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http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-December/016886.html から転載。
[AML 17366] 劣化ウラン被曝の住民・元従業員が記者会見(NY州オルバニー、12月5日)
Kazashi nkazashi at gmail.com
2007年 12月 9日 (日) 14:04:58 JST
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[転送・転載歓迎。重複受信される方、ご容赦ください]
被曝後20年以上経過した労働者からDU検出 —除染作業後も、近隣住宅からDUのチリ—
12月5日、ニューヨーク州都オルバニーで記者会見と集会
2007年12月9日
12月5日(水)には、国連総会で、「劣化ウラン兵器使用の影響に関する決議」が圧倒的多数の賛成で採択されましたが、奇しくも、同じ日、ニューヨーク州のオルバニーでは、1982年に操業をやめた劣化ウラン兵器製造工場の周辺で今も続く劣化ウラン汚染に関する調査結果が記者会見で発表されました。今回の調査を行った科学者チームが調査結果の要点について説明をした後、今回の検査で陽性結果が出た元従業員など4名の被害者が、劣化ウラン被曝を知った困惑、憤りを訴えました。(なお、一人からは、劣化ウランではなく、濃縮ウランが検出。)記者会見室は、マスコミ、被害者、支援グループの人たちなど、およそ30人の人で一杯となりました。今のところ、全国レベルでの報道はほとんど出てきていないようですが、今回の調査結果の深刻な意味が理解されるに従い、反響が広がっていくだろうと思われます。
また、午後6時半からは、工場があった地域の中学校で集会が開かれ、元従業員、周辺住民、支援グループの人々など、100名程が集まりました。記者会見と同様、科学者グループからの説明、4名の被害者からの発言があった後、質疑応答がもたれましたが、内部被曝のメカニズム、地域住民の被害調査に向けた取り組み、まだ残っていることが明らかとなった劣化ウランのほこりをどう除去したらよいのか等々について、真剣な質問が次から次に出され、この問題への強い関心と憂慮がひしひし伝わってきました。
オルバニーは、ニューヨークの北約200キロのところに位置する、ニューヨーク州の州都ですが、その近郊で、「ナショナル鉛産業会社」が、60年代後半より劣化ウランを含む30ミリ砲弾および飛行機のバランサー(平衡錘)などを製造していました。劣化ウランの微粒子が、40キロ以上離れた地点の空気フィルターから見つかったことが引き金となり、1982年2月、ニューヨーク州裁判所からの命令で操業停止となりました。しかし、20年以上経っても、元従業員や周辺住民の間では、がんなど様々な健康障害が絶えず、劣化ウラン被曝が問題とされてきました。今回の検査結果は、アメリカ国内における劣化ウラン被曝の実態に光りをあてる画期的なものと言えます。
[記者会見や集会、「ナショナル鉛産業会社」の工場跡地などの写真が、NO DU ヒロシマ・プロジェクトのホームページにアップされております—— ttp://www.nodu-hiroshima.org/]
「劣化ウランによる内部被曝が明らかとなった住民や元従業員の発言」の見出しをクリックしていただくと、レポートの詳細、写真をご覧いただけます。]
嘉指(かざし)信雄
NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表
ICBUW(ウラン兵器禁止を求
める国際連合)運営委員
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劣化ウランによる内部被曝が明らかとなった
住民や元従業員の発言
マイク・エイデイラさん
私は、検査の結果、濃縮ウランが検出されました。1958年から1980年まで22年間、「ナショナル鉛」に勤めました。工場が始まった時、きれいなもので
した。しかし、年を経るにしたがい、工場はどんどん汚くなっていき、ついには、工場が気にかけるのはお金儲けだけで、安全かどうか、清潔かどうかなどには全く顧慮しなくなりました。同時に、政府も、「ナショナル鉛」が何をしているか監督してい
ませんでした。「ナショナル鉛」は、濃縮ウランや劣化ウランを用いて、[兵器用]貫通体、飛行機用平衡錘、原子炉用遮蔽材を製造していました。沢山の仲間が若くして死んでいきました。工場がその原因なのか、決して分からないのだろうと感じていま
す。
トーマス・ドネリーさん(56才)
私は、検査の結果、劣化ウランが検出された一人です。私は、34年間、「ナショナル鉛」のすぐ横で仕事をしていました。しばしば、仕事で、「ナショナル鉛」の工場の中に入ることがありました。朝、仕事場に着くと、「ナショナル鉛」の煙突から、も
うもうとした黒い煙が大気中に吐き出されていました。私は、工場がウランを使っているとか、そこでされている仕事が私や他の人たちに有害なものだとか、全く思ってもみませんでした。私が働いていた場所には、「除染」基準を何倍も上回る劣化ウラン
のチリがつもっていることが確認されました。
残りの人生の間ずっと、劣化ウランを私の体の中に持ったまま生きることになります。劣化ウランが、私の自己免疫障害の原因です。そのため、私の人生は台無しになってしまいました。次に何が起きるのか分かりません。
今回の調査結果によって、私たちは劣化ウランに被曝していることが明らかになりました。陸軍技術者部隊によって、この地域の汚染されたチリが取り除かれ、開始された除染作業が最後まで徹底的に行われることを臨みます。
ジョー・リトーさん(43才)
私は、劣化検査の結果、陽性となりました。私は、1964年から2005年までの間、40年以上にわたって、「ナショナル鉛」の隣に住んでいました。子どもの頃は毎日、「ナショナル鉛」の近くの線路の上で自転車に乗ったり、自分の家の横の流れで遊んだ
ものでした。何年も後になってから、私たちは、「ナショナル鉛」が放射性の廃棄物をその中に捨てていたことを発見しました。私は、工場がウランを使っているとか、吸い込んでいた空気が汚染されていて、自分や家族に害を及ぼしえるといったことは思ってもいませんでした。尿検査の結果、今、私の体の中には、毒性のある放射性の物質が入っていることが分かりました。私の健康がどうなるのか、私は恐れています。地域住民の健康調査がされる必要があります。
私の家の屋根裏部屋や地下室には、除染基準を超える量の汚染されたチリがあることが分かりました。陸軍の部隊は、数ヶ月前に、街を去って行きましたが、戻ってきて、汚染されたチリを取り除く必要があります。
トニー・シアルフェロさん(57才)
私は、検査の結果、劣化ウランが検出されました。私は、「ナショナル鉛」の隣に25年間住んでいました。工場の裏側にはフェンスがなく、私たちは、野球をしたり、「ナショナル鉛」の敷地内を流れていた流れの近くで過ごしたものでした。魚釣りさえしたものでした。今、私の胸には、一インチ(約2.5センチ)程もある、奇妙なこぶがいくつかあります。こうしたこぶが何なのか誰にも分からないようです。私は、脳の中には動脈瘤があります。いつも疲れきっていますし、長年、足の骨の奥深くにひどい痛みを感じています。心臓の状態も大変悪いです。
劣化ウランが私の中に見つかって、大変動揺しています。私は、始終、劣化ウランが自分の身にどんな影響を及ぼしているのか、「ナショナル鉛」による汚染がこうした健康障害を引き起こしたのかと考えています。私は、ただちに、地域住民と労働者について健康調査がされるべきだと思います。
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被曝後20年以上経過した労働者からDU検出:除染作業後も、近隣住宅からDUのチリ
—12月5日、ニューヨーク州都オルバニーで記者会見と集会—
記者会見:
日時:2007年12月5日(水I 午前11時
場所:LCA 会見室、130、立法オフィスビル、ステイト・ストリート、オルバニー、ニューヨーク 12224
出席者:
・ ランドール・パリッシュ(英国レスター大学地質学部教授)
・ デイヴィッド・カーペンター(オルバニー大学・健康環境研究所、医学博士)
・ ジョン・アーナソン(オルバニー大学助教授、地球大気圏科学)
・ 劣化ウラン検査で陽性結果が出た住民および元労働者
高感度の尿検査を行うことにより、被曝後20年以上経っても人体から劣化ウラン(DU)が検出しうることが確認された。違法なウラン放出を理由に、ニューヨーク州最高裁が「ナショナル鉛産業会社」に工場閉鎖を命じてから27年経つが、また、連邦政
府による工場跡地と周辺地域の「クリーンアップ」(除染)が終わって2ヶ月経つが、科学者たちのデータは、ニューヨーク州のオルバニーやコロニーのいくつかの住居のチリの中にかなりの劣化ウランが残っていることも明らかにした。
今回行われた「同位体測定」は、今まで米国のどの地域でも行われたことがないが、ランドール・パリッシュ教授をリーダーとする米国と英国の科学者たちの共同プロジェクトによって実現した。結果は、オンラインでもアクセスできる国際ジャーナル「Science of the Total Environment」に近く発表される予定だ。
「調査結果の要点:
人体と環境についての検査の結果から、検査を受けた人の内かなりの割合の人が、オルバニー近郊の「ナショナル鉛産業会社」の工場から排出された劣化ウランに被曝していることが証明されるとともに、住宅のチリが除染基準を上回る劣化ウランを含んでいることが示された。
「ナショナル鉛産業会社」は、ニューヨーク州コロニーのセントラル・アベニュー1130番地に在った工場から、1958年から1982年までの間、少なくとも5トンの劣化ウラン・エアロゾル(煙霧状微粒子)を住宅・商業地域に放出した。劣化ウランは、その重金属としての、また放射性物質としての特性ゆえに有毒な物質である。「ナショナル鉛産業会社」は、劣化ウランを用いて装甲貫徹弾を製造していた。
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公開フォーラム「ナショナル鉛産業会社が住民・元労働者に及ぼした劣化ウラン汚染および住宅のチリをめぐって」
日時:2007年12月5日(水)午後6時半より
場所:サンド・クリーク小学校
主催:「ナショナル鉛産業を憂慮するコミュニティー」及び「乳がんに反対する州都地域アクション」
出席者:
・ ランドール・パリッシュ(英国、レスター大学地質学部教授)
・ デイヴィッド・カーペンター(オルバニー大学・健康環境研究所、医学博士)
・ ジョン・アーナソン(オルバニー大学助教授、地球大気圏科学)
劣化ウラン検査で陽性結果が出た住民および元労働者