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http://www.amakiblog.com/archives/2007/12/21/#000634
2007年12月21日
流浪の民にさせられようとしているパレスチナ人
このブログに限っては公開情報を読み解くものではない。私のブログには珍しく、生の情報に基づいて書いている。
21日、私は訪日中のレバノンの友人と食事をしながら話した。話題はもっぱら最近のレバノン情勢についてである。その中で友人は最新情報を提供してくれた。想像はしていたがここまで米国の中東政策が進んでいるとは思わなかった。彼が語ったあらましはおおよそ次のごとくである。
米国はレバノンを完全に支配下に置こうとしている。その支配を旧宗主国のフランスを代理人として行おうとしている。フランスはレバノンのかつての宗主国だ。その形を保ちながら、実際は米国の意のままにレバノンを動かそうとしている。イラク攻撃の時米国に楯突いたシラク大統領はもはやいない。その寵児であったドビルパン外相はスキャンダルで失脚させられた。かわってユダヤ人でありイスラエル情報機関に属していた経歴のあるサルコジを大統領選挙で勝たせ、そのサルコジがレバノンの米国代理統治者の形をつくった。
もはやブッシュ政権の残された唯一の関心事はイスラム原理主義の武装抵抗組織、アルカイダをイラクから排除し、イラクの治安を回復することだ。
その為にシリア、イランと取引を始めた。見せかけのパレスチナ和平実現のため、彼らの理解と協力を得ようとしている。
パレスチナ問題はパレスチナ人のイスラエルからの追放という形で解決しようとし始めた。大方のパレスチナ人は平和な生活を望んでいる。そのようなパレスチナ人を米国はどんどんと国外に移住させようとし始めた。周辺諸国や欧州諸国に受け入れろと命じている。もちろん米国へも移住させる。かつてパレスチナ人に対しては厳しかった入国査証が今では一変して緩和された。
移住に抵抗し、最後まで闘うと宣言するハマスの強硬派を徹底的に抹殺し、親米パレスチナ人の傀儡国家を樹立し、イスラエルとの共存を図る。それが中東和平の実現である。実質的なイスラエル国家の樹立である。
レバノンのに対しては、隔離していたパレスチナ難民をレバノン国民として受け入れろと強烈な圧力をかけ始めた(註レバノンはアラブの中では唯一キリスト教が優勢な国で内戦の原因となったパレスチナ人は難民キャンプに隔離してレバノン国籍を与えない政策をとっている)。
レバノンにデンマーク大使館が2ヶ月前に開設された。先日着任したばかりのデンマーク大使と話したが、新大使は自分の仕事はもっぱらレバノンのパレスチナ難民をデンマークに受け入れる事だと言っていた。レバノンに存在する40万人のパレスチナ難民のうち2万5千人の難民をデンマークは受け入れる事にした。
米国とイランの間にどのような取引が為されたかはわからないがイランの指揮下にあるレバノンの反米武装抵抗組織ヒズボラは最近めだって大人しくなった・・・
果たして米国の思惑通り事が運ぶのであろうか。もしそうだとしたらパレスチナ人はかつてのユダヤ人のごとくディアスポラ(国なき流浪の民)となるということだ。2000年もの間ディアスポラであったユダヤ人が、今パレスチナ人を追放し、自らの国を手に入れようとしている。歴史の残酷な皮肉である。