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新テロ法案 無責任な民主党の先延ばし戦術(11月14日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071113ig90.htm
インド洋から撤収した海上自衛隊の給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案が衆院を通過した。いよいよ与野党攻防の舞台が、野党が多数を占める参院へと移った。
参院第1党として法案の成否に大きな影響力を持つ民主党が、国際平和活動に対してどれだけ真剣で誠実な姿勢を示すのか、厳しく問われる局面である。
新テロ法案は、参院での審議入りの目処(めど)が立っていない。議院運営、外交防衛の両委員長ポストを握り、審議日程を左右できる民主党が、審議入りの先延ばしを図っているためだ。
民主党は、自ら提出したイラク復興支援特措法廃止法案の審議を優先したうえ、新テロ法案の審議は外交防衛委の定例日の週2回に限る方針だ。民主党幹部は早くも、12月15日までの延長国会の会期内に新法案の参院審議は終了しないとの見通しを示している。
露骨な党利党略優先の国会戦術だ。
民主党が最優先すべきは、新テロ法案への対案の国会提出だ。法案の骨子案がようやく示されたが、党内で異論が多く、法案化できるかどうか不透明だ。
骨子案には、農業、医療などのアフガニスタン支援のメニューが並ぶ。だが、どこで何を実施するのか明確でない。治安が比較的安定していた北部でも最近、自爆テロで50人以上が死亡した。そもそも現時点での自衛隊や文民のアフガン派遣が現実的なのだろうか。
法案化が進まないうえ、すぐに実施可能な案を示せないのでは、民主党は本当に「テロとの戦い」に取り組む気があるのか、疑われても仕方あるまい。
民主党が「新テロ法案より重要」とするイラク特措法廃止法案は、イラクで空輸活動を実施中の航空自衛隊の撤退を目指すものだが、極めて問題が多い。
小沢代表は、国連決議を根拠とする国際平和活動には積極的に参加すると主張する。イラクの多国籍軍は2004年6月採択の国連決議1546などで治安維持や復興支援の権限を付与されている。多国籍軍を支援する空自の撤退は、「小沢理論」と矛盾するのではないか。
海自のインド洋撤収に続き、空自の撤退となれば、日本は国際平和活動に非協力的だとの烙印(らくいん)を押されるだろう。
新テロ法案の衆院審議で、民主党は、海自の燃料の対イラク作戦転用問題や、守屋武昌前防衛次官と業者との癒着の追及に終始した。無論、これらも重要だが、日本国内でしか通用しない議論だ。
参院では、「テロとの戦い」について本質的で建設的な論戦を展開することが、責任政党の取るべき対応である。
(2007年11月14日1時30分 読売新聞)