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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=370
アムネスティ・インターナショナルは本日、国連安全保障理事会に対し、ビルマ(ミャンマー)への包括的で義務的な武器禁輸措置を発動するよう求める。同国当局は民衆の平和的な抗議行動に対し、殺害や重大な傷害、大量の拘禁などを引き起こしている。
アムネスティはまた、ビルマ軍事政権への主要武器供給国となっている国、とりわけ中国、インド、ロシア、セルビア、ウクライナおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)各国に対し、自国の企業やブローカー、国家などが武器、治安維持のための器具類、軍需品、および軍需知識の同国への直接・間接の供給に関与することを禁ずるよう求める。「致死的でない武器」とされるものも例外ではない。
「ビルマ軍事政権指導者たちに対し、国際社会は平和的な抗議行動を暴力的に弾圧したことを決して容認しないし同調もしない、という断固としたメッセージをただちに示さなければならない」。アムネスティ事務総長アイリーン・カーンはそのように述べた。
公式発表では死者9名となっているが、実際の犠牲者はこれを上回るのではないか、とアムネスティは憂慮している。先週、ビルマの治安維持部隊は僧院を急襲し、平和的に抗議する人々に対して催涙ガスのみならず実弾まで発砲、デモ参加者を警棒で殴打するなどの攻撃を行なった。ヤンゴンだけで1000人が拘束されたとも考えられる。治安維持部隊は、民主的な改革を求める抗議行動がさらに続けば、さらに身柄を拘束し、暴力をエスカレートさせるおそれがある。
「すでに長年にわたり深刻な人権侵害を行ってきた軍事政権が、依然として平和的なデモに対し暴力をふるっている。国際社会のいかなる国であれ、このような軍事政権に武器を供給し続けることは容認できない。」
「包括的な武器禁輸はビルマ軍事政権が人権状況をあらゆる面で改善するための具体的措置をとるまで続けられるべきである。同国にいる良心の囚人も全員が釈放されなければならない」。カーン事務総長はこのように述べた。
EUは1988年、米国は1993年に、直接・間接の武器関連製品の供給を禁輸としており、これらは厳格に実施されるべきである。
今回の危機以前にも、ビルマでは長年にわたって甚大な人権侵害が続いており、連日のデモはこうした状況を背景としている。1160人以上の政治囚は劣悪な環境の刑務所に長期間拘禁されており、良心の囚人となっているノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチーさんや他の軍事政権に反対する活動家の拘禁も続いている。超法規的処刑、拷問の広範な使用といった問題もある。また、ビルマ国内でよく見られる表現の自由に対する抑圧は、全国的に広がっている。強制労働や子ども兵士の使用も依然として行われている。カレン州東部で行われている軍事行動に、民間人に対し国際人道法および国際人権法違反の行為があるという証拠がある。これは人道に対する罪にあたるものである。依然として同国の多くの地域で、独立した監視団や国際的な人権団体の立ち入りが拒否されている。
背景情報
中国
公表されている資料によると、1988年以来、中国はビルマ軍に対して、戦車、装甲兵員輸送車、榴弾砲、対戦車砲、対空砲などの火砲、ジェット機などさまざまな軍装備品を供給している。中国は武器移転について、定期的に国連に報告していない。
インド
2007年1月、ビルマ軍事政権が軍装備品の提供を要請したことに対し、インド外相は「良い回答」を出すことを約束し、4月にはインド・ビルマ共同軍事訓練が実施された。報道によると、インドは、戦車、航空機、火砲、レーダー、小型武器、そしてEU諸国やアメリカ合衆国で製造した部品や技術、軍需品などを搭載している可能性が高い高度軽ヘリコプター(ALH)など、様々な種類の武器を提供することに合意した。
ロシア連邦
2007年、ロシア連邦は、2006年に大口径火砲システム100基をビルマに輸出したと国連に報告した。ロシアは、2002年に戦闘用航空機10機、2001年にも同4機をビルマ向けに輸出している。また、ロシアの航空機製造会社ミグは2006年10月に事務所をビルマに設置した。
セルビア
関税資料によると、セルビアはビルマに対し、2004年から2006年にかけて弾薬をはじめとする軍事用の武器および軍需品を大量に輸出している。
ウクライナ
2004年4月、ウクライナの国営武器会社であるUkrpetsExport社は、5億米ドル以上ともいわれる契約の一環として、装甲兵員輸送車1000台をビルマで組み立てて供給するという10年契約を交わした。また同年、ウクライナは、ビルマに対して2003年に装甲戦闘車両BTR-3Uを10台とR-27ミサイル10発を輸出したと国連に報告している。
AI Index:ASA 16/016/2007
2007年10月1日