
りわかりますね。
あたかも物語のように、原因があり結果がある。
そしてその結果が原因となり、また次の結果を作り出す。
ところが、現在の状況を考えると、洪水のような情報におぼれ、物
事の因果関係がクリアに見えなくなってしまう。
今回は08年という年が歴史的視点からどういう年なのか考えてみ
ましょう。
▼06年までの流れ
最近、「ボロボロになった覇権国家」（ http://tinyurl.com/dypky ）
に書いてあることがいよいよ現実化してきましたね」というおたより
をたくさんいただきます。
そう、一般の人もようやく「アメリカはボロボロである」ことを理解しは
じめました。
なぜボロボロなのでしょうか？
サブプライム問題じゃないですよ。
原因はずっと前にさかのぼるんです。
世界は1991年まで東西冷戦の時代。
1989年ベルリンの壁崩壊。
1990年東西ドイツ統一。
1991年ソ連崩壊。
これで冷戦は終わり、アメリカとソ連の二極体制は崩壊したのです。
そして、アメリカの一極世界が到来した。
90年代は世界中で金融・通貨危機が起こりました。
欧州でも南米でもアジアでもロシアでも。
しかし、ITバブルで世界の資金を集中させたアメリカは、一人繁栄
を謳歌していたのです。
しかし、反逆ののろしがあがっていた。
それが欧州。
欧州、特に元から反米的なフランスのトップは、以下のことを理解
していました。
1、アメリカは世界1の財政赤字・経常赤字・対外債務国である。
2、それでも、アメリカが破産しないのは、ドルが基軸通貨（世界通
貨・国際通貨）だからである。
3、ドルを基軸通貨でなくしちゃえば、アメリカの覇権は終わる。
欧州がどうしてアメリカに反抗的になったのか？
ソ連崩壊で東の凶暴な白熊（ロシア）が死んだ（と思った）。
東の脅威がなくなったから、アメリカに守ってもらう必要はない。
だから、田舎者（アメリカ）から文化的な欧州が覇権を取り戻そう。
具体的にはドルにかわる基軸通貨を誕生させることで、覇権をと
りもどそう。
1999年ユーロ誕生。
しかし、アメリカはITバブルの真っ最中で、それほど危機感をいだ
きませんでした。
2000年、フランスにそそのかされたイラクのフセインが原油の決済
通貨とドルからユーロにかえる。
これにはアメリカ、びっくり仰天。
2001年、9.11とアフガン戦争。
2002年、ユーロ現金流通開始。
2003年、イラク戦争。
アメリカは、イラクの原油決済通貨をユーロからドルに戻す。
↓
「イラクの旧フセイン政権は００年１１月に石油取引をドルからユー
ロに転換した。
国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。
米国は０３年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経過がある。」
（毎日新聞） -06年 4月17日」
これでアメリカ一安心。
アメリカの戦略は
1、ドル基軸通貨体制を守ること
2、世界中の石油・ガスを支配すること
（アメリカの石油はあと10年で枯渇しはじめる。具体的には中東・カ
スピ・ロシアの資源を支配する）
3、中国を民主化し、ドル圏にとどめる
イラクオペと並行して、アメリカはロシア石油ゲットオペをしていまし
た。
具体的にはエクソンモービルとシェブロンテキサコが、ロシアの石油
最大手（当時）ユコスの買収交渉を進めていた。
しかし、プーチンさんはユコスのホドロコフスキー社長（当時）を横領・
脱税などの容疑で逮捕させてしまい、
「ロシアの資源はアメリカに渡さないぜ！」
という決意を示しました。
怒ったアメリカ。
ロシアの旧植民地である旧ソ連諸国で次々と革命を起こし、親米反
ロ傀儡政権を樹立していきます。
03年末、グルジア・バラ革命
04年末、ウクライナ・オレンジ革命
05年3月、キルギス・チューリップ革命
まあ、昔からのRPE読者さんで、これを「トンデモ系？」と思う人はい
ないと思いますが。
新規購読者さんで、そう思った人がいれば、
「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日-一極主義vｓ多極主義」
（草思社）（→ http://tinyurl.com/yro8r7 ）
をご一読ください。
なんといっても、革命で失脚した大統領たちが日本の新聞に「あれ
はアメリカがやったんだ」と語っている。
そのほかにも、うざったいほど証拠を提示しています。
ロシア封じ込めに動くアメリカ。
激怒したプーチンさんは、仮想敵NO２の中国と組むことを決意しま
す。
アメリカの大失敗は、中東とロシアを同時に攻めちゃったことでしょ
う。
レーガンさんは賢かったので、サウジと組んで原油価格を下げさ
せ、ソ連を崩壊にもっていった。
ブッシュとネオコンはアホなので、中東・ロシアを同時攻撃して、ア
メリカ自身を滅ぼす結果になる。
05年は、中ロが一体化した年。
私はこれを「（悪の？）薩長同盟」と呼んでいます。
まあ彼らは善の薩長同盟というでしょうが。
両国は、はじめて合同軍事演習を実施。
そして、中ロが主導する上海協力機構（ＳＣＯ）は05年7月、「アメリ
カ軍は中央アジアから出ていけ！」と要求。（アスタナ宣言）
さらに、インド・パキスタン・イラン（！！！）を準加盟国とします。
06年。
アメリカは、「ユーロで石油を売る」ことを宣言しているイランを攻撃
したい。
しかし、イラク戦争時のインチキが暴露されたこと、多極主義陣営
の攻勢にあい、なかなか世論つくりがうまくいきません。
イスラエルは、イラン・シリアに支援されているレバノン・ヒズボラを
攻撃し、イランを誘います。
しかし、常勝イスラエル軍は、ヒズボラに敗北してしまった。（涙）
びっくりしたアメリカは国連を動かし停戦させます。
その後、イスラエルでは大統領のセクハラ（10人セクハラ！）や首相
側近の汚職が次々と暴露され、政界が大混乱。（敗戦責任追及）
ドル体制の崩壊。
実際に起こると、アメリカは普通の赤字大国になり、ドルは暴落、
国内はハイパーインフレ。
この窮地をどのように超えていくか？
ここまでが06年。
私は一年前「07年問題」というメルマガを出しました。
その中で、「07年の最重要問題はイラクと北朝鮮ではない」と書いた。
当時、「ブッシュの共和党はイラク問題で中間選挙に負けたのだから
イラクが最重要問題だ！」
「核兵器を持った北朝鮮が最大の問題だ！」
といわれました。
ところが、実際イラク問題では動きなし。（撤退するどころか増派した）
アメリカは北朝鮮と和解に進みます。
で、私は「07年の最重要問題はイランとロシアだ！」と書いたです。
1年過ぎて、「そのとおりになりましたね」というメールが洪水のように
届いています。
↓本文後半へ
=================================================================
●日本自立への道筋
衰退するアメリカ、勃興する中国。
両国の間で漂流する、アメリカ幕府の天領 日本。
「日本はどうすればいいんだ！？？」
RPE北野幸伯が、日本の行くべき道を提示します。
CKOPO
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▼イラン問題の現状
アメリカはイラン攻撃の可能性について「イランが核兵器開発してい
るからだ」としています。
これはもちろん大ウソで、アメリカ自身が認めちゃった。
（詳しくは後述）
真の理由はもちろん、イランがドル体制に反逆していることです。
イランは、00年から「ユーロ建て石油取引所開設」を目指していた。
↓
「＜イラン＞石油取引所を開設 ユーロ建てで米国に挑戦か
【テヘラン春日孝之】石油大国のイランが石油取引所の国内開設を
目指している。
取引の通貨がユーロになるとの情報が流れ、オイルダラーに依存
する米国の「ドル支配体制」への挑戦ではないかと観測を呼んで
いる。」（毎日新聞06年4月17日）
「イランは第３次開発計画（００〜０５年）の中で取引所開設構想を
打ち出した。
（中略）
ニューヨークとロンドンの世界の２大石油取引所はドル建てだ。
イランにユーロ建ての指標ができ、原油高でカネ余りのペルシャ湾
岸産油国や投資家が活用して「ドル離れ」が進めばドルは下落する。
関係者の間では、「オイルユーロ」への移行はドル暴落を招き、世
界経済の覇権を握る米国の地位の弱体化につながるとの指摘が
出ている。」（同上）
というわけで、ブッシュはイラクを攻略してもイランが健在なうちは
枕を高くして眠れないのです。
そんなわけで、アメリカはイランを空爆したい。
危機が高まったのは06年末から07年はじめでした。
↓
「ペルシャ湾 米空母増派 国連制裁にらみイランに圧力 英も掃
海艇派遣へ
06年12月23日8時0分配信 産経新聞
【ワシントン＝山本秀也】米国防総省は、イランの核開発問題をめぐ
る国連安全保障理事会の制裁決議案が採択の見通しとなったことで、
ペルシャ湾への空母戦闘群の増派方針を固めた。」
その理由についてブッシュは
↓
「 イランが核兵器開発を進める限り平和な世界は実現しない＝米大
統領
07年1月5日10時7分配信 ロイター
［ワシントン ４日 ロイター］ ブッシュ米大統領は４日、ホワイトハウ
スでのメルケル独首相との会談後、ドイツが国連安全保障理事会
の対イラン制裁を支持したことを賞賛するとともに、イランが核兵器開
発を進める限り平和な世界は実現しないとの見解を示した。」
さらに、アメリカはイランを挑発します。
「イラク 米軍がイラン領事館急襲、職員５人を拘束
07年1月12日17時16分配信 毎日新聞
【カイロ高橋宗男】イラク国営テレビによると、イラク駐留米軍は１１日
早朝、イラク北部のクルド人地域アルビルでイラン領事館を急襲、
館内にいた複数のイラン人を拘束した。」
これどうですか？↑
戦争を仕掛けてるとしかいいようがないですね。
ところがイランは、この挑発に乗りませんでした。
おそらく、中国・ロシアがアフマディネジャドさんに「挑発に乗るなよ、
フセインのようになるから」とアドバイスしたのでしょう。
結局アメリカは07年、イランを攻撃する口実が見つけられませんでし
た。
それで、年末に何が起こったか。
↓
「＜イラン核＞米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正
07年12月4日11時34分配信 毎日新聞
【ワシントン笠原敏彦】マコネル米国家情報長官は３日、イラン核開
発に関する最新の 機密報告書「国家情報評価」（ＮＩＥ）の一部を公
表し、イランが０３年秋に核兵器開発計画を停止させた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
との分析結果を明らかにした。」
イランはこれまで一度も「核兵器をつくっている」とはいっていない。
核開発は「原発用だ」と主張していたのです。
↓
「イランは一貫して核兵器計画の存在を否定。
国連安保理決議が停止を求めるウラン濃縮活動については「平和目
的」と主張し、停止要求の受け入れを拒否している。」（同上）
ところで、この報告書はどのくらい権威があるのでしょうか？
↓
「国家情報評価は、中央情報局（ＣＩＡ）など１６の米情報機関のコンセ
ンサスと呼べるもので、
最も権威のある米情報報告書。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
イランの核開発能力の評価が変わったため一部公表に踏み切ったと
いう。」（同上）
この報告書がブッシュさんの意図に反して出されたことは、明白です。
ブッシュはこの後、寝言のような声明を出しています。
↓
「対イラン圧力を継続＝軍事的選択肢も排除せず−米大統領
12月5日1時0分配信 時事通信
【ワシントン4日時事】ブッシュ米大統領は4日午前（日本時間5日未
明）、ホワイトハウスで記者会見し、「イランが核兵器を開発すれば、
世界に危険をつくり出す」と述べ、 同国のウラン濃縮を停止させるた
め国際社会が圧力を掛け続ける必要があると強調した。」
↑
あなたは報告書読んだのですか？といいたくなりますね。
これで気をよくしたイラン、堂々と「もう石油はドルで売らない宣言」を
出します。
↓
「イラン、原油のドル建て決済を中止＝通信社
07年12月10日9時31分配信 ロイター
［テヘラン ８日 ロイター］ イラン学生通信（ＩＳＮＡ）は８日、ノ
ザリ石油相の話として、同国が
原油のドル建て決済を完全に中止した、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と伝えた。」
ここまでが07年。
さて08年はどうなるのか？
アメリカの「イラン核兵器開発停止報告」をもって、「イラン攻撃はなく
なった」と大部分の人が思っているでしょう。
私はそうは思いません。
なぜか？
アメリカ大統領が「イランを絶対攻撃しません！」と宣言する。
すると、他の産油国が、「ああ、ドル以外の通貨で売っても攻撃され
ないのね〜」ということで、連鎖反応が起こりドル離れが加速する。
ドルは大暴落し、アメリカは急速に没落していくことでしょう。
それで私は常々
「イラン問題はアメリカの天王山」
「アメリカがイラン攻撃を止めるのは、世界史的『大政奉還』」
といっています。
アメリカはボロボロですが、大政奉還する心の準備はととのってい
ないでしょう。
しかし、ブッシュの意思と「イラン核兵器開発停止報告」をした情報
機関の意思が違うことからも明らかなように、アメリカ上層部の内
部分裂は深化しています。
今年は、さらに対立が先鋭化していくでしょう。
対立の構造はどうなっているのか？
ブッシュの支持基盤といえば？
・石油業界（原油高騰で大もうけ）
・軍産複合体（アフガン・イラク戦争で大もうけ）
・キリスト教右派（異教徒イスラムがぶちのめされ満足）
・イスラエル（宿敵イスラムがぶちのめされ満足）
彼らは、イランをぶちのめせば、
・ドル体制を守ることができる
・イランの石油・ガスをゲットできる（石油業界）
・石油が高騰して儲かる（石油業界）
・軍事産業が潤う（軍産複合体）
・宿敵中東イスラムをぶちのめせる（イスラエル）
・異教徒イスラムをぶちのめせる（キリスト教右派）
などと考えている。
一方、イラン攻撃に反対の勢力は、
・軍・国防総省幹部→アフガン・イラク・イランでの同時戦争は超
非現実的と怒っている
・情報機関・諜報機関幹部→ブッシュの非現実的政策がアメリ
カをつぶすと怒っている
・中国に買収されている議員・政治家→中国は、イラン攻撃を食
い止めれば、棚ボタ式に覇権が転がり込むと思っている
・アイソレーショニズムやリアリズムを支持する大学・シンクタン
クの学者
これらの対立は外から見えないですが、どうすれば戦いの帰
結を知ることができるのでしょうか？
そう、アメリカがイランを攻めるかどうか？
これでわかります。
とういわけで、アメリカの天王山は今年もまだつづいていくので
す。
08年問題については、ロシア問題とアメリカ経済問題がありま
すが、長くなったのでまた次回！
（つづく）
ＰＳ
今回の話、濃すぎてよくわからなかった人。
下の情報をゲットしてください。
全部わかるようになります。
↓
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●え”〜中ロ同盟が米幕府を滅ぼす？？？
仮想敵同士だった中国とロシア。
アメリカの執拗ないじめとカラー革命に激怒したプーチンは、ついに東の
ジャイアントパンダ（中共）と提携することを決意します。
日本人が知らないうちに（悪の？）薩長同盟は成立し、米幕府体制は崩
壊にむかいます。
素人目にもアメリカの覇権後退が明らかになってきました。
その真因を、中学生でもわかるように解説する（豊富な資料つき）
★ロシア政治経済ジャーナル 北野幸伯の新刊！
★★オンライン書店ビーケーワン社会・政治・時事部門1位！
★★★朝日新聞07年11月18日付は
「北野幸伯著『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』は、タイトルほどの極
端さはさておき、アメリカの一極支配に対抗しようとしているプーチン政治を、わ
かりやすく見通す。
アメリカが影響力を及ぼしたとされる周辺国の政変に対策をとり、外貨準備か
らドルの割合を減らし、石油をルーブルやユーロで売る──ロシアの揺さぶり策
から、アメリカの世界戦略に改めて気づくことができる本だ」と絶賛。
「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日-一極主義vｓ多極主義」（草思社）
（詳細は→ http://tinyurl.com/yro8r7 ）
ＰＳ2 「あとがき」からお読みください。
★↓「ヒトラーの人生をいっぺんさせた秘密の書とは？」
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【RPE】2008年問題１（イランは今年も天王山）
↓
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