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毎日【イラク情勢:米国とイランの「代理戦争」の様相】
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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20070915k0000m030106000c.html
イラク情勢:米国とイランの「代理戦争」の様相
【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米大統領は13日夜のイラク政策演説で、「自由なイラクはイランの破壊的な野心に対抗する」と述べ、核開発疑惑のあるイランの地域覇権を抑えるためにも、イラクにおける「成功」が重要だと強調した。米国がイラン攻撃の選択肢を排除しない中、イラクは米国とイランの「代理戦争」の場としての様相を強めており、イラクをめぐる情勢は中東全域に影響を及ぼしている。
ブッシュ大統領は、イラク駐留米軍の早急な撤退は「すべての過激派を大胆にする」と指摘し、「イランは(米軍撤退後の)混沌(こんとん)から利益を得る。核兵器を保有しようとの努力は促進され、中東地域を支配するだろう」と警告した。米国はこれまでも「イランがイラク国内の民兵組織を支援している」と非難してきたが、核開発まで引き合いに出して米軍駐留継続の必要性を訴えるのは異例だ。
イラン問題は10、11の両日開かれたイラク情勢をめぐる米議会公聴会でも焦点の一つだった。イラク駐留米軍のペトレアス司令官は、イランがイラク国内でレバノンのイスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」のような組織の育成を試み、「イラクと多国籍軍に代理戦争を仕掛けようとしている」と証言した。
しかし、イラク戦争開戦の理由ではないイラン問題を米軍駐留の必要性の根拠とするブッシュ政権の姿勢には批判もある。共和党の有力者、ヘーゲル上院議員は公聴会で「我々はイランやシリアなどを含む大きな戦略的文脈からイラクを見てこなかった。一体どこに向かうのか」とただし、イラク問題の広がりに懸念を示した。
米国がイラクから容易に撤退できない理由の一つには、サウジアラビアなどイスラム教スンニ派の親米アラブ諸国がイランの台頭への懸念を強めている事情がある。世界戦略上、極めて重要なアラブ産油地域で米国が友好国の理解なしに軍事的関与を急速に弱めることは難しい。ブッシュ大統領も「中東の混沌を防止することは米国の死活的な国益だ」と強調した。
加えて情勢を不透明にしているのが、イランの核開発疑惑だ。米国は当面、国連安保理での制裁強化などイラン封じ込め政策を進める構えだが、軍事攻撃の可能性は残されており、状況を複雑にしている。ブッシュ大統領は任期満了(09年1月)に向け、イラク情勢の推移とイラン核開発の進展をにらみながら、中東政策の調整を図ることになりそうだ。
毎日新聞 2007年9月14日 21時22分
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