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http://mainichi.jp/select/world/mideast/news/20071011k0000m030043000c.html
【カイロ高橋宗男】「警察署に配備された50丁の自動小銃AK47と弾薬のすべてが、民兵組織に横流しされた」「拘束した民兵の釈放を余儀なくされた」。今年8月、バグダッドの警察署長を辞職した男性ら警察関係者が、毎日新聞のイラク人助手の取材に応じ、イラク警察内部の腐敗ぶりを語った。イラクでは治安回復を担う警察組織が機能せず、米国防総省も米議会に提出した報告書に数々の問題点を指摘している。
この男性は、バグダッド東部の警察署長だったアフマド氏(42)。イスラム教シーア派の対米強硬派「サドル師派」の民兵組織「マフディ軍」が警察署内に浸透し、「署長の私より、民兵組織の構成員である部下の力の方が強く、部下に脅される日々が続いた」と警察の実情を吐露した。「民兵組織の違法行為に加担するか、職を辞すしかなかった」と辞職の理由を説明した。
イラク警察は犯罪捜査を担当する一般警察と、軍と協力し治安維持に当たる国家警察に分かれる。マフディ軍と、同じくシーア派の有力政党「イラク・イスラム最高評議会(SIIC)」の民兵組織「バドル軍」が両警察内部で競い合うように影響力を行使している。
国家警察の現職警官、ナディム氏(27)は「部隊の同僚100人のうち半数は、給与台帳に登録されているだけの『幽霊警官』」と指摘する。民兵組織に属さないナディム氏は「検問所や戦闘地域など危険な任務を与えられる。ケガをしても何の補償もない、単なる捨て駒だ」と嘆いた。
米国防総省が9月14日に米議会に提出した報告書によると、イラク一般警察の人員総数は23万2000人。米軍などの多国籍軍で訓練を受けた13万5000人のうち、任務についているのは「4〜7割」と推計した。見方を変えれば、米軍が重要課題に据えるイラク警官の養成成功率は5割に満たないと認めたことになる。
さらに報告書は、イラク内務省の保有火器について、「戦闘での損失、盗難などにより、相当数が使用不能となっている可能性がある」と指摘している。
毎日新聞 2007年10月10日 19時24分