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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007112202066313.html
2007年11月22日 朝刊
20日、エルサレムの大統領府で、中東和平国際会議への展望を語るイスラエルのペレス大統領=萩文明撮影
【エルサレム=萩文明】イスラエルのペレス大統領は本紙との会見で、中東和平国際会議は和平プロセスを再生させる「出発点」にすぎないと強調した。激しい紛争時でも和平への希望を訴え続けた同氏の冷ややかな視線は、出口の見えない紛争がより複雑化した現実を象徴している。
死文化した中東新和平案(ロードマップ)が定めた義務の不履行を、ペレス氏は「治安のため」と正当化した。イスラエルからみれば、イスラム原理主義組織ハマスが安全を脅かす限り、和平プロセスに前進も譲歩もない。ハマスのガザ支配は「内紛」であり、イスラエルが「テロ組織解体」の大原則から外れることは今後もあり得ない。
つまり、パレスチナ自治政府のアッバス議長にガザ統治もハマスの武装解除もできない以上、国際会議が和平プロセスの実質的な再生につながる可能性はゼロに近い。
ただハマスだけが混迷の原因ではない。イスラエルは新規入植地を建設しない方針を示したが、既存入植地は人口の「自然増」を口実に拡大を続けている。それこそ、パレスチナが反発し、ハマスが「抵抗」を正当化する要因となっている。
国際会議で世論向けの具体的成果が欲しいアッバス議長と違い、イスラエルに義務や譲歩を伴う合意を急ぐ必要はない。一見、無駄に時間が流れることは、将来の国境画定に向けて不利とはならないからだ。それが、ペレス氏の冷めた見方の根本的理由とみられる。