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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu155.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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『米中石油戦争がはじまった』 日高義樹(著) クリントン大統領は
中国と協力して日本を経済的な二流国家におとしめようと考えた。
2007年11月11日 日曜日
◆米中石油戦争がはじまった 日高義樹・著
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4569648061.html
中国の人民元を大幅に切り下げたのはクリントン大統領だった。一九九三年一月に登場してからほぼ一年後、クリントン大統領は中国政府の強い要望を入れて、それまで一ドル五.・七二人民元であった交換レートを一挙に六〇パーセント切り下げた。一ドルを八・七二元にしてしまったのである。
こうしたクリントン大統領の暴挙に近い切り下げは、明らかに日本に対する悪意に基づいていた。クリントン大統領は日本が嫌いで中国が好きだったことで知られている。彼は中国と協力して日本を経済的な二流国家におとしめようと考えた。そこで中国の経済力を拡大し、輸出を増やすために人民元を一挙に切り下げたのである。
この頃日本国内では、中国人民元のレートにまで関心を持つ人はあまりいなかった。マスコミもほとんど注目しなかったが、人民元が六〇パーセントも切り下げられたので、中国は貿易上きわめて有利な立場に立った。
このほかクリントン大統領はアメリカの最新技術を中国に輸出することを許可した。中国が日本の技術に対抗する製品をつくるのを助けたのである。もっともクリントン大統領はこれをやりすぎてしまった。中国自身ではとうてい開発できないミサイルの三段目の姿勢制御技術まで中国に売ってしまったのである。
この結果中国は、アメリカ本土を攻撃できるミサイルの開発に成功した。言い換えれば、クリントン大統領はアメリカの安全を中国に売ったことになる。ところでこうした話を聞くたびに私が思い出す人物がいる。終戦後の日本にCIAがやってくる前に、ソビェトや中国、北朝鮮のスパイを相手にしていたマッカーサー元帥のお庭番、キャノン機関の親玉、ジャツク・キヤノン中佐である。
「アメリカ人というのは、相手がこっちのノドを絞めるつもりで買うローブだろうと、儲けになりさえすれば、そのロープを売るんだ」
クリントン大統領がやったのはまさにこれに等しい。話がそれるがここでキャノン中佐・がいった忘れがたい言葉をもう二つほどお伝えしたい。私がキャノン中佐にインタビューしたのはNHK時代のことだが、彼は大統領をはじめ私が会ったアメリカのVIPの誰よりも含蓄のある言葉を口にした。
私が「日本について思い出すことは」と尋ねたとき、彼はこう答えた。「印象的だったのは日本人の生産性だ。日本に初めて着いたとき、マッカーサー司令部のあった東京の第一生命ビルと神奈川県庁の間には建物らしいものは何一つなかった。六年たって日本を離れたとき、ほとんどの建物が再建されていた。三三キロの間全部に」
キャノンは日本人について「最初に思ったのは極東で最も進歩した人々だということ。次に礼儀正しく威厳をもって生き、威厳をもって死ぬことを知っている人々だと思った」と述べ、「いまの日本についてどう思いますか」という質問にこう答えた。
「自分の力を頼りにするべきだ。自衛のために武装したほうがいい。核兵器を持ったほうがよい。大きなサソリになるのさ。殺されるかもしれないが、そのときには目にもの見せてやるだけのことはしなきゃいけない。どんなに小さな国だろうが、攻撃をしかけたらひどい反撃を食らうかもしれないと考えたら、攻撃をしかける側も考えるだろうからね。考えてみたまえ、平和を望む人問は常に戦いに備えていなくてはいけないんだ。自由な人間でないかぎり威厳をもって死ぬことはできないんだ」
あれから二十数年、日本の人々もようやく彼の言葉を理解しはじめているように見える。閑話休題。
中国が大好きだったクリントン大統領は、ビジネスのうえでも中国を大いに助けた。中国国内には、代表者とクリントン大統領が仲良く顔を並べて映っている写真を飾った企業が山ほどあると聞いたことがある。
中国経済はケ小平の資本主義化政策のもとで、一九七八年以来二十五年問に一〇パーセント近い経済拡大を続けてきているが、九〇年代の初めにはモノづくりが進歩する半面、国内市場が拡大せずデフレ懸念が強まっていた。
ところが人民元が大幅に切り下げられ、輸出が伸びるとともにデフレ懸念も消えうせて中国経済は再び順調に拡大することになった。このとき中国は人民元をドルに結びつけることに成功した。つまり八・七二人民元が一ドルに固定されたため、実質的にドルが安くなれば人民元もまた安くなる仕組みをつくることに成功したのである。
この仕組みならば、人民元が安くなりインフレが起きることを防ぐことができる。またドルが日本円やマルクに対して安くなれば、それに連動して人民元を安くすることができる。
二〇〇五年七月、人民元がニパーセント切り上げられた。だが前年からドルが実質的に一ニパーセント下がっているため、人民元は輸出戦略上きわめて有利な立場をとりつづけることができたのである。
中国経済が一九九五年以来九パーセントから一〇パーセントという大幅な拡大を続けてこられたのは、クリントン大統領による考えられないような人民元の切り下げと、ドルに固定する仕組みのおかげだった。
ここ数年、中国企業の生産性は向上し、技術的にも急速に進歩している。ところが人民元は開発途上国並みに安いままである。この点についてウォール街の専門家はこういっている。
一中国経済はいまや先進国と同じである。国民総生産はアメリカに次いで世界第二位、生産性もヨーロッパ並みの世界一〇位以内だ。つまり生産性と経済力で見れば中国は立派に成人したといえる。ところが交換レートは十年前の安い仕組みをそのまま利用している。大人が小学生の洋服を着ているのと同じだ」
その結果が、今後五年間の貿易黒字の大幅な増加につながっているのである。アメリカは二〇一〇年に中国の貿易黒字はほぽ一兆ドルになると推定しているが、同じ二〇一〇年、中国の輸出は実に二兆四〇〇〇億ドルになると推定している。一方、輸入は一兆五〇〇〇億ドルたらずである。
二〇〇五年以降の六年間を推定すると、輸出は毎年二五パーセント増えるが、.輸入は中国政府が努力をしても輸出ほどには増えず、努力をしなかった場合には一八パーセントの伸びにとどまるといわれている。
こうした中国経済の拡大と輸出の伸びは、中国に肩入れしたクリントン大統領の政治的な意図に基づくものだったが、そのあと登場したブッシュ大統領も経済的には中国の輸出の増大を助けてきた。
ブッシュ政権は二〇〇一年に登場したとき、「テロリスト国家には断固たる姿勢をとる」と宣言し、中国もそのテロリスト国家の一つに入れていた。中国がパキスタンにミサイルの技術を与えたり、リビアや北朝鮮に対しても援助を行ない核兵器やミサイル開発を助けたりしていると見たからである。
ブッシュ大統領の基本的な政策からすれば、中国はアメリカの危険な敵であり、厳しく対応するべきであった。ところが経済的にはブッシュ政権は中国政府を甘やかし、人民元との交換レートについてもクリントン大統領の決めたとおりに受け入れてきた。
その理由はアメリカが中国の安い製品を必要としており、また中国に貿易黒字として手にしたドルをアメリカに投資をしてもらう必要があったからである。「中国の資金がアメリカに流れ込み、アメリカの土地不動産の値段が上がっているかぎり、中国を敵と決めつけるわけにはいかない」
ブツシュ政権の首脳が私にこういったが、貿易摩擦でアメリカから徹底的に叩かれた日本と違って中国は、貿易黒字として手にした資金を惜しげもなくアメリカに投資したためアメリカに穏便に扱ってもらっているのである。
中国は国内に投資をする代わりにアメリカの土地を買った。中国の企業に投資をしたのは日本である。一九九〇年代の後半からアメリカと中国の関係がよくなるとともに日本の.資本家は競って中国に投資した。中国でモノをつくりアメリカに輸出した。
ブッシュ政権が登場したあともクリントン時代と同じように、中国が安いモノをアメリカに売り、儲けた資金でアメリカの土地不動産を買いその結果、値上がりが続くという状況が続いたのである。クリントン時代の八年、ブッシュ政権が登場して五年、基本的にはアメリカの中国に対する経済的な姿勢はほとんど変わっていない。
ブッシュ政権は登場以来減税と小さな政府づくりを標榜し、企業が進出しやすい環境をつくると述べてきている。事実、減税は行なわれており、キャピタルゲインに対する税金も大幅に減っている。
しかしながらアメリカのモノづくりを中心とする企業活動はほとんど拡大していない。キャピタルゲインに対する減税は、株や土地不動産の売買を有利にしているだけである。
ブッシュ政権は安全保障上は中国に対して厳しい言い方をしている。クリントン政権に比べれば対立的な姿勢を明確にしている。ところが中国の資金を取り入れることには非常に熱心で、クリントン政権とあまり変わらない友好的な姿勢で中国に対応している。
こうしたブッシュ政権の姿勢は、クリントン政権のときと同様に、中国側から甘く見られる原因になっている。中国とアメリカの関係は、クリントン政権以来、実質的には友好関係が続いている。表面的な姿勢は異なるものの、中国からの資金にすべてを頼っているという点ではまったく変わっていない。 (P60〜P66)
(私のコメント)
アメリカ人は「自分を絞め殺す為のロープすら売る」という言葉はどこかで聞いた言葉ですが、カネの為なら自分の命も惜しまない拝金亡者のようだ。最近では日本でもホリエモンのように「カネさえあれば何でも買える」と言う人も出てきたから、日本人もアメリカ人並みに劣化してきたようだ。
中国人や韓国人などもカネの為なら命も惜しまぬ人たちだからアメリカ人との相性もいいのだろう。それに対して昔の日本人は威厳を保つ為には命も惜しまぬ人たちであった。しかし最近では日本人もホリエモンのような卑しい人間達が増えた。政治家達もカネの為に政治家になったような人物が多くなった。
だから日本の外交や防衛もアメリカに任せきりにしても平気なのだ。しかし国防まで任せきりにしてアメリカはそんなに信用が出来る国なのだろうか? 冷戦時代ならアメリカは日本を裏切る事はなかっただろう。ソ連の核攻撃力はアメリカに迫るものであり、日本がソ連の支配下に入ったらアメリカ本土の西海岸まで防衛ラインを引き下げなければならなくなる。
しかし冷戦が終わってアメリカには敵がいなくなり、経済的な脅威だった日本をクリントン政権は叩きにきた。日高義樹氏が書いているように、クリントンは中国の元を60%も切り下げさせて国際競争力を付けさせて米中が連携してジャパンバッシングを始めた。それに対して日本の政治家達はなす術を知らずに首相は10年間の間の9人も代わった。しかし日本経済は少しも良くならず、アメリカのファンドの草刈場になった。
まさか同盟国の日本にアメリカが襲い掛かるとは思ってもいなかった。さらにクリントンは中国に対して戦略ミサイルの誘導技術まで輸出して中国を強化しましたが、このことに関してアメリカ政府もFBIも問題にしていない。まさに自分の首を絞めるロープまで中国に売ったことを政府自ら認めたことになる。
さらにヒラリー・クリントンは中国から様々な方法で政治資金をもらっているようですが、大統領選挙にもかかわらずあまり問題視されていない。明らかに日本に悪意を持つクリントン夫妻がやりたい放題の事をして再び大統領になる事はまさに日本にとっての悪夢であり、90年代の悪夢が再び甦る事になるだろう。
そしてアメリカ自身にとっても中国が息の根を止めにきているにもかかわらず、親中派のヒラリー・クリントンを大統領に選ぶ事は自殺行為だ。日本としてはアメリカが自ら自殺する事は日本にとっては由々しい出来事であり自主防衛体制を整える必要が出てきたということだ。
もしヒラリーが大統領になり日本を再び叩きに来たら、日本は密かにEUや中国と連携してドル売りでドルの基軸通貨体制を破壊してアメリカを叩きのめす必要がある。90年代と現在とは国際状況も変わってきているから、日本としても対抗手段を今から準備してジャパンバッシングに備えなければならない。
2001年からブッシュ大統領に代わって対中政策も変わって中国をテロ国家に指定したほどなのですが、すぐに政策を改めてクリントン時代の対中政策を継続した。中国は対米貿易黒字を溜め込んで世界一になっても元の切り上げをなかなか求めなかった。最近でもポールソン財務長官は元の切り上げは強く求めてはいない。
日本が対米黒字を溜め込んだ時は円の切り上げなどで360円から79円まで切り上げさせられたのと比べるとえらい違いだ。それでも日本経済は輸出競争力は衰える事は無くクリントンの目論見どおりには二流国家になる事は無かった。むしろアメリカの方が経済は空洞化して中国に対して経済依存度は高まる一方だ。そして中国によってアメリカ経済は息の根を止められるのだ。ひょっとしたらヒラリーはアメリカ合衆国最後の大統領になるのかもしれない。
ドルが果てしなく暴落して中国の元が急激に切り上げられれば予想よりも早く中国経済はアメリカ経済を逆転する時が来るだろう。そうなれば日本はアメリカを市場にしてきましたが今度は中国を市場にして商売すれば良いだけの話だ。
そうなる前にアメリカと中国は石油の獲得合戦で衝突せざるを得ないだろう。アメリカも石油が枯渇して中国も石油を獲得しなければ経済発展が持続しないから石油の奪い合いが始まるのだ。日本は世界に省エネ技術を売り込んでますます発展は続くだろう。原子力発電所のメーカーも大規模なものは日本しかメーカーは無い。
長期的に見れば米中連携による日本叩きは失敗するだろう。中国はロシアとも上海協力機構で軍事同盟を結んだ。中東でアメリカと中国ロシア連合軍とで石油をめぐる熾烈な獲得合戦が行なわれるだろう。それに対して日本は適当にアメリカに協力しながら様子を見ていればいいのだ。
アメリカに味方する国はもはやイスラエルくらいしかなくなってしまった。イギリス軍もイラクから完全撤退するかもしれない。アメリカはもはや池に落ちた犬でありイラクで泥沼に嵌っても助けられるのは日本ぐらいだろう。バカなクリントンは自分の首を絞めるロープを中国に売ってしまったのだ。