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パキスタン元首相暗殺 核保有国の激震、増幅する不安(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/07/war99/msg/393.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2007 年 12 月 29 日 18:58:34: twUjz/PjYItws
 

(回答先: パキスタンの核管理に懸念=過激派の手に落ちる恐れも−米専門家 = 時事通信 投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 12 月 29 日 17:58:56)

http://mainichi.jp/select/world/news/20071229ddm003030024000c.html

「核を持ったイスラム国家」パキスタンが激震に見舞われた。27日起きたブット元首相暗殺事件。現時点では犯人や事件の背景は不明だが、ムシャラフ大統領に次ぐ影響力を持つ元首相の暗殺は、同国の政情の不安定さを改めて浮き彫りにした。同時に、イスラム国家として世界で唯一、同国が保有する核兵器が、過激派やテロリストの手に渡るという、米国などにとっての「悪夢のシナリオ」への懸念が高まっている。

 ◇国際機関、実態つかめず/大統領、体制維持の具に/流出・不正使用の可能性

 米統合参謀本部のハム作戦部長は11月3日のムシャラフ大統領による非常事態宣言の直後、パキスタンの核兵器の安全性について「主要な懸念だ」と発言した。インドに対抗する形で98年5月に核実験を行い、世界で7番目の核保有国となったパキスタンだが、核拡散防止条約(NPT)に加盟せず、立ち入り調査にも応じない。国際機関や米国はその実態をつかめずにいる。

 核兵器にはプルトニウム型とウラン型の2種類がある。米国の民間財団・核脅威削減評議会(NTI)は、パキスタンは核爆弾30〜50個分にあたる高濃縮ウランを貯蔵しているとみる。別の研究所はウラン濃縮設備は4カ所あると指摘する。

 一方、プルトニウム再処理施設は少なくとも3カ所あるとみられる。今年6月以降、新たな重水炉やプルトニウム再処理施設の建設も確認され、米シンクタンクの科学国際安全保障研究所(ISIS)は「パキスタンは核開発を加速している」と警告している。

 米軍はパキスタンの緊急事態に備え、核兵器の安全を確保する介入作戦計画を持つとされるが、正確な保管先などの情報抜きでは作戦立案は困難だ。

 ムシャラフ大統領はベールに覆われた核兵器をしたたかに自身の体制維持に利用する。11月の非常事態宣言後には、記者会見で「公正・公平な選挙を実施したら、イスラム過激派が議席を獲得し核がその手に落ちるかもしれない」と、同宣言の正当さを強調した。

 パキスタンでは04年、「核兵器の父」と呼ばれるカーン博士による核兵器開発技術のリビア、イラン、北朝鮮への漏えいが表面化。軍や政府の関与も疑われたが、政府は博士の個人的犯行として幕引きを図り、米当局者による博士への直接尋問も認めなかった。パキスタン政府の核統制管理局当局者は毎日新聞に「偶発的発射も不正使用も、過激派が核を支配下に置く可能性も極めて低い」と話すが、核兵器の不正使用や兵器、開発技術の流出への国際社会の懸念は消えない。

 対テロ戦争での協力を最優先する米国がムシャラフ政権に核管理強化を強く求められない中、ブット氏暗殺でパキスタンの治安状況に赤信号がともったことで、同国の核に関する不安はますます高まっている。【ワシントン笠原敏彦、ニューデリー栗田慎一、矢野純一】

 ◇対テロ、米にジレンマ−−イスラム武装勢力掃討要請…過激派ら反発

 パキスタンの不安定化を恐れる米国にとって、ブット氏の暗殺は「ムシャラフ大統領暗殺」に次ぐ最悪のシナリオだ。だが、01年の米同時多発テロ後に始まった対テロ戦争の中で米国がムシャラフ政権に求めた「イスラム武装勢力の掃討」が、パキスタンの治安を悪化させ、テロを激化させてきた現実がある。

 米国がムシャラフ政権に求めたのは、アフガニスタンとの国境付近に広がる部族地域での掃討作戦の強化だ。米国とアフガン政府は、この地域が国際テロ組織アルカイダや旧支配勢力タリバンの「温床」になっているとして掃討強化を求め、パキスタン軍は制圧作戦に乗り出した。

 これに対し、アルカイダは強く反発。03年12月にはムシャラフ大統領を狙った爆破テロが2件相次ぎ、大統領は九死に一生を得た。04年には「裏切り者ムシャラフを倒せ」とのメッセージがパキスタン国民向けに発信され、大統領はイスラム過激派にとって最大の標的となった。

 軍や政府施設を狙った自爆テロが急増し、今年7月にイスラマバードで起きたモスクろう城事件も部族地域出身者の関与が指摘されている。

 ブット氏も過激派や武装勢力に対しては厳しい姿勢を強調してきた。警備が厳重を極め、集会にほとんど出席することがないムシャラフ大統領を狙うことが難しいため、警備が比較的緩いブット氏が大統領に代わる標的に選ばれた可能性もある。

 ただ、パキスタンをはじめとした南アジアでは、多くの指導者が処刑や暗殺、不可解な事故などで死亡してきた「暴力による政治の清算」とも呼べる過去がある。インドではインディラ・ガンジー、ラジブ・ガンジー両氏の暗殺。パキスタンでもブット氏の父アリ・ブット元首相が79年にクーデターで絞首刑となり、クーデターを実行したハク大統領は88年、原因不明の航空機事故で死亡した。

 ブット氏の暗殺も、イスラム過激派とは別の政治的な動機に基づく可能性が否定できない。【西尾英之】

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 ◇パキスタンをめぐる動き◇

70年代   オランダから帰国したカーン博士を中心に核開発に着手

71年    第3次印パ戦争で敗北。アリ・ブット氏が大統領就任

73年    アリ・ブット氏首相就任

77年    ハク参謀長によるクーデター

79年    アリ・ブット氏処刑される

88年    ハク大統領航空機事故で死亡。総選挙で人民党が勝利しベナジル・ブット氏首相就任

98年 5月 初の核実験を行い核兵器保有を宣言

99年    ブット氏汚職で有罪判決を受け事実上の国外亡命。クーデターでムシャラフ参謀長が実権掌握

01年 6月 ムシャラフ氏大統領に就任

    9月 米国同時多発テロ

02年    パキスタン軍、部族地域での掃討作戦を開始

    4月 国民投票で大統領の5年続投が承認される

04年 2月 カーン博士の核技術拡散疑惑が表面化。博士は自宅軟禁に

07年 3月 最高裁長官の職務停止をめぐり反ムシャラフデモが激化

    7月 イスラマバードでモスクろう城事件

   10月 大統領選でムシャラフ氏再選。ブット氏8年半ぶりに帰国。直後に同氏を狙った自爆テロで約140人が死亡

   11月 大統領が非常事態を宣言

   12月 ブット氏暗殺

毎日新聞 2007年12月29日 東京朝刊


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