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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007092802052184.html
2007年9月28日 朝刊
【バンコク=大場司】軍事政権による反政府デモの武力弾圧が続くミャンマーの旧首都ヤンゴンで二十七日、取材中の日本人映像ジャーナリスト長井健司さん(50)=東京都中野区=が治安部隊に撃たれて死亡した。軍政の武力弾圧で外国人が死亡したのは初めて。軍政は市民に無差別発砲するなど弾圧を強化し、死傷者が続出している。国営テレビは同日夜、日本人一人を含む九人が死亡したと伝えた。
長井さんは東京・赤坂のニュース制作会社「APF通信社」と契約しており、日本を拠点に世界の紛争地などを取材。ミャンマー情勢取材のため、二十五日から一人で同国入りしていた。
日本外務省などによると、長井さんはヤンゴン中心部にあるスーレ・パゴダ(仏塔)周辺で小型カメラで取材活動中、治安部隊に胸を撃たれて病院に収容され、死亡が確認された。
長井さんが死亡した仏塔周辺には二十七日、僧侶への弾圧に怒った市民約一万人が集結。武装した治安部隊と市民のにらみ合いになった。治安部隊は放水などでいったんは市民を解散させたが、市民が再度集結。治安部隊は市民に向けて無差別発砲し、多数の死傷者が出た。
治安部隊はヤンゴン市内の幹線道路や要所を封鎖し、弾圧に抗議してデモを行うとした市民と衝突。
複数のけが人が出たほか、数百人の市民が拘束されたとみられる。デモは弾圧強化で封じられつつある。
二十六日までデモを主導した僧侶の姿は街頭から消え、市内数カ所の僧院を急襲した治安部隊によって僧侶千人以上が拘束された。
僧院への弾圧は中部マンダレーなどでも続いている。
軍政の弾圧強化に市民の反発は高まっており、市民の抗議行動が二十八日も続けば治安部隊による無差別発砲がエスカレートする恐れがある。