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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu157.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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アメリカにとって東アジアの足場を切り崩してしまうことのデメリットは
明らかです。イラク戦争がどれほどの戦略的な誤算であったか分かる
2007年12月1日 土曜日
27日、横須賀海軍基地で、タグボートに先導され入港する米空母キティホーク
◆米空母が台湾海峡を通過 香港寄港拒否で示威行動 11月30日 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/yamaguchi/20071130/20071130_003.shtml
中国政府から香港寄港を一時拒否された米空母キティホークが、香港近海から事実上の母港の横須賀基地(神奈川県)に戻る際、台湾問題への配慮から航行を控えてきた台湾海峡を通過していたことが29日、米軍関係者の話で分かった。
寄港を拒否した中国に対する事実上の示威行動とみられる。米空母が台湾海峡を通過したのは、1996年の台湾総統選に端を発し、米空母2隻の派遣で情勢が緊迫した「台湾海峡危機」以来とされ、米中関係に波紋を広げそうだ。
関係者によると、21日に香港入港を断られたキティホークと随行するイージス駆逐艦など計6隻は南シナ海を北上し、23日から24日にかけて台湾海峡を通過。その際、不測の事態に備え、艦載機を飛ばして周辺の警戒監視活動を行ったという。
◆アジアの隠れた火薬庫は台湾海峡 1月15日 手嶋龍一 日経BP
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/070115_taiwan/index.html
■「台湾海峡の危機」とは具体的にはどういうものですか。
手嶋 日本に大きな影響が及ぶ東アジアの有事は、台湾海峡と朝鮮半島にあります。台湾海峡と朝鮮半島の順で申し上げたのは理由があります。朝鮮半島で武力衝突が起きても、米中両大国が直接武力で衝突する事態とはならない。しかし、台湾海峡を挟んでは、この両大国が戦火を交える最悪のシナリオを想定しておかなければならないからです。
戦略的思考の要諦は、想像すらできない事態を思い描いておけ、というものです。しかしながら、台湾海峡の危機は戦略を扱う人々の思考にどっしりと根をおろしている。現に1996年には米中の危機が現実のものになりました。この年、台湾の総統を初めて民主的に選出する直接選挙が行われることになりました。中国側は、李登輝氏が当選すれば独立に傾くことになると危惧したのです。
中国の政治指導部は、台湾独立の動きをけん制しようと台湾島を挟むように複数のミサイルを発射しました。中国の人民解放軍は、続いて台湾への上陸を想定した大がかりな演習を企図したのでした。これに危機感を抱いたアメリカのクリントン政権は、台湾海峡をにらむ海域に原子力空母を含む二個機動部隊を急派したのでした。このため米中両国の間には一挙に緊張が高まったのでした。これが96年台湾海峡危機と言われるものです。この地域の危機の深さを端なくも示した事件でした。
96年台湾海峡危機では、中国側の渡洋能力、航空能力が共にまだ十分ではありませんでした。つまり、アメリカ側の制海、制空能力が圧倒的に勝っていたわけです。表現を変えれば、アメリカの中国に対する抑止がよく効いていた。中国側にそれ以上の軍事行動を思いとどまらせる抑止力が機能していたということなのです。実際に中国側は、予定していた上陸演習すら名目的なものにとどめて手仕舞いにしたのでした。
あの危機から10年あまり。中国の人民解放軍は、矛を収めた無念をかみ締めながら、剣を研ぎ続けたのです。中国経済の躍進を背景に、中国人民解放軍がどれほどの近代化を遂げたのかは指摘するまでもないでしょう。
その一方、ブッシュ大統領のアメリカは、イラク戦争でつまずき、東アジアでのプレゼンスを大きく低下させています。台湾海峡を挟んで米中の力が接近してきている。アメリカの対中抑止にかげりが見え始めている。武力衝突の危険水位が知らず知らずのうちに上がってきているのです。
心ある世界の戦略家たちが、朝鮮半島よりむしろ台湾海峡の動向に神経質になっているのはこのためです。2007年、東アジアの安全保障は、台湾海峡から目を離してはなりません。
■米国にとって東アジアに軸足を移すことは、どんな「国益」になるのでしょうか。中東と比べれば魅力的な地下資源も乏しいし、これといったメリットもなさそうに思えます。
手嶋 石油などの地下資源に根拠を見出して安全保障を論じるのは、昨日の戦略思考と言わざるを得ません。東アジアこそ世界経済の成長の中心です。ここでアメリカが戦略的な影響力を失ってしまえば、アメリカはもはやスーパーパワーとは言えません。その戦略上の力のゆえに、米国通貨のドルは、金にリンクしていない、つまり兌換紙幣ではないにもかかわらず世界中で流通している。もし、米国が東アジアでのプレゼンスを失くしていけば、ドルは基軸通貨としての地位を滑り落ちてしまうでしょう。基軸通貨の地位をユーロに譲ってもいいのでしょうか。アメリカは断じてイエスとは言わないはずです。ならば、東アジアにとどまらなければいけない。
アメリカが東アジアでのプレゼンスを摩滅させれば、日米同盟は空洞化していきます。北朝鮮は安んじてさらなる核武装に突き進んでいくでしょう。アメリカにとって東アジアの足場を切り崩してしまうことのデメリットは明らかです。それだけに、今のアメリカにとって、あのイラク戦争がどれほどの戦略的な誤算であったかお分かりいただけましょう。
■そうだとすると、この時期に在日米軍の再編することは危険なのではないでしょうか。
手嶋 在日米軍の再編は、アメリカのプレゼンスの低下を直ちに意味するわけではありませんから、危険と断じるのは早計です。戦略的には、常に沖縄のような前線の要衝に兵力を配置しておかなくても、パワープロジェクション、戦力を機動的に投入できる態勢を整えておけば、抑止力を維持できる時代に入っています。そうした観点に立った在日米軍基地の再編を目指しているのでしょうが、現実はあまり上手くいっていないように思います。
米軍基地に隣接する地域にお住まいの方が「アメリカは出て行ってほしい」と思う気持ちは確かに分かります。しかし、より大きな戦略的な観点から見ると、アメリカのプレゼンスを確保しておくことはやはり必要に思います。もちろん沖縄のように、米軍基地がもたらすさまざまな軋轢(あつれき)に永年にわたって苦しんできた地域には、「より大きな国益を考えて我慢してほしい」などといっても意味がありません。ご苦労に見合う物資両面からの対策はやはり必要です。(後略)
(私のコメント)
日本では朝青龍の謝罪会見が大ニュースであり、4チャンネルから12チャンネルまで、どのチャンネルを回しても朝青龍の顔ばかりが映し出されていた。頼みのNHKもフィギュアスケート大会の中継で一般ニュースはスポイルされてしまった。ワイドショーなどではこのような事はよくあったのですが、夕方のニュース時間にやられたらたまらない。
日本のテレビニュースは視聴率さえ稼げればどんな事でも放送するのでしょう。崖っぷちの野良犬救助に生中継するぐらい下らない事まで放送する。それに対して日本の運命を左右するような重要な事は影響が大きすぎて放送される事は無い。つまりバカバカしい事ほどテレビ放送局は大きく取り上げ、重要な事ほどお上がうるさいので放送しない。
さいわいネットなどでは小さなことでも記事になるから、注意して見れば重要なニュースは見つけることが出来る。米空母のキティーホークが香港に寄港を断られたのも小さなニュースですが、米中関係が微妙である事が読み取れる。中国政府の真意が分かりかねますが、何らかの当て付けなのだろう。
去年の10月に米機動部隊に中国の潜水艦が異常接近しましたが、先月もまた米機動部隊に異常接近している。いずれも魚雷の射程範囲何であり米機動部隊は気がつかなかったようだ。空母の周囲には厳戒態勢が敷かれているはずですが、探知されないようなシステムを中国の潜水艦が装備しているのかもしれない。
◆中国の潜水艦、米海軍の非常警戒網を突破=英紙 11月12日 朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/article/20071112000027
艦隊が最近、太平洋で演習していたところ、中国籍の潜水艦が演習海域のほぼ中心に配置されていた空母「キティホーク」の近くに急浮上し、米軍が驚いた、とイギリスの日刊紙「デーリー・メール」が11日、報じた。
同事件は最近、米国海軍がキティホークを含む艦隊を動員し、日本の南部と台湾の間の海域で演習を行っていた際に発生した。米海軍は、空母が演習に参加する場合、少なくとも約10隻の戦艦と2隻の潜水艦を周囲に配置し、警戒態勢を敷いている。しかし、中国が独自開発した全長49メートルの攻撃用潜水艦1隻が、これらの監視網をくぐり抜けたというのだ。約80機の戦闘機と4500人の兵士を乗せたキティホークは、同潜水艦が搭載している魚雷の射程圏内にあった、と同紙は伝えた。
北大西洋条約機構(NATO)のある関係者は「米国は今回のことでスプートニク(1957年に旧ソ連が打ち上げた世界初の人工衛星)打ち上げと同等の衝撃を受けた」と話した。米国は、中国の潜水艦がこうした高度な技術を持ち合わせているということを認識していなかったというのだ。
米国がこの事件に対する釈明を要求したところ、中国は「偶然にすぎない」との反応を示したという。しかし、一部の専門家は、中国が自国の軍事技術の水準を米国や西側諸国に誇示したものとみている。イギリス海軍の元将校で対潜水艦専門家のスティーブン・サンダース氏は「自分たちの裏庭である台湾に関して、米国が干渉したり影響を及ぼそうとしたりする場合、ただではおかないとの意志を示したもの」とみている。
(私のコメント)
これも中国海軍の嫌がらせ行為なのですが、潜水艦への索敵網を掻い潜る技術を持ち始めたのだろうか? 通常型潜水艦の進歩もめざましく攻撃性能は原子力潜水艦に劣らず、沿岸海域では強みを発揮する。中国はこうした潜水艦を60隻程度保有しており、日本は潜水艦を16隻しか保有していない。
中国の海軍力の増強は日本にとっても脅威であり、防衛ラインを設定して中に入ってきた艦船をみな追い出すつもりなのだろう。先日も東シナ海のガス田開発を中国に打診したら軍艦を出動させると返答してきて日本は開発を断念したようだ。日本は外交と防衛をアメリカにまかせっきりにしているから、中国を刺激する行動は取れない。
あくまでも日本の自衛隊はアメリカ軍のサポート役であり後方支援しか役割は与えられていない。アメリカ軍が無敵であればそれでもいいのでしょうが、イラク戦争で軍が釘付けされていると他の地域では動きが取れなくなる。その意味でアメリカ海軍は意図的に中国潜水艦を泳がせて本国政府に警告を発しているのかもしれない。
このような状況では自衛隊は緊張感の欠けたものになり、防衛省で汚職が頻発するのもたるんでいる証拠だ。政治も審議をほったらかしにして証人喚問がどうとかこうとかやっている。イージス艦の機密情報も自衛官の妻が中国のスパイで問題になりましたが、一体自衛隊は何のために何をやっているのだろうか? 自衛隊の間抜けぶりを示すニュースが昨日もありましたが、まことに情けない。
◆<海上自衛隊>中国海軍へのイージス艦公開中止 米側要請で 11月30日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071130-00000131-mai-soci
海上自衛隊が30日に検討していた、来日中の中国海軍艦艇乗員へのイージス艦「きりしま」の公開を、在日米軍などの指摘を受けて取りやめた。今年1月に海自2等海曹によるイージス艦情報漏えいが発覚するなど、米側は自衛隊のずさんな情報管理体制に懸念を強めており、日本側に慎重な対応を求めたとみられる。イージス艦の公開中止を受け、中国海軍艦艇乗員は同日、代わりにインド洋での給油活動を終えて帰国した補給艦「ときわ」を視察した。
イージス艦のシステム中枢部は「特別防衛秘密」指定で非公開だが、その他の部分は来日した外国軍関係者らへの公開が容認されていた。複数の防衛省関係者によると、海自は当初、中国側に甲板などに限定して公開する方針だった。イージス艦を公開することは中国側には伝えていなかったという。【田所柳子】