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大統領弾劾は問題外? 反戦の毋シンディ・シーハン、元CIA分析官レイ・マクガバン、民主党選挙参謀ダン・ガースティンが議論
http://democracynow.jp/stream/070727-1/dn2007-0727-1.ram
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2007年5月、ジョージ・W・ブッシュ大統領の支持率はついに30%を下回りました。イラク侵攻の根拠「捏造」、CIA工作員の身元漏洩、「テロとの戦い」における違法盗聴や拘束者への拷問‥。あと1年余りの任期を残すこの政権のスキャンダルはとどまるところを知りません。そんな中、イラク戦争での息子の戦死をきっかけに反戦運動を開始、「反戦の母」と呼ばれるようになったシンディ・シーハンがブッシュ大統領、チェイニー副大統領の弾劾運動に加わりました。
2005年6月、ミシガン州選出民主党下院議員のジョン・コニヤーズがブッシュ大統領の弾劾可能性を探るための非公式会議を開き、弾劾に向けた調査員会設置法案を提案するところまでこぎつけました。しかし、その後あまり進展は見られぬまま、コニヤーズもだんだんと弾劾に対して消極的な態度を取るようになってきました。
2006年の選挙で民主党が下院の多数派となり、カリフォルニア州選出のナンシー・ペローシー議員が下院議長に任命されましたが、彼女は、ブッシュ政権を厳しく監視していくが弾劾を議題としては取り上げないと明言しました。これに対してシーハンは、ペローシーが弾劾を推し進めないならば、次回選挙で彼女の選挙区から対抗馬として立候補すると宣言しています。
2007年7月22日、コニヤーズ議員の事務所に弾劾法案提出を求めて押しかけた運動家45人が逮捕されました。逮捕者の中にはシーハンのほか、元CIA分析官レイ・マクガバンも含まれていました。マクガバンは現大統領の父親であるジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の側近でもあった人物です。彼らの主張は、合衆国憲法に基づいて大統領の犯した罪を裁き、失政を正し、大統領の独善を許さない憲法と民主主義の精神を取り戻そうということにあります。
こうしたシーハンやマクガバンの立場に対して、民主党参謀のダン・ガースティンは、ブッシュ政権の失政を糾弾する立場には同調しながらも、あと18ヶ月(アメリカ放映当時)を残すのみとなった大統領の弾劾を今議会にかけることは、2008年の選挙に向けた民主党の勢いを分散させることにもなりかねず、政治的戦略としては最善のものではない、という立場を取ります。
民主党がイラク撤退問題で大統領側に譲歩したとき、シンディ・シーハンはアメリカに対する失望を表明して、反戦運動からの無期休養を宣言しました。今回弾劾活動に参加する形で表舞台に戻ってきたシーハンですが、イラクで日々失われている若い命を少しでも救うためにもこの弾劾が必要性だと強調する彼女の、「これは政治的な判断ではなく人道的判断に基づく行動なのです」という言葉が印象的です。 (石川麻矢子)
ゲスト:
* シンディ・シーハン(Cindy Sheehan) 団体ゴールド・スター・ファミリーズ・フォー・ピースの共同設立者。2004年4月4日にバグダッドで息子ケーシー・シーハンが戦死。
*ダン・ガースタイン(Dan Gerstein) 民主党参謀で、政治評論家。ポリティコ・ウェッブサイト(http://www.politico.com) のコラムニスト。彼の最近のコラムは「民主党を二分する弾劾問題」(http://www.politico.com/news/stories/0707/5058.html)
*レイ・マクガバン(Ray McGovern) CIAで27年間分析官を務める。団体ベテラン・インテリジェンス・プロフェッショナルズ・フォー・サニティー(退役諜報官の良心)の共同設立者。ブッシュ大統領とチェイニー副大統領の弾劾を求めてきた。