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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000104-mai-int
<アラブ諸国>13カ国が原発建設計画 背景にイランの脅威
11月17日21時33分配信 毎日新聞
【カイロ高橋宗男】中東や北アフリカなどアラブ諸国で原発建設計画が相次いでいる。イスラム教シーア派国家で、非アラブのイランが、核開発などにより地域での存在感を急速に高めつつある。「原発ドミノ」とも呼ばれる現象は、スンニ派が主流を占めるアラブ諸国の危機感と、対抗心が背景にありそうだ。
エジプトのムバラク大統領は先月29日、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)後に中断していた原発建設計画の再開を発表した。アラブ諸国では、昨年4月のモロッコを皮切りに▽ペルシャ湾岸産油国のサウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーン、アラブ首長国連邦、オマーンの6カ国で構成する「湾岸協力会議(GCC)」▽ヨルダン▽リビア−−など13カ国が、すでに原発計画や建設の意思を表明している。
非産油国のヨルダンや、急速な人口増が続くエジプトは、近年の原油価格高騰を受け、将来のエネルギー危機への懸念を強める。だが、GCCなど他の諸国の多くは、石油や天然ガスなど豊富な地下資源を保有する。
エジプトのアハラム政治戦略研究所のサラム核武装問題担当部長は「政策決定や、そのタイミングの背景にイラン問題があるのは明らか」と指摘する。「イランは地域での影響力を高めており、その衝撃を緩和するのが狙いだ」と解説する。
イスラムの盟主を自任するサウジは、より対抗色を鮮明にする。同国のサウド外相は今月上旬、中東以外の中立国にGCCがウラン濃縮施設を共同設立し、イランにも濃縮ウランを供給する案を提示した。核兵器開発につながる濃縮ウランをイランに製造させないことを狙ったものだ。
アラブ諸国は従来、地域唯一の核保有国とされるイスラエルを意識して「中東非核地帯」の設立を声高に叫んでいた。だが「ゲームのルールは変わった」(アブドラ・ヨルダン国王)とされるように、核の脅威の対象はイスラエルだけでなくイランにも向かう。
一方、イランの核開発に反対する米国は「国際的義務(核拡散防止条約など)を順守し、原子力の平和利用を求める国々は問題とはならない」(マコーマック国務省報道官)と、アラブ諸国の原発計画を容認する考えを示す。商機到来との思惑もあるためだ。すでに米国企業がイエメンの原発建設を受注、アルジェリアも米国と技術協力協定を結んだ。また、北アフリカと関係が深いフランスや、中露両国も市場参入を目指し売り込みを続けている。
最終更新:11月17日21時33分