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内務省が頭蓋骨骨折の死因を「撤回」 ブット元首相暗殺
イスラマバード(CNN) パキスタンのブット元首相暗殺事件で、同国内務省のチーマ報道官は1日、死因は自爆テロの爆風で乗っていた車両のサンルーフのレバーに頭部を強く打ち付けたための頭蓋骨骨折としていた立場を修正し、最終的な判断は鑑識捜査の結果を待って下したいと述べた。
同報道官は事件から1日後の28日の会見で、死因は頭蓋骨の骨折と説明。しかし、内務省は当初、テロ実行犯の銃撃が死因としたが、その後、自爆攻撃の破片と訂正した経緯もある。
チーマ報道官は死因を頭蓋骨骨折とした根拠について、初期の捜査結果と死亡と宣言したラワルピンディ総合病院の医師の所見を挙げた。得られた事実を述べただけとも主張した。だが、同病院の弁護士はこの医師の所見に該当するような見解を政府に伝えていないと反論した。
元首相の死因については政治的な思惑も絡み、政府側とブット氏率いていた野党、パキスタン人民党議会派の主張が事件後から対立している。
事件発生直後に元首相の遺体をふき清めた側近は29日、頭部に銃弾痕があったと証言。この女性側近は事件時、襲われた車では元首相の背後にいた。出血する元首相を病院に搬送し、遺体をふいた時、銃弾痕が明らかに見てとれたと説明している。
ブット氏は銃弾を受けていないとする内務省の主張を、警備問題などで暗殺事件の責任を免れようとするまやかしの言動と糾弾していた。また、ラワルピンディ総合病院の弁護士は31日、地元警察が医師による死因解明の検視解剖を阻止したとの事実も明らかにしている。
これに対し地元警察の署長は検視を勧めたが、元首相の夫のザルダリ氏が反対したため実施されなかったと反論していた。
31日には事件発生の模様をとらえた新たなビデオ映像も判明、元首相の死因は銃撃だったことを「裏付ける」場面が含まれていた。