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イラクで90億ドルが行方不明──米連邦準備銀行から引き出された金はどこへ消えたのか?
http://democracynow.jp/stream/070912-2/dn2007-0912-2.ram
http://democracynow.jp/stream/070912-2/
アメリカがイラクを侵略した1ヵ月後、百ドル紙幣がレンガのようにまとめて梱包され、文字通り「飛行機いっぱい」バグダッドに空輸されました。120億ドルもの現金が、イラクの復興に使われるという名目で、連邦準備銀行から連合軍暫定当局(CPA)に運ばれたのです。ところが、そのうち90億ドルの行方が不明になっています。ピューリッツァー賞を2回、ナショナル・マガジン賞を2回受賞した調査報道ジャーナリスト・コンビ、ドナルド・バーレットとジェームス・スティールが、この驚くべき金額の「不明金」について、調査をしました。
この現金はもともと、前回の湾岸・イラク戦争時に押収されたイラクの資産、つまり国連管理下にあったオイル・マネーで、基本的には米国政府の管理下におかれ、ニューヨーク連邦準備銀行(FRB) に保管されていました。米国内では厳格に管理されていたこれらの現金は、バグダッドについた途端に管理責任者があいまいになり、しかも監査体制がまったくない状態でした。ペンタゴンは、この現金の使途を監査する役割を、ノーススター・コンサルタント社という請負業者に託し、契約金として140万ドル支払いましたが、これは個人の邸宅で運営している住宅改装業者で、公認会計士もいないようなところ。「ペンタゴンは、お金の使われ方を知られたくなかったか、誰も知らない場所にお金を送りたかったか、どちらかです。」と2人のジャーナリストはコメントしています。
アメリカ軍を中心に、イラクの政治体制を再建することを名目として作られた連合軍暫定当局(CPA)は、約1年しか存在しなかった機関。予算は米国議会で承認されたものの、米国内で正式な機関設定書類が無いため、法的に存在せず、法的な監督機関もありませんでした。そのため、CPAの存在期間が終わってしまった今、CPAのお金の使い方に責任を持つ人物も機関も存在しません。法的な機関でないものは、不法行為が見つかっても法的に訴訟できないというジレンマに陥っているのです。
「すべては、戦場であるということでごまかされています。これは普通の状況ではないので、非常時対策が必要だとなってしまうのです」としめくくるバーレット氏とスティール氏。莫大な税金を吸い尽くしていく「戦費」の実態を知ることは、特措法を考える今の日本にとって、非常に大切なことなのかもしれません。(古山)
ゲスト:
ジェームズ・スティール(James Steele)とドナルド・バーレット(Donald Barlett)アメリカのトップクラスの調査ジャーナリスト。「フィラデルフィア・インクワイアラー」誌や「タイム」誌などの記者として活躍し、2人でピュリッツァー賞を2回、全国ナショナル・マガジン賞を2回、ジョージ・ポーク賞を5回受賞している。最近、文化・ファッション・政治雑誌「ヴァニティー・フェア」 誌の編集者&記者として迎えられた。