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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007111702065013.html
【ベルリン=三浦耕喜】十五日明らかになった国際原子力機関(IAEA)のイランの核開発問題をめぐる報告書は、同国が約三千基の遠心分離機の設置を完了し、本格的なウラン濃縮への態勢を整えたことを白日の下にさらした。同時に報告は、イランが「核の闇市場」から核技術を獲得した経緯の一端も明らかにした。だが、ほかにも技術や機器が流れ込んだ疑いが残り、闇市場をめぐる謎はなお深い。
イランとIAEAが今年八月に合意した「行動計画」は、核開発疑惑について解明への手順を定めている。同計画に基づいてIAEAは検証作業を開始。イランも関連文書を提供し、関係者のインタビューに応じるなど協力姿勢を見せた。
それによると、イランは一九七〇年代から原子力発電所の建設を計画し欧米企業と契約。だが、七九年のイラン革命でとん挫した。核燃料を製造する技術も、一部を中国から入手できた以外、道は閉ざされ、イランは八〇年代半ばに「核の闇市場」からのウラン濃縮技術の取得を決断した。
「核の闇市場」とは、パキスタンの核開発の中心人物カーン博士が構築したネットワークで、北朝鮮にも核技術が流れたとされている。
報告書によると、イランは八七年に遠心分離機二基のほか関連文書を入手。今や三千基にまで膨らんだウラン濃縮計画の基礎となった。
この時の関連文書に交じっていた、とイランが主張するのが十五ページの資料。金属ウランを生成し、さらに半球形に成形する、核爆弾製造に不可欠な技術が記されており、核兵器開発の意図を疑わせる問題の文書だ。
二〇〇五年の査察でIAEA査察官が発見していたが、イランは当時、コピーを拒否。だが、今回の検証でイランはIAEAにコピーを渡した。
この資料についてイランは「こちらが頼んだものではない」と、たまたま紛れていたように説明する。だが、イランは未申告だった金属ウラン生成実験を、〇三年にIAEAに報告した経緯があり、資料以外にも闇市場から核兵器技術や機器が流れた疑いは消えない。
検証には協力する一方で、IAEAの抜き打ち査察は拒否し続けるイラン。IAEAは「未申告の活動がないとは保証できない」とし、イランが抜き打ち査察を認めるよう、強く求めている。