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イラク戦争の二の舞を演じる米国 ―― 今度はイランでhttp://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/101/
経営コンサルタント 大前 研一氏
2007年10月10日
イランの核問題が緊迫した状況になってきた。かつてないキナ臭さをわたしは感じている。
去る9月24日、IAEA(国際原子力機関)は、ウィーンで開催された定例理事会でイランの核問題を議論をした。依然として核兵器開発疑惑がくすぶり続けるイランの保障措置協定違反を認定するとともに、ウラン濃縮関連・再処理活動の再停止を求める決議が採択された。我々日本人の感覚からすれば、これはごく結構なことだろうと思う。しかしこの採択を快く思っていない国がある。米国だ。
この定例理事会の1カ月前の8月、IAEAはイランがウラン濃縮活動を継続していることを認める報告書を提出している。しかしイランの濃縮拡大のペースが鈍化していることから、IAEAは今後の話し合いによる解決を進めようとしている。前述の採択はこの延長線上にあるものだ。そしてこの10月には、イランの核開発についてIAEAが再調査を開始することも明らかになった。
こうしたIAEAの一連の動きを受けて、米国のライス国務長官はIAEAの対応を批判し、「IAEAは外交を行う機関ではない」「米国も一員となっている理事会を持つ技術機関にすぎない」と述べた。まもなく国連安全保障理事会で、3度目となる制裁会議が開かれる。時期的なことをかんがみれば、米国はそこで議論を主導したいと考えているのは誰の目にも明白だろう。
つまり米国は、さっさとイランに攻撃を仕掛けてしまいたいというのが本音なのだ。だが、それにはIAEAのエルバラダイ事務局長の考えが邪魔になる。そこで、その前に釘を刺しておこうというのがライス国務長官の発言というわけだ。ちなみに、IAEAでは以前から「イランの核開発は軍事目的、核兵器製造のためであるという証拠はない」と何度も報告している。