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書籍【エコノミック・ヒットマン】の発行が意味し暴露するもの
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投稿者 梵天 日時 2007 年 12 月 29 日 22:37:48: 5Wg35UoGiwUNk
 

書籍【エコノミック・ヒットマン】の発行が意味し暴露するもの

 かねてから噂されていた経済分野の工作員(エージェント)の実態について暴露した米国のベストセラー本【エコノミック・ヒットマン】の日本語版が刊行された。

 出版社はなんと株式投資の情報誌や経済紙「東洋経済」、ベストセラー「会社四季報」を四半期毎に発行する経済分野の大手の「東洋経済新報社」であるという。

 経済分野で独自の調査・出版をおこない100年以上もの歴史を持つあの東洋経済である。
 HPでも「日本経済の発展や挫折のなかで、時流におもねることなく、自由主義、民主主義、平和主義(国際協調主義)の旗を掲げ通した・・・・・・・」とか「日本経済の発展に貢献・・・」という この出版社が(戦前、戦中にこの会社が果たした役目はさておき)仮にも経済界に大きな影響を持つこの会社がこのような本を出版することの意味は小さくはないと思われる。

 この本はアメリカで2004年に刊行されベストセラーになったのに、日本では全く無視されて来た理由はこの本の内容が現在の日本の状況に直結しているためであろうか・・・・・

 ネットにおいては、アメリカが各国に呼びかけてきた「改革」は結局は国富のアメリカへの移転(あるいは収奪)を目標としており、現代のアメリカは援助、開発や新自由主義のようなインチキ経済学を用いて合法的に富を収奪しているのではないかと言う疑念が持たれている。

 途上国に対し工作を行うエージェントが存在する。ならばニポンに対してはどうなのか?
 常識的に考えれば、無いとは考えられない。
 その意味ではこれは現代日本の進行形の物語に対する警告かもしれない。
 日本の産業界、経済界の内幕を良く知る東洋経済新報社がこのような本を出版する事の意味は決して小さくない。

 この本において語られるエコノミック・ヒットマンの役割は途上国を借金まみれにして米国の言う事を聞かざるを得なくする事である。
 中には借金が焦げ付いたらどうするのかと言う人もいるだろう。所詮陰謀論に過ぎないと言うかもしれない。

 借金まみれになり通貨が暴落したら「安い労働力」を使って今度は低賃金でこき使う事ができる。現地に工場を作り雇用を生み出し失業問題を解決した事にすれば、感謝さえされる。

 工場を作るのは結局はアメリカの企業であり、国際独占企業である。低賃金でこき使われた結果、もたらされるその利潤は結局は国際金融資本等の大ブルジョワジーの懐に入る事となる。結果的にこうなっている例が如何に多いか・・・・・・・・


 本分の中から一部を紹介する。
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 序文から

 エコノミック・ヒットマン(EHM)とは、世界中の国々を騙して膨大な金をかすめとる、きわめて高収入の職業だ。彼らは世界銀行や米国国際開発庁(USAID)など国際「援助」組織の資金を、巨大企業の金庫や、天然資源の利権を牛耳っている裕福な一族の懐へと注ぎ込む。
 その道具に使われるのは、不正な財務収支報告書や、選挙の裏工作、賄賂、脅し、女、そして殺人だ。彼らは帝国の成立とともに古代から暗躍していたが、グローバル化が進む現代ではその存在は質量ともに驚くべき次元に達している。
 かつて私は、そうしたEHMのひとりだった。

 1982年、私は当時執筆していた「エコノミック・ヒットマンの良心」と題した本の冒頭にそう書いた。その本はエクアドルの大統領だったハイメ・ロルドスとパナマの指導者だったオマール・トリホスに捧げるつもりだった。コンサルティング会社のエコノミストだった私は、顧客である二人を尊敬したいたし、同じ精神を持つ人間だと感じてもいた。二人は1981年にあいついで飛行機の墜落で死亡した。彼等の死は事故ではない。世界帝国建設を目標とする大企業や、政府、金融機関上層部と手を組む事を拒んだがために暗殺されたのだ。私たちEHMがロルドスやトリホスのとりこみに失敗したために、つねに背後控えている別種のヒットマン、つまりCIA御用達のジャッカルたちが介入したのだ。・・・・・・・

・・・・・私の仕事は「世界各国の指導者たちを、アメリカの商業利益を促進する巨大なネットワークにとりこむこと」。
 それによって「最終的には、そうした指導者たちは負債という罠に絡めとられて忠誠を約束せざるをえなくなる。そうしておけば、必要なときにいつでも彼らを利用できる−政治的、経済的、あるいは軍事的な必要を満たすために。それとひきかえに彼らは、工業団地や発電所や空港を国民に提供することで、元首としての地盤を固められる。そして、アメリカのエンジニアリング会社や建設会社は莫大な利益を得られる」と。

 現在私たちは、ひのシステムが暴走した結果を目の当たりにしている。アメリカの立派な大企業はアジア各地の低賃金長時間労働の搾取工場で人々を奴隷のように酷使している。

 石油会社は理不尽にも熱帯雨林の河川に有毒物質を垂れ流して人間や動植物を死に至らしめ、古代からつづいてきた先住民の文化を破壊している。

 製薬会社はHIVウィルスに感染したアフリカの数百万人もの人々に生命をつなぐ薬剤を与えようとしない。さらにはわがアメリカ国内でも200万世帯もの人々がつぎの食事を心配する生活を送っている。・・・・・・・

・・・・・根元的問題は一部の集団にあるのではなく、あたかも絶対的真実のように受け入れられている認識にある。つまりすべての経済的成長は人間にとって利益であり、成長が大きければ大きいほど利益は拡大するという考え方である。

 そう信じるかぎり、経済成長の焚き火をたくのがうまい人々が賞賛されたり報酬を獲得したりする一方で、主流からはずれた場所に生まれた人々は「搾取」されるために存在するという、必然的な結果がもたらされる。

 いうまでなく、この考え方は誤りだ。ご承知のように、多くの国々で経済成長はほんの一部の人々だけに恩恵をもたらし、残りの大多数の人々はますます絶望的な状況に置かれる結果になっているといえよう。

 しかもそれは、システムを牛耳る産業界の大物は特権を享受するべきであるという必然的な確信によって強化されており、その確信は現代の私たちが抱えている多くの問題の根本原因であり、しかも恐らくは陰謀説が広く人口に膾炙している理由だろう。・・・・・・・・・・・

・・・・・・世界帝国建設を推進する動きのなかで、企業や銀行や政府(これらの集合体を「コーポレートクラシー」と呼ぶ)は経済的・政治的な力を利用して、教育や産業界やメディアがこの誤った認識と必然的結果の両方を支持するよう努める。その結果として、現代人の文化は際限なくどん欲に燃料を消費する巨大機械と化したかのごとき状態にまで陥ってしまい、行く先はいえば、目につくものはすべて消費して、最後には自分自身を呑み込むしかなくなってしまうだろう。・・・・

・・・・・コーポレートクラシーは陰謀団ではないが、そのメンバーたちは共通の価値観と目標を持っている。・・・・・

・・・・・かつての私のように、EHMは法外な給料を与えられて、システムの思いのままに操られている。EHMが失敗すれば、さらに邪悪なヒットマンであるジャッカルの出番となる。そして、ジャッカルも失敗すれば、軍隊が出動する。

・・・・・現在ではそのころの私と同じような仕事をしている人間はもっとたくさんいる。もっと婉曲的な肩書きで、モンサントやゼネラル・エレクトリック(GE)、ナイキ、ゼネラル・モーターズ、ウォルマートなどをはじめ、世界中のほとんどの大企業の廊下を闊歩している。実に現実的な意味で、『エコノミツク・ヒットマン』は私の話であると同時に彼等の話でもある。・・・・

書籍 エコノミック・ヒットマン (途上国を食い物にするアメリカ) ジョン・パーキンス 東洋経済新報社 12月27日発行
 
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(コメント)
 ネットにおいてはユダヤ(イスラエル)陰謀論、ロックフェラー黒幕説等が流れてており、こられの独占ブルジョワの内にそれらの民族的・宗教的特質を持つ人々がいる事は否定しがたいと思われるが、全てをユダヤ・イスラエルとするような考え方は本質的な問題を見えにくくし、結局は彼ら独占資本家一族の隠れ蓑に利用される結果となるように思われる。

 どのような人間や民族、集団でも「資本」や「企業」の持つ「利己至上主義」、「利潤至上主義」の魔力から逃れる事が難しい事を忘れているように感じられるが・・・・・。

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