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アメリカの衰退が、予想以上のスピードで進んでいる。プーチンは「米ロ新冷戦でロシアは勝利した」と確信を持っている。
http://www.asyura2.com/07/war99/msg/114.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 12 月 12 日 14:28:27: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu157.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ここ半年くらいで、アメリカの衰退が、予想以上のスピードで進んでいる。
プーチンは「米ロ新冷戦でロシアは勝利した」と確信を持っている。

2007年12月12日 水曜日

◆プーチン院政への布石3〜新大統領の名は 12月11日 ロシア政治経済ジャーナル
http://blog.mag2.com/m/log/0000012950/

全世界のRPE読者の皆様こんにちは!いつもありがとうございます。北野です。プーチンさんがついに、「後継者」を指名しました。

その名は、、、ドミトリー・メドベージェフさんです。これだけいっても日本の皆さんには、なんのこっちゃわかりませんね。ぼちぼちお話していきましょう。

▼メドベージェフって誰?

基本的なお話からしていきます。いったいメドベージェフさんて誰なのでしょうか?現在42歳(!)、結構イケメンです。

プーチンと同じレニングラード大学(法学部)を卒業。彼がプーチンと知り合ったのはなんと17年前。当時プーチンは、サンクト・ペテルブルグ市対外関係委員会の議長でした。

メドベージェフは、この委員会の法律顧問になります。プーチンは当時25歳だった彼を信頼し、しばしば相談していたのだとか。完全実力主義ですな、ロシアは。

1993年〜99年まで、メドベージェフは、イリムパルプ・エンタープライズという林業の会社で働いていました。ところが1999年末、プーチンにより大統領府副長官に大抜擢されます。

2003年10月、エリツィン時代から大統領府長官を務めたヴォロシンが辞任。メドベージェフは、後を引き継ぎ長官になります。さらに05年11月、第1副首相に。

以後、ナツィオナリニー・プロエクト(国家プロジェクト)の、医療・教育・住宅など社会分野を主に担当。着実に実績をあげていきました。

ちなみに世界最大のガス会社「ガスプロム」の会長も兼任していて、ビジネスにも詳しいのです。

▼強すぎたセルゲイ・イワノフ

ここから少し専門的な話になりますが、ロシアではセルゲイ・イワノフ第1副首相が、次期大統領の最有力候補と思われていました。私もそう思っていました。

プーチンとイワノフさんが知り合ったのは、なんと32年前。二人は1976年当時、KGBのレニングラード・レニングラード州支部で共に働いていたのです。

イワノフは、プーチンと同じで骨の髄までスパイ。プーチンと同じレニングラード大学の言語学部を卒業。その後、ミンスクKGB高等養成所(1977年)・KGB第1本部101養成所(1982年)を卒業しました。その後は、ずっと諜報員。

1998年、プーチンがFSB(旧KGB)の長官に就任。親友のイワノフを副長官に任命します。イワノフは2001年から国防相を務め、現在第1副首相。

プーチンは一時期イワノフを連れまわし、一緒にバレーやったりボーリングをやったりする様子をテレビで見せていました。明らかに、後継者の最有力候補だったのです。しかし、最終的にメドベージェフを選んだのは、怖くなったのでしょう。(^▽^)

イワノフの経歴を見ると、プーチンと双子のような道を歩んでいます。要するにKGBがバックにいる。そして、長い間国防相を務めたため、軍も彼を支持している。

プーチンも相当賢いですが、イワノフの頭脳はそれ以上といわれています。もしイワノフが大統領になれば、KGBと軍、その他大勢がドッと彼のほうに流れ、「院政」にならないのではないか?こんな疑念をプーチンは持ったに違いありません。

これは、プーチンが30年来の親友イワノフを信頼していないということではありません。地位ができると、周りの人がヤンヤヤンヤと騒ぎ出して、身動き取れなくなってくる。

皇帝になった劉邦は、漢建国最大の功労者・韓信をなんとか助けたかった。しかし悪妻と取り巻きが騒いで、殺さざるを得ない立場におかれました。

イワノフが大統領になれば、KGB軍団と軍が「いつまでヴァローダャのいうこと聞いてるんだい?俺らが手伝うから、あいつ捕まえちゃおうよ!」なんてことになりかねない。前々から書いていますが、ワイルド・ロシアに院政の伝統はないのです。

ニコライ2世はレーニンに殺された。

レーニンはスターリンに強制隠居させられた。

フルシチョフはスターリンを完全否定した。

フルシチョフは政権内クーデターで失脚。

15共和国ソ連を統治するゴルバチョフは、その1共和国(ロシア)の長エリツィンに反逆され失脚。

エリツィンはプーチンを後継者に指名するも、プーチンさんは一年目から裏切る。ドロドロですよね〜。

▼メドベージェフは?

こういう観点から見ると、メドベージェフはどうなのでしょうか?彼は、プーチンとのつながりで出世してきた。つまり、後ろにKGBも軍もいないのです。

KGBの力は、1985年ゴルバチョフがペレストロイカをはじめた頃から衰えていきました。この時、メドベージェフ20歳。

さらに、エリツィンが天下を取った1991年以降、決定的に衰退します。この時、メドベージェフ26歳。こう見ると、彼はKGB道を極めたプーチンやイワノフとは全然世代が違う。

今までの経歴を見ると、大変優秀な人ではありますが、プーチンに反逆できる基盤はないのです。

▼「冷戦型」ではなく「内政型」の男を選んだ理由

私が「次はイワノフだろう」と思っていた決定的な理由は、「米ロ新冷戦」がつづいているからでした。だって、ゲーツさんはCIAの元長官でしょう。

ずる賢いゲーツさんたちと対等に渡り合い、米ロ新冷戦を勝ち抜くには、KGB出身で軍をバックにもつイワノフしかいないだろう。

ところが、ここ半年くらいで状況が変わってきました。アメリカの衰退が、予想以上のスピードで進んでいる。

皆さん信じられないかもしれませんが、プーチンは「米ロ新冷戦でロシアは勝利した」と確信を持っている。なんでそんなことがわかるのでしょうか?

1、ラブロフ外相は、「欧米ロで世界新秩序を構築しよう」と言いだした。(中国抜きで)( ^▽^ )

これはつまり、「アメリカは今までの高飛車な態度を改め、ロシアと対等の関係にならざるを得ない」との読みがあるということ。

2、ロシアのメディアで、「中国脅威論」の数が増えてきたロシアのメディアはたいてい「大本営」ですから、クレムリンの意志を反映しているのです。

3、X氏が「俺も中国は怖い」といい始めた。2年くらい前は、「中ロは同盟国で非常にいい関係だ」といっていた。

4、ロシアのトップたちは、「中国より日本がいい」といい始めている。

これら全ての出来事は何を語っているのか?

1、ロシアにとってつい最近まで仮想敵NO1はアメリカ、NO2は中国だった。

2、アメリカは旧ソ連諸国でカラー革命を起こすので、ロシアは仮想敵NO2中国と「(悪の?)薩長同盟」を結んだ

3、中ロは通貨戦争で勝利し、アメリカ没落の道筋が見えてきた

4、ロシアの仮想敵NO1(アメリカ)没落が確定的になると、今度は中国が怖くなってきた。こういうことでしょう。

まだはっきりした動きは出ていませんが、兆しはあります。米ロ新冷戦がつづくならイワノフが大統領になればいい。欧米との融和を目指すなら、メドベージェフがいい。それでもアメリカがごねるなら、プーチンが外交を操ればいいということでしょう。

「アメリカが中ロに敗北するなんて信じられません!」

そうでしょう。その気持ちわかります。しかし、皆さんが意識しているいないにかかわらず、世界では歴史的大事件が起こっていたのです。

ホントは今回そのことを書くつもりだったのですが。。。詳しくは次号か次々号で!


◆産油国 ドル離れ加速 「バスケット」採用も FujiSankei Business i. 2007/11/27
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200711270048a.nwc

「サウジ当局も明確に通貨制度の変更を検討し始めたようだ」

 GCC事務局のウワイセグ研究・経済統合部長は今月20日のサウジアラビア地元紙にドルペッグの見直しを示唆した。

 GCC各国ともドル安に伴い自国通貨も下落。輸入品の価格が上がってインフレが進行しているため、米国に従って利下げを続けることが難しくなっている。インフレを抑制するには利上げが必要だが、安全保障を含めた米国との親密な関係を考えれば、なかなか利上げに動けない。GCC諸国は、相矛盾する政策の選択に悩んでいる。

 だが、メンバーのクウェートはすでに、今年5月にドルペッグをやめて、ドルやユーロ、円などを加重平均した通貨バスケットにペッグする制度に切り替えている。2010年の通貨統合をめざすGCCとしても、バスケットへの移行を真剣に検討せざるを得ないタイミングになってきた。

 この動きは、原油高騰とも関係する。今月16日にサウジで行われた石油輸出国機構(OPEC)の閣僚会議で、ドル安が議論された。イランやベネズエラの閣僚らから原油価格のドル建て表示を通貨バスケット表示に切り替えるよう提案された。ドル安で原油輸出収入やドル資産の価値が目減りして産油国の不満が募っているからだ。会議では結局、通貨バスケット採用の是非を12月5日のOPECサミット前に検討することになった。

 一方、産油国のこうしたドル離れの動きに米国は公式に何ら反応していない。市場関係者の間では、今後の米国の対応をめぐって「ドル離れを許さずGCCに圧力をかける」という意見と「通貨バスケットを容認する」との見方が交錯する。

 産油国で通貨バスケット制が採用されれば、ドル建ての石油取引が減るからドル安は一段と進むことが予想される。石油を売ってもうけた資金をドル建てで運用し、巨額の経常赤字を抱える米国に供給してきた資金の流れが変わる可能性もある。米国債が売れなくなって長期金利が上がることも考えられる。

 しかし、米国はドル安でも、経常赤字を補填(ほてん)する海外からの資金流入が担保されれば不満はない。ドル安は米国の輸出企業にとっては有利だ。「経常赤字の抑制にはドル安が有効」(ハバード米コロンビア大教授)との意見も根強く、世界の経済不均衡の是正につながるならGCCの通貨バスケット採用はむしろプラスと考える可能性が高い。


(私のコメント)
最近の世界的大変動は「株式日記」でも毎日のように書いているのですが、政界は年金問題や新テロ特措法で政府閣僚達の頭は一杯のようだ。しかしアメリカのドルは通貨戦争で絶体絶命のピンチに立たされている。アメリカはドル基軸通貨体制を守る為にイラク戦争に踏み切りましたが、自ら火の中に飛び込んだようなものだ。

まだ決定的な動きは見えませんが、アメリカの最終局面はじわりじわりと近づいている。アメリカのブッシュ大統領は9・11テロのあと「敵か味方か二つに一つ」と凄みましたが、結局は最後までついてきたオーストラリアも野党政権の誕生で万事休すになってしまった。日本のインド洋からの引き上げもその流れの一つなのだろう。

アメリカ国内はサブプライム爆弾を抱えてイラク戦争どころではなくなり、ドルの防衛に湾岸諸国のオイルマネーやアジアの投資マネーが必要になってきた。サブプライム問題では日本の株価が大きく下げたのにニューヨークの株が堅調なのは意外なのですが、オイルマネーやアジアの投資マネーが支えているのだろう。これらの国々はあまりにも多くのドルや株を持ちすぎて下がったら大変だからだ。

ようやくサウジアラビアもドルの下落に見切りをつけて通貨制度を見直す動きが出てきた。アメリカにとっての最重要同盟国はサウジアラビアと日本ですが、それは地政学的な条件だけではなくて、ドル体制を支えてきた同盟国であったからだ。そのサウジアラビアもドル安と利下げでドルとペッグしていると国内のインフレが抑えられなくなってしまう。

日本の財務省や日銀はドルと心中するつもりのようですが、いずれ日本もドル一辺倒ではなく円の基軸通貨化を検討しなければならなくなってきている。すでにイランとは石油を円で買っている。つまりそれだけドルの必要性が無くなって来ているのだ。しかし財務省の官僚はニクソンショックを理解できなかったように、ドルの没落も最後まで信じないつもりだ。

1971年のニクソンショックはドルと金との交換を停止させたことですが、その代わりに石油とのリンクでドルの基軸通貨体制を守った。しかしそのリンクも外れようとしている。日本だけがいくらUSドルを使おうと思っても外国が受け取らなくなったら価値が無くなる。

昨日書いたように中国の元もドルペッグを止めて切り上げていく事だろう。アメリカ自身も世界でドルペッグを外させて本格的ドル安政策をとり始めたともいえる。しかしドル安がアメリカ経済を活性化させるのだろうか? むしろアルゼンチン破綻やソ連崩壊型の経済破滅になるのではないかと思う。日常生活品の多くを外国からの輸入に頼っているからだ。

アメリカの国力の転機は70年代のオイルショックにあるのですが、71年がアメリカ国内油田の生産のピークだった。そして今や石油は1バレル=100ドルの時代を迎えてアメリカは絶体絶命のピンチにある。ロシアにはまだ未開発の油田がたくさんあるがアメリカにはメキシコ湾とアラスカにしかない。世界的に見ても可採掘埋蔵量の半分を消費してしまった。

アメリカに長期的戦略家がいたとするならば、その戦略ミスからアメリカの没落を早める事に成ったと気がつくだろう。それは中国やインドへの投資だ。24億人の人口が車を乗り始めたら世界の石油はあっという間に無くなってしまう。中国では年間500万台の自動車が生産されて、世界第二位の石油輸入国になった。一位はもちろんアメリカですが、中国を石油輸入大国に育てたのはアメリカだ。

ロシアのプーチン大統領は、このような米中の石油の奪い合いで共倒れになることが見えてきたのだろう。1バレル=100ドルになれば中国もアメリカも持たない。最悪の場合、武力で石油を奪い合う事になるかもしれない。しかし日本政府はそのような状況を想定していない。すべてアメリカにおんぶに抱っこだ。円がドルと共に下がっているのはそのせいかもしれない。

「株式日記」でもサウジアラビアのガワール油田の事について何度か書きましたが、とても増産余力は無くピークを打ったらしい。オイルピークと言うのは富士山の頂上から滑り降りるように生産が減少していくカーブを描く。北海油田も1999年には450万バレルだったものが2005年には150万バレルに生産が落ちた。数年で三分の一に落ちてしまうのだ。

ロシア経済ジャーナルでは石油と通貨で米ロ新冷戦でロシアは勝利したと分析している。おそらくソ連崩壊のとき起きたことがアメリカでも起きるかもしれない。それは恐ろしいほどの狂乱インフレであり日本もそれに巻き込まれてしまうだろう。そしてアメリカ自慢の原子力空母も原子力潜水艦も港につながれて解体費用も出せない時がくるかもしれない。

アメリカとソ連は兄弟国家であり、ソ連の崩壊はやがてはアメリカの崩壊につながると分析してきた。その事が一番分かっているのはロシアである事は当然のことだろう。プーチンはその時にどのような手を打ってくるのだろうか? アメリカの国内はロシアとEUと日本の草刈場となり、アメリカ企業は外国資本に買い取られて切り売りされるだろう。

日本の長期戦略はアメリカがそのようになった場合のことを考えて立てるべきなのだ。しかし日本政府はそのような長期戦略を考える機関がなく、官僚の癖としてあってはならないことは考えない事にしているようだ。ダチョウが頭を砂の中に潜らせて外を見ないようにするのと同じだ。


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