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米大統領の「最終戦争発言」で揺れる世界
http://plaza.rakuten.co.jp/31sakura/diary/200710190000/
ジョージ・W・ブッシュ米大統領の「最終戦争発言」が問題になっている。「もし第3次世界大戦を避けたいならば、核兵器に関する知識をイランが持つことを防がなければならない」と10月17日に言ったのだが、核兵器に関する技術は世界中で知られている。図書館にでも行けば、誰でも入手することは可能。イランの核開発が平和目的なのか軍事目的なのかという議論はこの大統領にとっては無意味。ブッシュ大統領は世界大戦を始めると宣言したに等しいのだ。原油価格の高騰など、この発言の小さな余波にすぎない。
暗殺の脅しを無視してロシアのウラジミール・プーチン大統領がイランを訪問したことに対する反発という見方もあるが、この見方が正しいならば、某ボクシング親子並みの反応だと言えるだろう。イスラム国のパキスタンが核兵器を保有することを認めているアメリカが、イランの核兵器に関する「知識」に目くじらを立てるのも奇妙な話である。
ブッシュ大統領はイスラエルの安全を気にしているようだが、このイスラエルが世界有数の核弾頭保有国だということは公然の秘密。その実態を暴露したモルデチャイ・バヌヌは1986年から18年の間、刑務所に入られていた。イスラエル当局はバヌヌをイタリアで拉致しているのだが、たいした問題になっていない。しかも、何をおそれているのか、刑務所から出たバヌヌが外国人に会うことをイスラエル側は禁止、その命令を破ったとして今年7月には6カ月の懲役を命じる判決が出ている。
アメリカには「神と悪魔との最終戦争」、いわゆる「ハルマゲドン」を望んでいるキリスト教系カルトの信者がいる。正確な数字を出すことは難しいが、そうした教義を掲げる宗派の信者は数千万人に達するとも言われている。しかも、軍の中枢に大きなネットワークを築いている。イラクの掃討作戦を指揮してきたウィリアム・ボイキン中将は有名な存在だ。また「傭兵会社」のひとつで、イラクにおける市民殺害が問題になっているブラックウォーターの創設者もそうしたカルトの信者である。
この恐ろしい「ハルマゲドン理論」の創始者と言われているのがスコットランド人のジョン・ネルソン・ダービー。19世紀のことである。この理論によると、救世主の再臨を実現するためには、まず「ユダヤ人」をパレスチナに「帰還」させる必要がある。彼らが「キリスト教シオニスト」と呼ばれるのはそのためだ。その後、この「理論」はアメリカへ伝えられ、同国中央部を中心に広まり、1970年代にはイスラエルの軍事強硬派「リクード」と手を組んでいる。この結果、イスラエルでは労働党とリクードとの力関係が逆転してしまった。
1970年代以降、アメリカではキリスト教シオニストの影響力が拡大する。ロナルド・レーガン大統領が熱心なキリスト教原理主義者だったことは有名な話だが、ジョージ・W・ブッシュ大統領に比べれば信心度は浅かったと言えるだろう。つまり、現大統領はそれだけ狂信的な信者だということだ。この物騒な人物が核攻撃を命じる立場にあることを考えると背筋が寒くなってしまう。この大統領を「国際貢献」と称して日本政府が支えている事実も忘れてはならない。